イベントレポート

2018.11.28

第6回「日本酒を蔵元トークとテイスティングで楽しむ」〜米鶴酒造(山形県)〜を開催いたしました!


こんにちは!
兜LIVE!編集部です。
 
今年6度目の「日本酒を蔵元トークとテイスティングで楽しむ」を開催しました!

 
古くは日本橋川沿いに酒問屋が立ち並び、「優良な日本酒が集まる場所」として一目おかれていた兜町・茅場町界隈。
 
戦後には「金融の街」としても盛り上がりを見せ、日本を代表する株式市場・東京証券取引所の発祥の地でもあるというこの地を、新たな時代の流れに応じてもう一度盛り上げていくための試みの一環として、「日本酒を蔵元トークとテイスティングで楽しむ」を開催しています。
 
今回は、山形県米沢市から、米鶴酒造株式会社 代表取締役社長・梅津陽一郎さんをお迎えしての開催です。
 
早速、当日の内容をレポートしていきたいと思います!



◆先代たちの努力の賜物! 米鶴酒造が山形の名蔵元となるまで 

 
米鶴酒造の起源は今から遡ること約300年前、江戸時代の元禄末期、1704年に現在の山形県・米沢の地で、初代の梅津伊兵衛氏が酒造りを始めたところからスタートしています。
 
しかし、当時はいわゆる「経験がものをいう」職人技任せで酒造りをしていたことから、あまり酒質が安定しなかったのだとか。それを、現在の社長である梅津さんから遡って2代前の、10代目がテコ入れ。醸造学において実績のあった今の大阪大学で修めた知識を生かして、科学的で再現性のある手法を取り入れたのです。そうして、より安定した質による酒造りができるよう実践を重ねていったことが、今の米鶴酒造の礎となっていったそうです。




しかし、梅津さんのお父様に十分な技術の引き継ぎがなされる前に、10代目は亡くなってしまいます。時は20世紀の半ば、日本全国には1600〜1700ほどの蔵があり、競争も激しい時代。「他の蔵元と同じようなことをしていては酒造の未来はない!」と、11代目となった梅津さんのお父様は奔走し、大手酒造が広告費をかけて販路を拡大していく姿を横目に、先代が追い求めてきた流れを汲んで「品質重視の酒造り」を追求し続けます。
 
結果、複数の品評会など日本酒のコンテストとも言われる場面で金賞・銀賞を取り続け、米鶴酒造は、市場での評価を確かなものとしていったのです。



◆梅津陽一郎さんの譲れない2つのこだわり


そういった努力を重ね、今の名高い蔵元の地位を勝ち取った米鶴酒造。梅津さんには、お酒造りの上で、大切にしているポイントが2つあるそうです。
 
1つは、先代たちも大切にしていた米鶴酒造のマインドそのものとも言える、「品質重視のお酒造り」。

もう1つのポイントは、地元農家と協力して酒米栽培を手がけながら、世界に通じるブランドづくりを行っていくこと。 
実は、米鶴酒造がある山形県東置賜郡高畠町の地は、食べるのに向いたお米が作りにくい土地柄だと言います。それでも地元を愛し、良さをアピールしていきたい気持ちを抱えて悩んでいたところ、日本酒と同じくらいのアルコール度数であるワインの製造に触れる機会があり、強く影響を受けたそうです。原料となるぶどうを自分たちの手でその土地で作り、ワインを作り上げていくという、地元に根付いたお酒作りの行程そのものに11代目は魅せられました。
 
このことをきっかけに「自分たちは酒米栽培から手がけて日本酒を作っていこう」と方針を固めた梅津さん。結果、現在高畠町で栽培されているお米は、約半分が酒米なのだとか。ちなみに山形県全体で作られているお米は、他県のブランド米ではなく、山形由来のお米が9割以上で、その大半が米鶴酒造に集うそうです。



 

今でこそ日本酒処として知られる山形ですが、新幹線もなかった数十年前を考えれば、盆地で他県からのアクセスが悪い土地柄、酒のプロである杜氏を招くのも難しく、先祖たちが大変な苦労を強いられたことは想像に難くないといいます。
 
そんな山形県では、地域内での酒造同士の横のつながりがとても強いそうで、杜氏(とうじ)を招くことが困難な分、代わりに一つの会社の中に酒造りのノウハウが蓄積されていく強みもあり、代が変わっても味の踏襲がし易い仕組みになっていることもメリットだとのことです。
 
