2025.06.12
2025年5月23日、日本橋・茅場町にある屋上菜園・ Edible KAYABAEN にて、ブーケづくりワークショップが開催されました。
参加者たちは、直感に任せて花やハーブをセレクトし、世界に一つだけのブーケを作成します。
今回は、爽やかな気候のもとで行われたブーケづくりの模様と、切り花をきれいに保つ方法を合わせてご紹介します。
ブーケづくりワークショップが開催されたのは、東京証券会館の屋上に広がる菜園「Edible KAYABAEN」です。
重厚な面構えのビルの屋上に、花やハーブが咲き誇るガーデンがあることを知っている人は、まだまだ少ないのではないでしょうか。
Edible KAYABAENは、お子さんを交えたワークショップや、仕事帰りのガーデンツアーなど、自然に触れ合えるイベントが定期的に開催されています。
忙しない日々を送るビジネスワーカーの憩いの場と呼ぶにふさわしい、都会のオアシスです。
施設を守る警備員さんの前をドキドキしながら通り過ぎ、エレベーターで最上階へ上がると、目の前に緑豊かな空間が広がります。
ワークショップは18時からの開催でしたが、15分前にはちらほらと参加者が集まり、思い思いにガーデンを散策していました。
当日はお天気に恵まれ、時おり吹く風が、ハーブの爽やかな香りを運んできます。
心地よい空気に心をほぐし、のんびりと緑を眺めていると、あっという間にワークショップの時間となりました。
ワークショップの進行を務めたのは、開園当初からKAYABAENに関わるガーデナー・土屋泉さん(通称ソイちゃん)です。柔らかな語り口で、今日のスケジュールを説明してくださいました。
◎タイムスケジュール
・はじまりの輪
・ガーデン散策&植物の採取
・水あげの方法について
・ブーケづくり
・終わりの輪(ハーブティーを飲みながら、作品をシェア)
ソイちゃんは数々のワークショップで活躍されているため、すでに顔見知りの方も多いようです。
和気あいあいとした雰囲気がすでに出来上がっており、参加者のみなさんは朗らかな表情で挨拶を聞いていました。
今回のイベントはEdible KAYABAENのサポート企業であるフジ日本株式会社が提供する切り花用栄養剤「キープ・フラワー」を利用しました。同社社員の古岡さんが商品の紹介を始めます。
「キープ・フラワー」は、1972年の発売以来、50年以上愛されているロングセラー商品です。
多くの生花店が採用している実力派ですが、一般消費者からの人気も高く、なんと、ワークショップに出席している人の半数が存在を知っていました。
キープ・フラワーは、切り花を長く持たせる効果だけでなく、つぼみを大きく、美しく咲かせることにこだわって製造されているそうです。
今回のワークショップで作成するブーケも、キープ・フラワーを使用すれば長い期間楽しむことができるでしょう。
古岡さんは、「ガーデンの中で色々な花に触れて、日頃の疲れを癒してください」と挨拶を締めくくりました。
「普段からサポート企業として、KAYABAENでお野菜を育てているフジ日本さんが自然由来の液糖を主成分とする切花栄養剤を取り扱っており、「花とともにある暮らし」を提案していることに共感し、たくさんの花が咲き乱れているシーズンの特別なイベントとして開催が決定しました。」とソイちゃから開催の経緯についても説明いただきました。
代わって、KAYABAENのガーデナー・アイさんがブーケづくりの説明を始めます。
まず紹介されたのは、ワークショップの机の横に並べられているブーケの束です。
桶の中には2つの花束が入っており、それぞれ、KAYABAENとフラワーショップ・feteから用意されています。
イエロー・ピンク・ブルー・ホワイト…色とりどりの花々が並んでいます。
「今日の気分に合う束を選んで下さい」というアイさんの呼びかけのもと、参加者のみなさんがめいめい立ち上がり桶のそばへ向かいました。
お互いに譲り合いをしながら、自分のブーケに加える1束を選びます。
どれを選ぼうか熟考する人もいれば、迷わずこれ!と選んで着席する人もいらっしゃり、フィーリングはひとりひとり違うということを実感しました。
続いて、ここからが「世界に一つだけの花束」をつくる大事な工程です。
なんとこのワークショップでは、KAYABAENのガーデンに生えているハーブや花を摘んで、自分のブーケに加えることができます!
