イベントレポート

2020.02.21

大手3社共同セミナー「貸付型クラウドファンディングのリスクとリターン」に参加してきました!

こんにちは!

兜LIVE!編集部です。


2020年1月31日、日本橋兜町にある「FinGATE KAYABA」にて海外に特化した貸付型クラウドファンディング・サービスを展開するクラウドクレジット株式会社主催で、SBIグループのSBIソーシャルレンディング株式会社と不動産特化型クラウドファンディング・サービス「OwnersBook」を展開するロードスターキャピタル株式会社を招いた3社共同イベント「貸付型クラウドファンディングのリスクとリターン」が行われました。


この記事では、当日のイベントの様子をレポートしていきます。



第1部・①資金使途の確認がリスクを減らす

第1部は、SBIソーシャルレンディング株式会社の取締役である渡部一貴氏の登壇からスタート。第1部各3社の代表が15分ずつ登壇し、特別講演を行いました。


「SBIソーシャルレンディングの特徴は、出資の募集も融資も一社で完結していること。資金の流れや資金回収がシンプルで効率的な方法をとっている」と渡部氏。



一口に「ソーシャルレンディング」といってもこの仕組みの違いは非常に重要で、例えばお金を集める会社やファンドと、ファンドからの融資先がグループの場合、投資家が受け取れる利益が不正されているという可能性も否定できません。そのため、ソーシャルレンディングで出資する際には、それぞれの会社やファンドの関係性や、融資金の使用先に注意を払うことが必要となるのです。


ソーシャルレンディングにはリスクがいくつか存在し、特に、信用リスクといわれる融資先の元本返済や利息支払いが滞るリスクには注意が必要です。そうは言っても、ソーシャルレンディングは高利回りのことが多く、 借り手は“銀行からお金を借りられない会社”ではないのか?と疑問をもたれると思いますが、SBIソーシャルレンディングでは、「銀行が貸せる借手の、銀行が貸せない案件」に融資することで信用リスクの低減を目指している、と話していました。



担保が有無に関わらず、借入金を完済する能力があるかどうか、を見定める融資の基本を守り、資金使途を確認。初期段階の開発資金など、銀行が通常の融資取引をしている借手であっても、銀行が融資をしたがらない資金を、会社・事業の先行きを精査し、支払い能力があると判断、さらに起こりうるリスクを想定してコントロール(損失削減)し、案件としているとのこと。その後、高い金利でも、借手にとって融資金を基に行う事業が高い粗利益が見込めるなら、案件として成立することについても説明。最後に「融資とは貸倒れが当然存在するもの。しかし、それを当然とするものではなく、起こらないように審査するのが我々の使命であるし、そういうソーシャルレンディング事業者を選んで投資する、ということも一つの選択肢かなと考えています」と締めくくりました。


第1部・②大切なのは、不動産について知ってもらうこと

続いて登壇するのは、ロードスターキャピタル株式会社の岩野達志氏。



ロードスターキャピタル株式会社では、旧来型の不動産業で堅実な利益を上げつつ、「OwnersBook(オーナーズブック)」というクラウドファンディングのプラットフォームを運営しています。クラウドファンディングだけで独立した場合、自社都合で個人にリスクの高い案件を押し付ける可能性が出てしまうため、基盤となる収益を持っていることが大切と考えています。


オーナーズブックは、2014年のサービス開始当初は3000万円ほどの案件が多かったのに対し、近年では1億や2億円の募集は数分で埋まってしまい、11億超の案件も扱うほどに成長してきました。オーナーズブックは、銀行とは異なる短期の目線での貸付や、銀行からの融資だけでは足りない部分を補うための貸付を行っており、金利は主に4%台から5%と銀行よりは高いものの借入人からの需要は強いそうです。また他社のソーシャルレンディングサービスと比べると低い利回りでも年々成長している点、匿名化解除に伴い2.5%の利回りでも資金調達をできた点等から、個人の投資家が高い利回りだけを求めているわけではないことを実感し、オーナーズブックの強みととらえているのです。


一方で、オーナーズブックでは低めの利回りの貸付型案件だけでなくリスクリターンの高いエクイティ投資型にも取り組んでおり、今後はエクイティ投資型案件も増やしていきたいとのこと。


オーナーズブックでは不動産案件を扱うため、さきほどのSBIソーシャルレンディングとは対照的に、まずは担保を確認します。これは最悪の場合には担保不動産から回収を図るため。



