2016.12.21
日本経済の中心とも言える、証券の町、兜町・茅場町。
ここに、その象徴と言える、東京証券取引所があります。
この東京証券取引所は、1878年6月1日に東証の前身である東京株式取引所としてスタートしてから、120年以上もの間、兜町・茅場町の移り変わりを見てきた場所です。
今回は、東京証券取引所の見学ツアーをレポートしていきたいと思います。
撮影:兜LIVE!編集部
東京証券取引所(以下、東証)と聞くと、国の公共機関というイメージがありましたが、れっきとした”株式”会社なのです!
証券会社で買った株の取引情報は東証に送られ、実際の取引が行われます。その取引が正しいか、株の銘柄の審査などをつかさどる会社みたいです。
取引や銘柄の審査・管理を担っていることから、公的機関に近い印象なのかもしれません。
実は昔は多くの証券会社の人々が東証に集って、人と人とがリアルな場所で取引をしていました。その後インターネットで取引が効率的に整備され、1999年に株券売買立会場は閉鎖、現在は東京市場のシンボル『東証Arrows』と変化しました。
東証Arrowsは、市場情報を投資家に開示したり、上場会社のサポート業務、見学ツアーを実施したり、株式体験コーナーがあったりと、現在は、金融教育を行う場所になっています。
入館手続きを済ませて早速見学スタート。
一番最初に訪問する場所は、株取引の体験コーナーです。
撮影:兜LIVE!編集部
ちょうど学生と海外からの団体旅行者が多く体験している時で賑わっていました。
ニュースによって変化する株の動きをパソコン上でシミュレーションする事ができます。
そして、次はニュースで見たことのある『チッカー』と呼ばれる、円筒状の掲示板へ!
撮影:兜LIVE!編集部
テレビでも見たことがある空間だったのですが、実際に見てみると圧巻です。
多くの企業の事業に対する情熱が集まる場所なので、
株式のこと、金融知識がなくてもこのような場所にくると、
なんだか、ワクワクした気持ちになりました。
撮影:兜LIVE!編集部
チッカーは、取引の量が多く活発になると回転も早くなります。8段階も回転速度に種類があります。そして、チッカーを支える什器がガラス張りになっている理由は透明性、公平性を表しています。
ガラスの中には東証の社員さんがいてニュースや取引に不正がないかリアルタイムでチェックしています。
取引所は株式取引の象徴の場所と表現しましたが、それだけでなく、企業が上場する際や決算発表をするときもこの場所が使われます。そのため、上場を目指している会社や上場会社にとっては実務の場所であり、憧れの場所です。
撮影:兜LIVE!編集部
上場の際は、この鐘を叩き、歓喜のあまり涙を流す方もいるそうな…。
東証には、一部、二部、マザーズ、JASDAQという4つの市場が存在しています。
一部は厳しい審査を通過した一握りの企業が上場できる市場、二部はその予備軍的立ち位置の企業、新しい会社いわゆるベンチャー企業が上場するのはマザーズとなります。JASDAQもベンチャー企業が対象になりますが、スタンダードとグロースという2つの特徴があります。
その他、東証Arrowsには、メディアブースと記者クラブがあり経済・金融ニュースをいち早く世の中に発信しています。企業の決算発表をこの場所で行うのも翌日の新聞などですぐに情報発信するためなのです。
撮影:兜LIVE!編集部
今回は、見学にあたり、東証金融リテラシーサポート部の方にご案内をいただきました。金融リテラシーサポート部は、個人投資家の金融意識と知識向上のために生まれた新しい部署だそうです。
東証という場所柄、男性のイメージで遠い存在に感じていたのですが、そのイメージを変えるためにも見学ツアーを案内してくださる方は女性中心でカジュアルです。硬い業界イメージを変えていきたい、正しい金融知識を伝えたいとサポート部の皆様はお話しされていました。
東証の見学の後、証券マンの真似をして立ち寄った喫茶店メイが閉店すると聞き、
マスターに話を聞いてきました。東証と共に兜町を見守ってきた有名な喫茶店だそうです。
撮影:兜LIVE!編集部
東証の入り口の前に、こじんまりとあるかわいい喫茶店メイは、ずっと東証を行き交う人々の休憩の場所でした。今では信じられませんが、数百万の札束が入った高島屋の紙袋をもって、これから取引に行くという証券マンが多くいたそうです。
古き良き時代。というものでしょうか…。笑
撮影:兜LIVE!編集部
近くのナポリタンランチを食べて一息コーヒーを飲む人
忙しいからメイの特製卵サンドイッチをほうばって仕事に向かう人
夕方商談で来る人
勝って負けて人生が変わった人
ふらりと立ち寄る女性など
来る人それぞれのシーンが、
この喫茶ではあったように感じました。
撮影:兜LIVE!編集部
2016年11月末でこの喫茶はクローズしてしまいました。
珈琲の香りが独特でマスターのかっこいい白髪のファンになってしまったというのに、残念です。新しい街づくりをしつつも、こういった兜町・茅場町の歴史も語り継いでいきたいと思います。
東証の見学を通じて、兜町・茅場町にある金融ストーリーを垣間見る事ができました。
皆様も一度、足を運んでみてはいかがでしょうか?
経済・金融が体験できる貴重な場所だと思います。
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