説明を聞いた参加者のみなさんは、とてもビックリした表情をします。
「こんなに綺麗に咲いている花を、摘んでしまって良いの!?」とアイさんに質問しますが、アイさんは優しくどうぞ、と促しました。
ハサミを手に、遠巻きにガーデンを眺めていた人たちも、徐々に花へ手を伸ばし始めます。
ソイちゃんは、「花は見た目だけでなく、香りも選ぶ要素の一つ」と声を掛けます。
その言葉一つで、一気に参加者と花の距離が縮まったように感じました。
顔を花壇に近づけて香りを吸い込み、花を見つめ、手持ちの束と見比べます。
感覚を研ぎ澄ませながらガーデンを回る参加者のみなさんは、花との出会いを心から楽しんでいるように見えました。
花とハーブを選んだ参加者は机に戻り、次のステップに進みます。
摘んだ草花を水あげするため、フジ日本株式会社の村松さんが「魔法のくすり」を用意してくださいました。
この薬剤の正体は、「ハイ・スピード」という水揚促進剤です。
先ほど紹介した「キープ・フラワー」と違い、こちらは切ってすぐの草花に使います。
本来、水あげは長い時間をかけて行われるものですが、ハイ・スピードはなんと3〜5秒で水あげが完了します。時間が限られているワークショップにはぴったりの商品です。
キープ・フラワーとハイ・スピードの製造元であるフジ日本株式会社は、もともと精糖の事業を行っていました。
水分を抱え込む性質をもつ砂糖の専門知識が、花を美しく保つ商品の開発に繋がったのです。
同社の村松さんは「花と一緒に暮らすことで、生活を豊かにしてほしい」と参加者に呼びかけました。
この頃になると、日が落ちて辺りが薄暗くなり始めます。運営の方たちがガーデンに電球をつけてくださいました。オレンジの柔らかな光が、ブーケづくりを優しく見守ります。
いよいよ、花材をブーケの形へととのえる作業に入ります、ガーデナーのアイさんが仕上げの方法を実践して下さいました。
まずは茎の根元から十数cmの位置まで葉を取り除き、ブーケのビジュアルを考えながら、1本ずつ草花を手のひらの中でまとめていきます。
手際よく花を束ねていくアイさんの姿に惚れ惚れしつつ、果たして自分にできるだろうか、という参加者のみなさんの不安が伝わってきます。
今回は紙で周りを包むタイプのブーケなので、正面を1方向に定める必要があります。
主役の花をどこに入れるか、周りのグリーンはどれくらいの分量にするか。ここからは個人の感覚がありのままに現れる作業になります。
水で湿らせた紙、ビニールの順番で束を包み、その上から透明なカバーをくるんで完成。
あっという間に出来上がったアイさんのブーケを前に、会場から拍手が沸き起こります。
さて、いよいよ参加者のみなさんの番です。めいめいの花が机の上で束ねられていきます。
実際に考えているブーケのイメージが、そのまま形になるとは限りません。
完成像は見えているのに、束ねると全然うまくいかない!と四苦八苦する方が多く見受けられました。
形は整ったけれどなんだか物足りない、という場合は、追加でガーデンから材料を摘んでもよい、とソイちゃんやアイさんが声掛けをします。
机とガーデンを行ったり来たりしつつ、みなさんのブーケが徐々に仕上がっていきます。
大振りで華やかなブーケだけでなく、慎ましく繊細なブーケを目指す方もいます。
ひとりひとりの心の動きに合わせて、花が机の上で舞う風景は見とれるほどの美しさでした。
さて、ワークショップも終盤です。
ソイちゃんたち運営のみなさんは、ハーブティーの準備を始めました。
日が暮れて少し肌寒いガーデンに、ピッチャーのあたたかな湯気が漂います。
つみ立てのハーブからは驚くほどに力強い香りが放たれ、周りにいる人は思わず感嘆の声を漏らしました。
天然の色素が染み出したハーブティーは、淡いグリーンの色をしています。
出来上がったブーケを囲みながら、ゆったりとした時間が流れ始めました。
ソイちゃんが、ハーブティーにブレンドされた植物について説明を始めます。
タイムやオレガノ、ミントといった定番アイテムはもちろん、体に優しいハーブがたっぷり含まれているそうです。
日差しを浴びた肌をいたわるビタミンC豊富な、苺の葉。
目の疲れをほぐすアントシアニンが含まれた、コーンフラワー。
女性ホルモンを整えるローズゼラニウム。
冷えた体をぽかぽかあたためるローズマリー。
家事に仕事に、大変な日々を過ごすわたしたちの体と心が、じんわりとほぐれていきます。
お互いのブーケを眺めながら、ハーブの香りに包まれる贅沢なティータイム。
静かで穏やかな雰囲気に包まれながら、ワークショップは幕を閉じました。
今回のイベントは、視覚はもちろん、嗅覚や味覚など、全身の感覚で草花の魅力を感じとれる充実した催しとなりました。
自分自身の手で花を摘みとる体験は、自然に対する感謝の気持ちをより強く感じる契機になったことでしょう。
参加者のみなさんは、世界に一つだけのブーケを愛おしそうに眺めながら帰路につきました。
今回、KAYABAENとともに花を提供してくださったのは、フラワーショップ・feteさんです。
茅場町の実店舗では、ドライフラワーやスワッグ、ポプリなどを取り扱っています。
また、空間全体を植物で装飾するアイディアも提案しているそうで、Instagramでは魅力的な作品が紹介されています。
また、今回のイベントで使用した「キープ・フラワー」「ハイ・スピード」を製造販売するフジ日本株式会社さんは、Instagramで花に関する様々な情報を発信されています。
花の鮮度を支えるプロ仕様の商品は、一般の人でもAmazonで購入可能です。
本イベントの舞台となったEdible KAYABAENでは、自然の魅力に触れるワークショップが定期的に企画されています。
お子さんと一緒に楽しめる知育にも注力しているので、ホームページをぜひご覧ください。
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(取材・撮影 和香葉)
▪️フジ日本株式会社
▪️fete
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