2024.01.11

東京証券取引所の恒例行事「2023年大納会」をレポート!

こんにちは。

兜LIVE!編集部です。


東京証券取引所にて行われる毎年恒例の行事、大納会と大発会。年末年始の風物詩としてニュースなどで見かける方も多いのではないでしょうか。



今回は、東京証券取引所内「東証アローズ」で行われたセレモニーに参加しましたので、会場の様子をお届けします。また、2024年1月4日に行われた大発会の様子も併せてお伝えします。


◆東京証券取引所2023年「大納会」


日本の証券取引所では、1年の最終取引日に「大納会(だいのうかい)」が行われます。年納めの催事を指すほか、年末の最終取引日そのものも意味します。


毎年、その年に活躍した著名人によるスピーチと記念の鐘を打つセレモニーが行われ、最後は会場全員の「手締め」にてその年を締めくくります。



2023年のゲストは2023WBC日本代表監督の栗山英樹(くりやま ひでき)さん。
東証アローズ内には、ピリっとした式典の空気感と、年納めのどこかリラックスした感覚が混ざり合う独特の雰囲気が漂います。


◆大納会スタート

時刻が15時をまわると2023年全ての取引がクローズし、大納会がスタートしました。



開会のアナウンスに続き、日本取引所グループ取締役兼代表執行役グループCEO山道裕巳(やまじ ひろみ)さんからご挨拶がありました。



「本日はお忙しい中、私どもの大納会にご出席いただき、ありがとうございます。また、日頃から取引所の運営に多大なるご協力をいただき、厚く御礼申し上げます。
今年の株式市場は大きく上昇を遂げた一年となりました。相場の上昇には、コロナ禍からの経済活動の正常化と、それに伴う日本への資金シフトが起こったと考えられます。
日本企業の好調な企業業績により、設備投資への意欲の高まりも生まれました。
約30年間続いているデフレ経済からの本格的な脱却への道筋が見えてきていること、これこそがこれまでとは大きく異なる点であると考えています。
日本企業・日本経済の変革により国内外からの投資家の皆さまからの期待の声も高まりました。そういった様々な要因があった事が株式市場を好転させるきっかけになったのだと思います」


「さて、2024年からついに新NISAが始まります。デフレ下では現金保有に経済的な合理性がありました。けれども、インフレに本格的に転換しつつある足元では、個人の投資に対する意識や関心も着実に高まっております。
私どもの業界の長年の悲願である『貯蓄から投資へ』の流れが大きく加速する一年になる、と考えております。成長と分配の好循環の実現を後押しすべく、個人投資家の皆さまがより投資しやすい環境の整備や上場商品の質や量の拡充に取り組んでまいります」


◆2023年のゲスト栗山英樹さんご挨拶


山道CEOが拍手で送られ、今年のスペシャルゲスト栗山英樹さんが登壇。
1961年生まれの栗山英樹さんは、1984年ドラフト外でヤクルトスワローズへ入団。89年にゴールデングラブ賞を獲得し、90年シーズン限りで現役引退。引退後はスポーツキャスター、白鷗大教授などを歴任し、2012年に北海道日本ハムファイターズの監督に就任。2021年まで10年間、指揮を執りパ・リーグ優勝2回。2016年には日本一に輝きました。2022年から野球日本代表「侍ジャパン」の監督を務め、2023年の第5回ワールド・ベースボール・クラシックで3大会ぶりの優勝を果たしました。


「皆さん、一年間本当にお疲れ様でした。コロナ禍や戦争による世界情勢の悪化と暗いニュースが多かった一年だったと思います。
そのような中で行われた3月のWBCですが、私は日本の底力を信じていました。選手達が力を発揮してくれれば必ず優勝できる、そう思って臨みました。
結果、その言葉どおりに世界を獲ることができました。多くの人に笑顔や元気をお届けできたら幸いと思います。日本優勝のために戦ってくれた選手達にはとても感謝しています」


「そして、いつも日本の国のため経済のために頑張ってくださっている皆さん、本当にありがとうございます。野球もそうですが、正しいことを頑張っていても形にならない時があります。ただ、大きなきっかけは掴んでいますし、来年こそは世界が日本の経済に憧れる、そういう存在になってくれることを信じています」


◆「五穀豊穣」を願う打鐘

お二人のスピーチが終わると、2024年の日本経済の発展を願って打鐘が行われました。



この鐘は主に「上場セレモニー」において使用されるもので、東京証券取引所に上場する企業が、取引を開始する初日に上場認証式が行なわれた後、東証アローズ内にある鐘を打ちます。当初は取引の開始を告げる鐘として鳴らされていましたが、今では「上場の鐘」として、セレモニーなど特別なときに鳴らされています。


打鐘では5回鐘を鳴らすのですが、この5回という回数の理由は「五穀豊穣」に由来しており、「市場が栄えますように」という願いが込められています。大納会においてもこの鐘が使われ、その年に活躍した著名人が記念の鐘を打つセレモニーが行われます。


今年は栗山さんによる打鐘が5回行われました。



厳かな鐘の音が東証アローズ内に響き渡り、年内の取引を締め括りました。
最後は、東京証券取引所常務執行役員の川井洋毅(かわい ひろき)さんの発声により、恒例の会場全員で「手締め」が行われました。


「本年の立ち会いを終え、手締めを行います。皆さま、お手を拝借」



大きな掛け声と拍手の中、式典が終了しました。


◆2024年大発会の様子もご紹介

2024年1月4日に行われた大発会の様子もご紹介します。こちらはライブ配信による取材となります。



「大発会」とは、証券取引所の年始の最初の取引日に行われる催事を指し、大納会と同じく、催事の行われる年始の最初の取引日そのものも意味します。


大発会に先立ち紹介されたのは、7月に刷新される新一万円札の肖像画に決まっている渋沢栄一をキャラクター化した「しぶさわくん」です。「しぶさわくん」キャラクターが誕生した北区飛鳥山から大発会に駆けつけてくれました。



なお、渋沢栄一は「近代日本経済の父」や「日本資本主義の父」と呼ばれ、日本取引所グループの前身にあたる東京株式取引所の創設に中心的な役割を担った人物です。


本年は、新年早々に石川県の能登半島を中心とした地震、羽田空港の事故といった痛ましいニュースが続きました。大発会の式典に先立ち、亡くなられた方々に対して哀悼の意を表し、1分間の黙祷が行われました。



黙祷の後、大発会が始まりました。
大納会と同様に日本取引所グループCEOの山道裕己さんが年頭挨拶を行いました。



「成長と分配の好循環の実現を目指し、個人投資家の皆さまがより投資しやすい環境の整備や上場商品の質や量の拡充を後押ししていきたい」と力強く語られていました。

なお、今年の大発会では、元日の能登の震災に哀悼の意を評して、打鐘は行われませんでした。


会の途中には2024年最初の取引が開始されました。
2024年のスタートです!



最後は大納会同様、常務執行役員の川井洋毅さんの発声により手締めが行われました。



◆終わりに


年初から起こった災害、痛ましい事故など波乱の幕開けとなった2024年。奇しくも、大納会で2023WBC日本代表監督の栗山さんは日本の底力について語られました。このような時だからこそ、経済はもちろんですが、暗いニュースを吹き飛ばすような私達一人一人の団結力・底力が試される時なのかもしれません。


新NISAの開始など明るい話題も控えている本年。有益で楽しい情報をこれからもお届けしていきたいと思います。


2024年も、兜LIVE!をどうぞよろしくお願いいたします!



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