イベントレポート

2019.06.04

新年号「令和」発表にちなみ兜町にて《奉納の儀》《プレス発表会》開催! 新生日本へ送る最高の祝辞〜舞台『一粒萬倍〜A SEED〜』

こんにちは!
兜LIVE!編集部です。


4月11日(木)、日本最大の証券取引所を擁する日本橋兜町・茅場町の地で、新元号の発表を機に、奉納の儀とプレス発表会を開催。たくさんの祝福の声を受け再上演が決定した舞台『一粒萬倍〜A SEED〜』制作委員会による、丸一日かけての豪華プログラムが行われました。


『一粒萬倍〜A SEED〜』は、日本の神話をモチーフとした舞台。宇宙が生まれる前から、私たちの生きる世界に五穀豊穣の恵みがもたらされるまでを描いた、壮大なテーマのストーリーです。そんな舞台を彩るのは、日本の伝統舞台芸能と、日本古来より親しまれてきた邦楽囃子、和太鼓、そして社交ダンス、バイオリン、チェロといった洋風の舞台芸術・音楽家たちによる演出のコラボレーション。日本古来より続く伝統芸能をベースに、現代的な要素が加えられた、壮麗な舞台となっています。

今回のイベントは、正午から日枝神社で行われた奉納の儀、夕方に東証アローズで行われたプレス発表会、そして夜に同会場で行われたライブ上演&収穫祈念食会の3部構成。

前半分となるこちらのレポートでは、日枝神社で行われた奉納の儀から、東証アローズで行われたプレス発表会までの様子をお伝えします!


1.《奉納の儀》@日枝神社



江戸時代に端を発し、兜町の地を古くから見守ってきた日枝神社。時計が正午を告げる頃、この日枝神社にて、『兜LIVE!&一粒萬倍〜A SEED〜』の奉納の儀が開始されました。

舞台の関係者が社殿内の左右に分かれて座り見守る中、まずは日枝神社の神主さんが進み出て、太鼓の音を5回鳴らします。

この「5回音を鳴らす」という部分、実は今日のイベント全体におけるキーポイント。日枝神社のある茅場町に隣接する兜町にある東京証券取引所では、上場セレモニーの際に伝統的に鐘が鳴らされているのですが、その回数は「5回」。この「5」という響きは、今回の舞台のテーマの一つである「五穀豊穣」の「五」にも通じているのです。

続いて、修祓(しゅばつ)です。日常生活の中で知らず知らず身に纏っている罪や穢れをお祓いするという意味があります。


今回のイベントを行えることになったご縁と兜町・茅場町の繁栄、舞台成功の祈願を込めた、神恩感謝の祝詞とともに、感謝を捧げては身を清める神事が、御幣(みてぐら)や鈴など、神主さんが用いる道具を変えながら行われました。

代表者による、二礼二拍手一礼の参拝が終わると、続いて奉納演奏へと移りました。


最初はJ-POP・ROCKのシンガーである越尾さくらさんによる、君が代の歌唱。そして、舞台演者でもある櫻井咲山さんによる、尺八の演奏へと続いていきます。

ソウルフルで心の芯まで響くような歌声と、澄んだ神秘的な音色が高らかに跳ね舞うような尺八の演奏が終わると、同じく舞台でも演奏を担当されるチェロ奏者の谷口賢記さんが、社殿入口に設けられた席へ。


軽快に、しかし美しい映画音楽のようにストーリーを持って奏でられ始めたチェロの音色に合わせ、次に社殿内のステージに躍り出たのは、舞台出演者の日本舞踊家、花柳茂義実さん。

美しく神々しい白い和服の衣装で、重力などないかのようにスルスルと床を滑りながら両腕を広げ、艶やかに舞うそのご様子に、参列者は皆目を奪われていました。

花柳さんによる舞が終わると、続いて姿を表したのはバイオリン奏者の内藤歌子さん。

チェロの谷口さんとのアンサンブルで、先ほどとはまた打って変わった演奏です。それぞれの楽器の持つ低音と高音が特徴的に活かされ、雄大さと細やかさを併せ持つ曲が奏でられました。

全ての演奏が終わると、奉納の儀も終盤に近づき、直会(なおらい)へ。これは神事のあとに、お神酒などの神様にお供えしたものを参列者で分け合い、神様のお力をいただきながら緊張状態を解いて日常へと帰っていくための儀式なのだそうです。

神社の方に順番にお酒を注いでいただき、社殿を後にする参列者の皆さん。


神秘的な儀式の数々に素晴らしい演奏の余韻とともに、奉納の儀は滞りなく終了。社殿の外にも多くの参列者が、舞台の成功を祈願する神事と奉納演奏を見届けようと駆けつけていました。


