2025.10.28
こんにちは。兜LIVE!編集部です!
やっと涼しくなった秋風に、心地よさと安堵を感じる週末の夕暮れ時。
東京証券会館の屋上に、“やさしい”夜の幕開けを知らせる灯りがともりました。

10月10日(金)にEdible KAYABAENで開催された「カクテルナイト&マルシェ~私と地球にやさしい夜」。今回は、そこでのあたたかなひとときを、同日開催の兜町夜市の様子と合わせてレポートします!
17時。空が茜から群青へと移ろう頃、東京証券会館屋上のEdible KAYABAENには、この時を待ちかねていたかのように、人々が集まり始めました。
入場は1名1,000円のチケット制で、料金にはドリンクとおつまみのセットが含まれています。
受付を済ませ、チケット片手にガーデンへと足を踏み入れると、夕風が心地よく頬を撫でていきます。

屋上のあちらこちらには、夜の訪れを待つかのように竹あかりが並びます。
まだ明るさの残る空の下でその存在は控えめですが、これから始まる“やさしい夜”をそっと予感させています。

この日、屋上に集ったのは、近隣に暮らす家族連れやこの街で働く人々、そしてKAYABAENの活動に共感して協力する個人や企業関係者など、子どもから高齢者まで、さまざまな人たち。そんな人々が自然や食、音楽を通じてゆるやかにつながり合う――そこには、あたたかな交流の輪が広がっていました。
やがて夜が深まるにつれ、あかりやハーブの香り、DJの音楽と人の笑い声が重なり、五感をくすぐるひとときが、ゆっくりと動き出していきます。
まずはドリンクで今宵のはじまりを祝おうと、来場者たちはキッチンカウンターへと向かいます。

最初に受け取るのは、那須・千本松牧場のチーズプレート。循環型酪農にこだわって作られたチーズに、KAYABAENで採れた蜂蜜がとろりとかけられる――その様子に、思わずのどがゴクリと鳴ります。

│那須・千本松牧場のナチュラルチーズ

│KAYABAENで採れた蜂蜜をとろーり♪
チーズを手に次はドリンクコーナーへ。
モヒート、モクテル(ノンアルコール)、ナチュールワイン、クラフトビールの4種類から好きなものを選びます。

そして、ここからがまさに、KAYABAENらしい体験のはじまりです。
ドリンクを受け取ると、バジル、ミント、ローズマリーなど10種類以上のフレッシュハーブが並ぶテーブルへ。

│採れたてのフレッシュハーブ
これらは、KAYABAENの「アーススコーレ」で学ぶ子どもたちが、つい先ほど摘み取って用意したもの。
ビュッフェのように並ぶハーブを自由に選び、自分だけのオリジナルモヒートを作る楽しさはたまりません。

│オリジナルモヒート完成!
さらに、チーズを食べることができない人には、ハーブを束ねた数量限定のハーブブーケも用意されており、誰もが心地よく参加できる配慮がされています。

│KAYABAENのハーブを束ねたブーケ
“これで1,000円はすごいね(しかもワイン以外は2杯までOK!)”と、驚きの声が上がります。
金曜の夜に乾杯し、チーズを口にすると、ほどよい塩味にやわらかな蜂蜜の甘みが重なり、ゆっくりと溶けていきます。そして、摘みたての爽やかなハーブが香るモヒートは、一口ごとに思わず笑みがこぼれる美味しさ。どちらも、KAYABAENならではの自然とのつながりを感じさせてくれました。
(筆者はもちろん、モヒートを2杯いただきました!)

│幸せな美味しさ♪
ふと気が付くと、空はすっかり濃い藍色に染まり、屋上のあちらこちらにある竹あかりがいつの間にか光の輪郭を増していました。

│手作りの竹あかり

この竹あかりは、この数日前に開催された「竹あかりワークショップ」で、地域の親子など参加者たちが自ら手を動かして制作したものです。
▪️竹あかりワークショップの様子はこちら
成長が早く、手入れが追いつかないことで里山を脅かす“竹害”――。そんな課題を抱える竹に、再び命を吹き込み、あかりとして生まれ変わらせる。それは、アートであり、環境保全であり、そしてKAYABAENが大切にする“循環”そのもの。
DJブースからは、心地よいリズムとメロディーが流れ、風に乗って竹の影をゆらします。
そして、ゆらめく竹あかりの光が、屋上の緑と人々の笑顔をやわらかく照らします。

│素敵な音楽をありがとうございます!
ふと視線を奥にやると、竹あかりの向こうに広がるステージで、子どもたちが音楽に合わせて軽やかに踊っています。踊るシルエットが影絵のように壁に浮かび、光と影が音楽に呼応してゆれています。子どもたちのステップとリズム感が見事で、まるでシアターでショーを見ているかのよう。見守る大人たちから思わず感嘆の声が上がります。

│見事なダンス!
光と音、そしてそこに人の輪が重なり合った時、屋上は特別な一夜の物語をともす空間へと変わっていました。

│今日初対面の人たちとは思えない盛り上がりぶり!

