2018.05.15

「デジタルな世の中だからこそリアルに経済を感じられる兜町になってほしい」『Tokyo Financial Street』 番組開始1周年記念 江上剛さん公開収録イベントレポート


撮影:兜LIVE!編集部


みなさん、こんにちは!
兜LIVE!編集部です。


4月10日(火)に東京証券取引所にて、特別ゲストに作家の江上剛さんをお招きしたSTOCKVOICE TV『Tokyo Financial Street』の公開収録が行われました。今回は当日の様子をレポートします。

◆江上さんと兜町の関わり

 江上さんは、早稲田大学卒業後、旧第一勧業銀行(現みずほ銀行)に勤務されていた方。東京証券取引所に初めて足を踏み入れたのは新人時代の研修でのことでした。


 当時(昭和52年頃)の東証には立会場があり、投資家からの売買注文をその場でさばく場立ちさんがいて、その時の熱気は今でも覚えているそうです。

「場立ちさんがいなくなってから、街に人が少なくなったり、不動産価格が落ちたり、兜町に元気がなくなったと思う」と、江上さんは言います。

場立ちさんがいなくなったのは、株の売買が全てシステムに移行したから。システム化は便利な反面、それによってリアルな経済の手触りが失われることにつながるのかもしれません。

出典:日本取引所グループホームページより

◆兜町が活気を取り戻すために

 江上さんは銀行員時代、お給料が「振り込み」で支払われることに疑問を持っていたそう。そのため、お給料をもらったらその日にお金をおろし、家に帰って妻と子供に現金を見せることで、子供たちに、お父さんがお金を稼いでいることを理解してもらっていました。「親が何をやっているかわからないと、親に感謝もできないでしょう」


 株も同じで、全てがシステム化、デジタル化してしまっては、「株価が上がった、下がった」という事実があるだけで、イマイチ実感がわきません。かつてのように、場立ちさんの汗や涙で経済や世の中の状況を実感できるようなパフォーマンスがあってもいいのかもしれません。


 また、「今の人たちは、お金は全部スマホの中に入っていると思っているんじゃないかな?情報も、全てがネットにあると思っている。でも、そうではなくて、実際に人と会ってみることで、表情や些細な一言から得られる貴重な情報がある」と江上さん。


 いろいろなものがネットに繋がり、デジタル化している時代にも、リアルに経済を見せられるような工夫があればいい。

 子供たちに金融、経済を教えるイベントをもっと開催して、人や情報を兜町に集めよう。そんな意見が江上さんから提案され、兜町を盛り上げるヒントをたくさんいただきました。

撮影:兜LIVE!編集部


 今は、銀行に行かなくてもお金のやりとりができ、兜町に行かなくてもスマホで株の売買ができるのが当たり前の便利な世の中です。できればもっと便利になってほしいと思っていましたが、人と人との繋がりを大切にし、街を活性化させるためには、時には便利さの追求と真逆のことをする必要があるのかもしれません。


関連情報

『Tokyo Financial Street 048』(1周年記念 江上さん公開収録)


▼「Tokyo Financial Street」
2017年5月12日から、インターネット放送STOCKVOICE TVで新番組「Tokyo Financial Street」がスタートしました。現在、東京都が掲げる「国際金融都市・東京の実現」に向けて、金融の中枢機能が集積する大手町から東京証券取引所が位置する日本橋兜町・茅場町地域を軸として、金融機能の整備のためのプロジェクトが官民連携により進められております。毎週金曜の夕方に放送するこの番組では、その週のマーケット動向をまとめて振り返るほか、毎回多彩なゲストをお迎えして『国際金融都市・東京の実現』の話題を取り上げていきます。


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