2.《プレス発表》@東証アローズ

続いてのイベントの舞台は、現代日本における「繁栄の聖地」とも言える、日本橋兜町にある東証アローズ。こちらではGINZA SIX観世能楽堂での『一粒萬倍〜A SEED〜』上演に向けたプレス発表会が行われました


司会の方の挨拶とともに、まずは舞台の概要説明が行われました。

2年前、ロサンゼルス・アームストロング劇場での招待作品としての上演を皮切りにスタートした『一粒萬倍〜A SEED〜』。昨年は春と秋の2回に渡って上演され、特に秋の上演は外務省後援作品として高い評価を受けました。そして、満を持して、元号の変わる今年の5月に、心強い新メンバーも演者に加えつつ再上演が決定したのです。


“奉祝・令和”をテーマとした今回の舞台には、日本古来からの伝統・文化・美を演出において追求することで、新生日本を祝福しながら、その素晴らしさを国内外に向けて発信したいという強い思いも込められています。


能、狂言、日本舞踊に現代舞踊といった舞台芸術と、囃子、太鼓、笛、箏、尺八、そしてバイオリンにチェロといった楽器の演奏が、織り交ぜて構成された演出。日本的要素と西洋的要素が融合されたそれらの演出によって表現される、八百万の神々と五穀豊穣の物語が、世界トップクラスの一流のアーティストたちの手によって奏でられていくのです。

早速、その舞台風景の映像の一部が、会場内後方に設置された巨大なスクリーンに映し出されました。壮大な音楽と、色とりどりの光によって彩られた舞台の上を、きらびやかな衣装を着た演者たちが舞い踊り、会場全体の目は釘付けに。日本では誰もが一度は名前を耳にしたことがあるような、有名な神様たちを、まるで我が身に乗り移ったかのように時に慎ましく時にきらびやかに体現していく演者たちに感服しました。

続けて、舞台の主催であり作・演出を手掛けられてもいる松浦靖さんの登場です。

挨拶の中で、「これまでの上演で好評を得られ、温かな応援があったからこそ、継続的な活動と今回の再上演の実現に繋げられた」と、感謝の気持ちを伝えていました。


「神社の神主さんに教わったのですが、日本の“さ”という言葉には、古来“神様”という意味が込められていたのだそうです。“酒”は神様の気が宿った飲み物、“早苗”は神様の苗、という風に。そんな“さ”という神様の響きがついた月である“さつき”五月に、新しい日本がスタートする中でこの舞台が上演できるのは、非常に喜ばしいことです」と仰っていたのが印象的でした。

そして、出演者の紹介へと、プログラムは移っていきます。

最初は、4名の麗しき女性ボールルームダンサーたちが登場。天照役/暗黒世界の闇役の松本希望さん、暗黒世界の光役の曽又奈々さん、国生みの御柱(みはしら)役の中村枝里香さん、アメノウズメ役の肥後芳美さんです。

「普段履いているヒールとは高さも滑り方も全く異なる足袋でのダンスは難しさもありますが、普段とは違う社交ダンサーの動きを、みなさんとのハーモニーの中で素敵にお披露目できたらなと思います」と、司会者とのトークの中でお話しされていました。




続いては、重要無形文化財(総合指定)保持者の能楽師、観世流シテ方の、八田達弥(はった・たつや)さん。舞台中では、アメノミナカヌシ役での登場です。

「古事記の中でも最初に登場する神様の役をやることになりました。“静的なイメージ”を持たれがちな能の世界ですが実は激しさや動作の派手な曲というのもたくさんあります。しかし、今回は賑やかに踊られる方がいらっしゃるので、私たちは対比的に“静”の動きで最大限の表現をしていこうと思っています。“静謐な美”というのもいいものだと思いますので、そちらを楽しみにしていただけたら大変ありがたいです」とのことでした。


そして、神話のイザナギ・イザナミ、夫婦の神様の役を兄妹で演じる、紫派藤間流の日本舞踊家、藤間貴彦さん、藤間爽子さんが登場。


先にお兄さんの貴彦さんが昨年の舞台に出られたのをきっかけに、それを見て感動した爽子さんも出演が決定したという今回の舞台。「兄妹で夫婦役ということでちょっと照れくささもありますが、楽しんで踊らせていただきたいです」とコメントされていました。