│会話が弾みます!
ガーデンの通路には、個性豊かな12の出店ブースが並んでいます。出店者はみな「人と地球にやさしい暮らし」を大切にする仲間たち。KAYABAENからのつながりや、近隣店舗とのご縁などをきっかけに、自然栽培や手仕事を通して“循環のある生き方”を実践する人々が集いました。

自然栽培の野菜、こだわりのお弁当や焼き菓子、サステナブルな素材を使った雑貨など、どのブースにも、つくり手の想いと丁寧な仕事が息づいています。

│KAYABAENで採れた蜂蜜

│竹から作られた素敵なアクセサリー
「この蜂蜜、ひょっとしてKAYABAENで採れたものですか?」
「野菜たっぷりで美味しそうですね!」
そんな会話があちらこちらで弾み、ものを“売る・買う”というより、想いを“分かち合う”時間が流れます。
都心の屋上のKAYABAENで作物が根を張り、力強く育つように――この街に人と人の有機的なつながりが芽吹き、確かに広がっていくのを感じました。

◎マルシェ出店者(順不同)
カオリーヌ菓子店/チーズケーキと焼菓子(グルテンフリー)
野菜ソムリエのスープ屋さんKurumi/野菜スープ
ヴィーガン料理家 中島芙美枝/発酵ベジちらしサラダ&自分で育てるスパイス麹
米と魚 さかなさま/未利用魚メヒカリのから揚げ&新米のおにぎり
yosagena/グリル野菜タップリのベシ弁当
Himalayan material /草木染めワイルドヘンプの雑貨
HelpingHandsPenan_jp/ボルネオ島先住民族が作るラタン製バッグ
メローサーフ養蜂園/EdibleKAYABAENでとれたははちみつ
シンフォニーファーム/自然栽培野菜
Tokyo Smile Veggie/商品開発に携わったVegan商品
グリーンフィールドプロジェクト/スプラウト、発芽豆、オーガニック野菜の栽培キットなど
国産マカKanne by 津軽マカ/国産マカ商品、サプリメント、チップス、ブレンド茶など

│(左から)国産マカ「津軽マカ」さんとKAYABAEN蜂蜜「メローサーフ養蜂園」さん

│(左から)ボルネオ島先住民族のラタン製バッグ「HelpingHandsPenan」さん、スーパーアルカリイオン水「wash-U」さん、ヴィーガン商品開発「Tokyo Smile Veggie」さん

│(左から)ヴィーガン料理家 中島芙美枝さんとチーズケーキと焼菓子「カオリーヌ菓子店」さん

│グリル野菜タップリのベシ弁当「yosagena」さん

│バンブーアクセサリーの「CHIKAKEN」さん

│「野菜ソムリエのスープ屋さんKurumi」さん

│米と魚の美味しい茅場町の居酒屋「米と魚 さかなさま」さん

│草木染めワイルドヘンプの雑貨「Himalayan material」さん

│自然栽培野菜「シンフォニーファーム」さん
さて、カクテルナイト&マルシェの余韻に後ろ髪を引かれながら、ほろ酔い気分で足を延ばしたのは、同日開催の「兜町夜市」。グラス片手に街を巡るこのイベントも、すっかり秋の風物詩になりました。

まず訪れたのは、10月にオープンしたばかりのキャプション by Hyatt 兜町 東京「Talk Shop」。“街のリビングルーム”をコンセプトにした開放的な空間には、仕事帰りの人やイベント帰りの人が思い思いにくつろいでいます。

│思わず立ち寄りたくなる開放的なつくりです
ここでいただいたのは、ビールにグレナデンシロップを加えたピンク色のビアカクテルと、こだわりトッピングのフライドポテト。ハラペーニョ、ねぎ、キャラメライズした玉ねぎ、そしてパルミジャーノ・レッジャーノのコクが重なり、思わず手が止まらなくなる美味しさです。

│手が止まらなくなる美味しさ!
続いて向かったのは、同じく10月にオープンした 台湾料理「勺勺(シャオシャオ)」。
一つ一つ丁寧に手包みされた山椒ラムシウマイは、食感を残すため粗挽きにしたラム肉を豚ひき肉と合わせ、ふわりと立ち上る山椒の香りがアクセントになっています。台湾烏龍茶ハイと一緒にいただくと、思わず「うまっ!」と声が出る美味しさ。

│10月にオープンしたての 「勺勺(シャオシャオ)」

│絶品シウマイ、また食べに行きます!
2つの新店を訪れて、この街がさらに盛り上がっていく予感――いえ、すでに実感しました。
屋上での“やさしい夜”から、街とつながる“にぎやかな夜”へ。この街では、どちらの夜も同じようにあたたかく、人と人、そして地域の想いがゆるやかに循環している――そんなことを感じた、心に残る秋の宵でした。
夜市の賑わいを後にし、ふと屋上の光景を思い返しました。
竹あかりの光が消えたあとも、心の中にはやさしいあかりが静かにともり続けています。

屋上での体験は、単なるイベントではなく、人と人、人と自然がつながることの豊かさを思い出させてくれました。
育てること、食べること、分かち合うこと。
そのすべてが、未来へとつながる「循環」の一部。
Edible KAYABAENの夜は、これからの都市に生きる私たちに、“やさしさの循環”というテーマを静かに語りかけているように感じました。
Edible KAYABAENでは、子どもたちを対象とした継続的な学びの場として「食と農・子どもたちの自然学校 アーススコーレ」を定期的に開催しています。これは、「東京中の屋上に生物多様性にあふれる場所を作る」ことを想像しながら、そのプロセスを子どもたちに体験してもらうための取り組みです。小学生を対象に、植物や生き物を通じて環境を学ぶプログラム。興味がある方は、ぜひ下のリンクから詳細をご覧ください。
また、これ以外にも子どもや大人を対象にした自然と触れ合う楽しいイベントが企画されています。ぜひEdible KAYABAEN のホームページで情報をチェックしてくださいね。
▪️Edible KAYABAENホームページ
(取材・文 柴田幸恵)
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