県内で一丸となって「山形の酒を美味しくしよう!」と手を取って協力し合い、活発な情報交換の場を生み出した山形県の酒造りの姿勢は、今では他県での見本となっているのだとか。こうした精力的な活動が実を結び、山形の日本酒は日本で唯一、県単位での国が保護する地理的表示(GI)に指定されました(地理的表示は高い品質をもった産品の地理的な名称を保護する制度。知名度やブランドイメージ向上にもつながります)。



◆お楽しみ・利き酒タイム! 香りと甘み・風味が決め手

 

ご紹介したような数々の努力とこだわりを持って、全国ブランドとなった米鶴酒造。今回は、そんな米鶴酒造が誇る商品の中から、選りすぐりの3品を用いて、恒例のブラインドテイスティングが行われました!

 
候補の1つは、華やかで香り高く、日本酒らしい味のしっかりとした「米鶴 純米大吟醸 天に舞う鶴の輝き 袋取り」。2015年に純米酒大賞金賞の受賞歴がある実力派の一本であると同時に、四合瓶で15,000円する高級酒でもあります。
 
それから、「マルマス米鶴 限定純米吟醸」。日本酒らしい香りを持ちながらも、軽やかさがあり、少し酸味が残る風味が特徴的だそうです。手に届きやすい価格帯ながら、IWC2015金賞、蔵マスター2017金賞という華々しい受賞歴を持つ一本でもあります。
 
最後の一本は、「米鶴 純米 あんだんて」。米鶴の手がけるスパークリング日本酒「米鶴スパークリング」の技術を応用し、アルコール度を低く抑えながらも、甘くほのかな香りのある日本酒に仕上げられている一本です。


 

 
今回の利き酒において、それぞれのお酒を見極める決め手は、香りと甘み・風味でした!受講者のうち10名が正解し、記念品を受け取りました。


◆お待ちかね! 地元のおつまみで3種の日本酒味わいタイム

 
続いてのお楽しみは、蔵元お薦めの日本酒3種の試飲タイム。

1本目は「米鶴 特別純米 亀粋」。しっかりとした重みのある、日本酒らしい風味の強さが特徴的で、酒造好適米である「亀の尾」の中でも、米鶴の蔵人によって開発された大粒品種を用いて作られています。
 
2本目は先ほどの「あんだんて」の元にもなっている、「米鶴スパークリング」。「軽めでドライでありながら、僕らの好きな日本酒のテイストで作れるもの」という蔵元の望みを、工業技術センターが技術的に解決して作られた一品になっています。



ラスト・3本目は「米鶴 純米 ピンクのかっぱ」。女性にも人気があるというこの一本は、甘くほのかな香りが特徴的で、味わいも甘みが強くフルーティーな仕上がりです。さらに赤色清酒酵母を使用することによる色付けがなされており、ほんのりとしたピンク色がとっても愛らしく、印象的な一本です。




チェイサーとして用いられる水も、こだわりの「米鶴 仕込水」をご用意。




そして今回、珠玉のお酒たちと一緒にいただくお楽しみのおつまみは、全て山形県の特産物絡みの3品。菊の花の漬物、こんにゃく、米沢牛入りサラミの3種類です。


ブラインドテイスティングから始まってすっかりお酒も進み、時に梅津さんとも活発なQ&Aのやり取りを交わしながら親交を深め、盛り上がる参加者の方々。秋の始まりに帰ってきた、「日本酒を蔵元トークとテイスティングで楽しむ」。江戸時代に酒問屋街として賑わいを見せた日本橋兜町・茅場町にふさわしく、大盛況のうちに幕を閉じました。



◆兜LIVE!主催、日本橋兜町・茅場町でのイベント舞台裏

ちなみに今回の会場である「CAFE SALVADOR(カフェ・サルバドル)」は、この街を再度盛り上げていくにあたって、活発な交流が生まれるようにとの期待が込められた、ビジネスサロンとしての顔も併せ持っています。



時間料金制でWi-Fi・電源完備、飲み物とスナックも楽しみ放題のビジネスサロンブースと、店内オリジナルのドリンク・フードが楽しめるカフェブースに分かれた店内は落ち着いた雰囲気のスペースとなっています。



店内併設の本棚には、この街らしい「金融が学べる」良書・名著が並び、訪れた人々が自由に読むことができるようになっています。



新たな試みを企て、生まれ変わる街を見守り支える「CAFE SALVADOR」も、合わせて応援よろしくお願いします!



米鶴酒造


CAFE SALVADOR BUSINESS SALON(カフェ・サルバドル)



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