スーパー歌舞伎の創始者である市川猿翁さんを祖父に、女優としての活躍でも注目を浴びた藤間紫さんを祖母に持つお二人。司会者とのトークで話題が紫さんのことに及ぶと、「振りを気にしたり上手さや素敵さを見せようと思うよりも、役に入り込んで心で踊りなさい」という教えを伝えてくれたというお話や、「稽古事になると厳しいが家では割烹着を着て、猿翁さんやお弟子さんをもてなしていた」というお話など、心温まるエピソードを披露してくださいました。


猿翁さんについても、「古典を大切にしながら新作歌舞伎・スーパー歌舞伎などを作った方。僕たちも、古典の踊りというものをきちんと守りつつ、今回の新作の舞台に活かしたい」と、お祖父さまの姿勢を受け継ぎながら今回の舞台に向けて決意を新たにされていました。

その後、第二幕で爽子さんと共演されるという、花柳流の日本舞踊家、花柳茂義実さんも登場。舞台ではカミムスヒノカミ役での出演です。

「流派を超えて、同じ日本舞踊を愛している仲間と一緒に、ましてやとても若く情熱のある方々と一緒に共演できるということは、とても励みになりますし、勉強になります」と笑顔で語られていました。


そして、演者紹介は楽器の演奏家の方々へと移っていきます。


まずは、邦楽囃子方のお三方。小鼓・望月左武郎さん、大鼓・重草由美子さん、笛・鳳聲晴久さんです。


「邦楽囃子方」とは、能楽で用いられる楽器を使って、主には歌舞伎など、能以外で演奏を行う囃子方のこと。小鼓、大鼓、笛、太鼓の四拍子(しびょうし)の楽器を用いるそうです。三味線音楽と融合すると、長唄(ながうた)、清元(きよもと)、常磐津(ときわず)、義太夫(ぎだゆう)といったジャンルになるとのこと。


お三方それぞれ、ご自身の楽器の仕組みや音の出し方を説明しながら、実際にソロでの演奏を聞かせてくださいました。


小鼓からは、「パッ」「ポン」という二種類の音しか出ていないとは思えないほどの、音階を感じる軽快で美しい音色を、大鼓からは、甲高く耳の奥まで刺さり届くような「カッ」という音、笛からは、“お化けが出る時の音”や“おめでたい感じのする、お寿司などのCMで使われる音”といった汎用性の高い音色を、それぞれ聞かせてくださいました。


続いては、尺八・櫻井咲山さんと箏・日吉章吾さん。

お二人にも、ご自身の持つ楽器の魅力と音色について、実演を交えながらお話しして

くださいいただきました。

櫻井さんによると、尺八は、日本に伝わってきた頃よりも空いた穴の数が2つも減り、より自由度を増して演奏家の腕が問われる楽器になったとのこと。「人間の声と一緒で、吹いただけでその人の音色が出る」というそのお言葉通りに、指の位置を動かさずに違う高さの音を響かせたり、息を自在に用い、ハスキーなビブラートのかかったような音色を出したりと、尺八の魅力を伝えてくださいました。



日吉さんも、「箏爪」と呼ばれるピックのような指にはめる道具を見せてくださりながら、雅楽の一部として奈良時代頃に日本に伝わって以来現在に至るという楽器・箏の音色を聴かせてくださいました。

日吉さんが箏爪を嵌めた指で流れるように弦を弾くと、高い音から低い音まで、美しく玉が連なるように雅やかな「テンツクテン……」といった響きが、耳心地よく聴こえてきました。


そして、今回の舞台では数少ない、西洋楽器担当のお二人。バイオリン・内藤歌子さんと、チェロ・谷口賢記さんのご紹介です。

通常の演奏とは全く異なり、和楽器とのコラボレーションとなる今回の舞台。谷口さんは、「音の出し方や世界観、間の取り方といった、西洋楽器と和楽器の違いを、発見して理解する。そういった中で、今回の舞台そのものの世界観を共有していくプロセスをすごく楽しみながら参加しています。和楽器の皆さんの“叩く”“吹く”といった演奏法と異なり、我々は弓の毛を使って“こする”というように根本的な音の出し方の違いもあるので、それらが合わさった時の音の融和も楽しんでいただけたらと思っております」とコメント。


内藤さんは「今回初めて舞台に参加させていただけることになったので、ドキドキもしていますが、私自身色々な楽器や踊りの方と共演させていただくことも初めてなので、ワクワクしています。心を込めて演奏させていただきたいと思います」と意気込まれていました。


二人の実演が始まると、力強いメロディがプレス発表会場内に溢れ出ました。

重厚で濃厚なメロディの中で、重みを持ちながらも軽快に滑るバイオリンの音色。そしてチェロの重低音が合わさって響きながら、ストーリーを持った曲調が紡がれ、奏でられていきます。