また投資家側には、物件の特性を理解してもらい、様々な判断材料から投資を決めることが大切だといいます。新しい金融商品の場合、運営会社や案件の流動性・景気・法規制、と注意点が多く存在します。その点について「我々は不動産の会社で日々マーケットの最前線でビジネスを行っているため、銀行以上に不動産分野には詳しいですし、優秀なスタッフも多くいます。各運営会社が詳しい分野で勝負し、さらに詳細も説明できれば投資家のリスクは低くなっていく」と、岩野氏は講演していました。「銀行とは住み分けだ」と語る岩野氏。最後に「クラウドファンディングに投資家・企業に多く参加してもらいプレーヤーを増やしていくことで、匿名化が解除されたように環境を整備していきたい」と話していました。



第1部・③分散投資をしやすい環境づくり

最後の登壇はクラウドクレジット株式会社の杉山智行氏。クラウドクレジットでは新興国の中小企業への融資が多く、社会的リターンの観点から投資資金を届ける意味があると判断した時には、零細企業への融資もあるそうです。



クラウドクレジットがリスクを低減するために呼び掛けているのは、分散投資。投資業界では一般的なことですが、より多くの投資先に適切な額を投資することでリスクを低減させることができます。しかし実際に20~30銘柄に分散投資を行うとなると、投資家の手間も相応なものに。そこでクラウドクレジットでは案件の提供数を増やすだけでなく、将来的にはより洗練されたレコメンド機能を実装することを予定しています。すでに多銘柄に投資する簡易的な方法として、ファンドパッケージによる投資を実装済みとのこと。今後、現在の日本の法令のもとでは難しいこともしれないが、ロボットが勝手にファンドを購入してくれる自動投資機能の実装も模索していきたい、と表明していました。



「自分たちがお客様にどういうものを提供しているかを、社員全員が認識しながら運営を行っていくことが大切」と、社内での取り組みについて触れ、ファンドの運営体制を強化する必要性も認識しており、審査体制の強化を図っている、と杉山氏。「現在のデューディリジェンスと呼ばれる、担当者が2~3か月企業につきっきりになる従来の方法のみではなく、新たに2つのスコアリングモデルを近日導入し、融資先企業の将来企業価値をシュミレーションするプロセスも年内の導入を目指し、総合的に判断する4本の柱へと変化させる」と話していました。


第2部・セミナーを受けてのQ&A

第2部はリアルタイム質問投稿サービス「Slido」というシステムを用いて、第1部の内容も含めて参加者から寄せられた質問に、リアルタイムのQ&Aセッションを実施。非常に多くの質問がスライドに表示され、様々な質問が回答されました。



一番印象に残ったのは、「案件をどうやって見つけてる?」という鋭い質問。これには3社それぞれが回答していました。


SBIソーシャルレンディング株式会社では、協業している会社や既存の借手からの提供が多いといいます。いわゆる“営業マンがとってくる”という案件は実は少なく、また「SBIグループの会社から紹介されることもあるが、むしろここだけの話、グループ会社からくる案件は審査基準を満たさない難しいものが多く、成立しないことが多い」と渡部氏は苦笑いをこぼしていました。



一方ロードスターキャピタル株式会社では案件の発掘について、常に考えている局面とのこと。大きな会社から独立したところや、中小の不動産会社などから案件を得ているそうですが、それらはある程度規模が大きくなると、銀行からの融資額が増え、ロードスターキャピタル株式会社からの融資を“卒業”してしまうのです。これについては、現時点では、「我々のやっているビジネスを、マーケットに理解してもらって、借り手も増えていくと良い」との考えを示していました。



それに対しクラウドクレジット株式会社は、案件は申し込みより、自分たちで探してくる形の方が圧倒的に多いといいます。海外に貸す案件の多いクラウドクレジットでは、現在は大分変ってきているものの、以前は海外のカンファレンスなどでソーシング活動を行い、年間100~200社ほどと商談や初期審査を行っていたとのこと。そのうち本審査にはいったのが年間40~80社ほどで、本審査・投資委員会を通ったのが年間10~20社ほどだったといいます。


同じ質問でも3社3様、独自方法を用いて案件を成立させていることが明らかに。運営の方法というのは、利益が上がるにつれて収斂してくものだと考えていたため、大手3社が3社とも、違う方法を用いている点に驚きを隠せません。非常に印象に残った質問・回答でした。その後も様々な質問が寄せられ、3社の代表がそれぞれ回答。21時周辺には無事イベントは終了となりました。


まとめ


金曜日の夜にもかかわらず100人以上が集まった今回のイベント。Q&Aセッションでは、「Slido」に表示される質問が絶えず投稿されており、“クラウドファンディング”への関心の高さと、大手3社の方々が集まる機会の貴重さをうかがい知ることができました。



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