2018.07.06

日本三大祭 山王祭〜下町連合渡御編〜

日本三大祭 山王祭〜下町連合渡御編〜


撮影:兜LIVE!編集部


みなさん、こんにちは!

兜LIVE!編集部です。


先日執り行われた山王祭を見学してきました。神幸祭と下町連合渡御の様子を2回に分けてお届けしていますが、今回は後編です!


山王祭とは

前回の神幸祭レポートの記事でも述べた通り、山王祭とは、徳川家に信仰された日枝神社の祭礼で、京都の祇園祭、大阪の天満祭と並んで日本三大祭りに数えられます。

その歴史は大変古く、始まりは500年以上も前。江戸で最も氏子域(神社の祭祀圏)が広く、江戸城まで入ることを許された天下祭の一つです。


この山王祭ですが、これは、特定の日に行われる1つのお祭りを指しているのではなく、約10日間かけて行われる20以上もの祭典の総称です。


下町連合渡御とは

撮影:兜LIVE!編集部

江戸時代には山車、明治時代からは神輿が巡幸した山王祭ですが、戦後は担ぎ手が減り、各町会の神輿渡御の活気は徐々に失われていきました。そこで、日本橋と京橋の町会の神輿が一緒に渡御を行うようになったのをきっかけに、平成18年からは茅場町も加わり「下町連合渡御」が始まりました。


宝町、京橋、八重洲、兜町、茅場町、日本橋、江戸橋エリアの神輿に、平成20年からは八丁堀エリアも加わって、今では下町全体で神輿渡御を行っています。


京橋・日本橋間を17もの神輿が渡御する光景は圧巻の一言です。


今回は、2018年6月10日(日)に行われた下町連合渡御の様子をレポートします。


下町連合渡御の様子


撮影:兜LIVE!編集部


下町連合渡御は、午前9時過ぎに日枝神社から神輿6基でスタート。兜町、茅場町一丁目、 茅場町二・三丁目の神輿もここからスタートします。その後、八丁堀のすずらん通りで4基が合流し、神輿は全部で10基に。さらに、京橋で全ての神輿が集合し、お昼過ぎから山車、神輿全17基が揃って、京橋・日本橋間を渡御します。


兜LIVE!編集部は、12時頃から京橋でウォッチを開始。普段は車通りの多い中央通りは大部分が通行止めとなり、山車や神輿、担ぎ手でごった返しています。


撮影:兜LIVE!編集部


茅場町、兜町の神輿の担ぎ手も、渡御の始まりを今か今かと待ちわびているようでした。



撮影:兜LIVE!編集部

▲茅場町一丁目



撮影:兜LIVE!編集部

▲茅場町二・三丁目



撮影:兜LIVE!編集部

▲兜町


各町会の提灯がずらりと並んでいる光景も、なかなか見られるものではありません。珍しい光景に目を奪われていると、関係者の挨拶が始まりました。


撮影:兜LIVE!編集部



「今年は明治から江戸に時代が移り変わって150年の節目。さらに、平成最後の年です。時代は変わっていきますが、それでも変わらないものがあると、みなさんが証明してくれると思います。」との言葉がとても印象的でした。


挨拶が終わると、担ぎ手たちも渡御の準備に入ります。ここで見逃せないのが、担ぐ直前の一本締め。最初の町会が江戸一本締めをすると、間髪入れずに隣の町会が一本締めし、さらにその隣が…と、途切れることなく一本締めが続いていきます。歓声を上げる見物客も多かったです。


それが終わると、いよいよ渡御の開始です。


撮影:兜LIVE!編集部


担ぎ手たちは、神幸祭に比べてさらに盛り上がっているようでした。


撮影:兜LIVE!編集部


各町会の神輿の前には、提灯を持った女性たちが歩いています。


撮影:兜LIVE!編集部



撮影:兜LIVE!編集部


撮影:兜LIVE!編集部


最前列では、神職と巫女さんがお祓いをしながら進んでいきます。



撮影:兜LIVE!編集部

撮影:兜LIVE!編集部


神輿が荒々しく激しく担がれるものなのかと思っていましたが、最初の挨拶で「品よく楽しみましょう」との言葉があった通り、神聖な空気がひしひしと伝わってきました。


その後ろには天狗の面の猿田彦と天鈿女命(あめのうずめ)が。


撮影:兜LIVE!編集部


傘をさしていますが、実はこの日の東京には台風が接近しており、時折雨足が強くなることもあるほどの悪天候。その中でも、担ぎ手たちは雨に打ち勝とうとしているかのように神輿を担ぎ続けていました。


さらにこの後ろには、参加している町会の提灯が一列に並びます。


撮影:兜LIVE!編集部


前から見ると、こんな感じ!