楽器演奏者紹介の最後を飾るのは、今回の舞台の作曲を担当された石塚由有さん率いる、組太鼓の皆さん。太鼓プロジェクト「indra-因陀羅-」のリーダーでもある石塚さんと、大川真史さん、鳥山恋音さんの三人で構成されています。


石塚さんは「この舞台は日本誕生の神話を題材としていますが、その世界観というのは、文字通り混沌としたカオスな世界から始まっています。現代の日本というのは、そういったカオスな世界の中でいろいろなものがうごめいて、混ざり合ってきた末に成り立っている。そういう成り立ちや、そこに至る様々なシーンの中にある物語といったものを、思い浮かべながら曲を書かせていただきました。今年、日本では令和という新しい時代が幕を開けますが、僕たち演奏家とダンサーさんたち、いろいろな要素を交えて、また何か新しい一つの日本の文化を発信できたらいいなと思いながら、演奏させていただきたいと思っています。どうぞ、楽しみにしていてください!」と熱く語られていました。


舞台の見せ場の一つでもある、荒ぶる神の曲「スサノオ」の演奏が、該当箇所の映像シーン付きで行われました。

組太鼓の実演は、まさに演奏でありつつ、舞台芸術。連なる太鼓の音の中に、音程があるかのようなメロディを感じます。力強くリズミカルな演奏が続く中、荘厳で壮大な雰囲気を持ちながらも、一方でリズム良く、音が駆けてゆくようです。


演者の皆様が演奏の中で掛けられる掛け声も息がぴったりで、圧巻。音の粒の揃いだけでなく、演者の皆さんの揃った動きも合わせて、一つの芸を見せていただいている気持ちになりました。

演者の皆様の紹介が終わり、プレス発表会も、終幕に近づいて来ました。ステージの中央には、フラワーデザイナーの相澤紀子さんが作られた生花の作品が。昨年11月の舞台のエンディングでも相澤さんの作品が用いられている様子が、スクリーンに映し出され、そのフルバージョンの演奏を視聴。その後、再び松浦さんによる締めの挨拶が行われました。


「昨年11月の舞台では、“五穀豊穣”をコンセプトに相澤先生に作品を作っていただきました。舞台のテーマとなっている八百万の神様の物語の中に、スサノオに殺されてしまう食の神様・オオゲツヒメのお話があります。五穀の種はオオゲツヒメから生まれていて、その種が地上に降りてくることで、五穀豊穣の祈りをもたらしてくれたのです。昨年はそういったコンセプトの生花と、社交ダンサーの皆様の艶やかな衣装で、ビジュアル的に“五穀豊穣”を表現し、舞台のエンディングを飾りました」と松浦さん。


「今回の五月は、新年号の“令和”とともに新しく誕生し、スタートする日本というコンセプトで、相澤先生に新しい生花をまた作っていただきます。また、美しき社交ダンサーのみなさまにも、これから躍動していくであろう日本をイメージして、素晴らしい舞を煌びやかなドレスとともに舞っていただきます。社交ダンス会でもトップの方々に、足袋を履いていただき日々練習の中で何足も擦り減らしながら取り組んでいただいています。最高の舞台を楽しみにしております」



「そして、ご来場の方には観ていただき、聴いていただいて感じていただけているかと思うのですが、石塚さん作曲の曲。太鼓、囃子方、尺八、箏、バイオリン、チェロという、こんなアンサンブルが、しかも能楽堂でお聴きいただけるというチャンスはないと思います。それを手掛けていただいているというのは、本当に至福の喜びです。石塚さんの曲は最高で、何度もずっと聴き続けています。死ぬときはこの曲を聴いて死んでいってもいいのでは、というほどの思いがあります。そういった最高のエンディングを、今回はまた少し演出も変えて、表現させていただきますので、ぜひ楽しみに見にいらしてください!」と熱く締めくくりました。


たくさんの来場者が見守る中、大きな拍手で幕を閉じた、舞台『一粒萬倍〜A SEED〜』のプレス発表会。


ここ、現代日本の繁栄を司ると言っても過言ではない日本橋兜町・茅場町の地から発信された、新たな日本の門出を祝う舞台『一粒萬倍〜A SEED〜』は、GINZA SIX内・観世能楽堂で、5月13日(月)、14日(火)に上演予定です!

いにしえの、そして現代日本の誕生と繁栄の物語に思いを馳せながら、観劇しに行かれてみてはいかがでしょうか?


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一粒萬倍(FOLKVISUAL JAPAN)


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