撮影:兜LIVE!編集部


普段は車通りの多い6車線もある中央通りに、道幅いっぱいに神輿の列が連なる様子は圧巻です。


神輿渡御を楽しみながら歩いていると、道中ではこんな神輿を発見しました。


撮影:兜LIVE!編集部



こちらは日本橋三丁目西町会の神輿。前回の神幸祭レポートの記事で、茅場町一丁目の神輿は「黒漆延屋根神社型」だと紹介しましたが、こちらは「破封型屋根塗り江戸神輿」だそうです。いろいろな神輿があるんですね。


この後、雨足はさらに強くなり、見物客にも傘をさす人が増えてきました。


撮影:兜LIVE!編集部


しかし、雨が降れば降るほど、天気に負けまいと盛り上がる担ぎ手たち。


撮影:兜LIVE!編集部


迫力と熱気に圧倒されました。


その頃、先頭の神輿は日本橋に到着。兜町・茅場町の神輿は「東京日本橋タワー」付近でストップし、木頭による手締めが行われました。


撮影:兜LIVE!編集部



撮影:兜LIVE!編集部


ここで終わり?と思いきや、まだまだ終わりません。しばらくすると、神輿は再スタートし、日本橋に向かっていきます。


日本橋では、宝町、本町のみなさんが、提灯を掲げて出迎えてくれます。これを、高張り提灯と言うそう。


撮影:兜LIVE!編集部



ここで神輿が折り返すのですが、ここでは、最も盛り上がる「差し」(神輿を高く上に上げること)が行われます。



撮影:兜LIVE!編集部


数百キロの神輿を天高く掲げる様は、とにかくかっこよかったです。この瞬間を写真に収めるため、日本橋付近は大変混雑していました。


茅場町二・三丁目も高い!


撮影:兜LIVE!編集部


その中でも、特に盛り上がったのが茅場町一丁目。


撮影:兜LIVE!編集部



神輿を高く上げるだけでなく、ぐるぐると回して見物客を沸かせていました。


興奮冷めやらぬまま、続いて向かった先は、「日本橋高島屋」です。


撮影:兜LIVE!編集部


提灯が下がり、お祭りの雰囲気漂う高島屋ですが、百貨店建築で初めて重要文化財に指定された建物だけあって、入り口からすでに重厚感があります。


撮影:兜LIVE!編集部


店内には山王祭のポスターや、日枝神社、山王祭の説明が掲示されていました。山王祭について詳しく知りたい方は、合間にこちらを読んでおくとよさそうです。


さて、そうこうしているうちに、入り口付近にはどんどん人が集まってきました。実は、下町連合渡御では、渡御の最後にいくつかの神輿が高島屋に表敬訪問します。


撮影:兜LIVE!編集部


そのまま入ると神輿が入り口にぶつかってしまうので、「下げて下げて!」と指示が飛び交います。神輿を高く上げるのもすごいですが、低く下げて中腰で進む様子もとてもハラハラしました。


撮影:兜LIVE!編集部

見物客も、固唾を飲んで神輿が入ってくるのを見守ります。無事に入り口に入った瞬間には、そこかしこから安堵のため息が漏れていました。


撮影:兜LIVE!編集部


最後は木頭とともに手締めが行われ、大盛り上がりのうちに下町連合神輿渡御は終了しました。


今回も半纏のデザインをウォッチ!

神幸祭でもそれぞれの町会で異なる半纏の柄を紹介しましたが、今回は17もの町会が集まる場所に行ったので、より多くの半纏に出会いました。上から見るととても鮮やかに見えました。


撮影:兜LIVE!編集部



撮影:兜LIVE!編集部

▲八丁堀



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▲八重洲二丁目中



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▲京橋一丁目



撮影:兜LIVE!編集部

▲京橋二丁目西



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▲京橋宝町



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▲京橋三丁目


半纏を着ているわんちゃんもいました。


撮影:兜LIVE!編集部



撮影:兜LIVE!編集部



まとめ

神職を筆頭に300メートルも続く御列次が都心を巡幸する神幸祭は、厳かな雰囲気がありますが、下町連合渡御は、下町らしい威勢の良さや活気を感じられるものでした。


しかし、山王祭はこれで終わりではありません。「献灯祭・山王音頭と民謡大会」や「例祭」、「山王嘉祥祭」など、この後10日間ほどさまざまな行事、祭礼が行われます。本格的なお祭りシーズンを前に行われる、歴史と伝統を感じられる山王祭。東京に住むものにとっては、一度は見なければならないお祭りだと感じました。


次に行われるのは再来年の2020年。ちょうど東京オリンピックと重なる年でもあるので、例年以上の盛り上がりが期待出来そうです。

まだ見たことがないという方は、ぜひ2020年、この雰囲気を肌で感じてみてください!



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