2021.06.18

「現代の礎を築いた渋沢栄一と未来をつなぐ新たなスポットを巡る旅」参加レポート

こんにちは。

兜LIVE!編集部です。


2021年4月25日(日)〜5月5日(水)のゴールデンウィーク期間中に開催された、JR東日本が企画する日帰りウォーキングイベント「現代の礎を築いた渋沢栄一と未来をつなぐ新たなスポットを巡る旅」に参加してきました。渋沢栄一の軌跡を辿りながら東京の名所を巡る旅をレポートしていきます。


◆まずは「駅からハイキング」アプリをダウンロード



まずJR東日本がリリースしたアプリ「駅からハイキング」をダウンロードし、住まいや生年月日を入力し会員登録をします。


「コースを調べる」という項目に表示された様々なコースの中から、今回参加する「現代の礎を築いた渋沢栄一と未来をつなぐ新たなスポットを巡る旅」を選択。

予約不要のイベントのため参加も簡単で、始点の駅に着いた段階で「コースに参加する」を押すだけでウォーキングイベントが開始されます。


今回のハイキングコースはこちら


◆東京駅を起点に全長約11km、所要時間約4時間のウォーキングコース



最初に「現代の礎を築いた渋沢栄一と未来をつなぐ新たなスポットを巡る旅」のコースをご紹介します。


今回のコースは、JR東京駅から始まり、千代田区の渋沢栄一像、日本銀行金融研究所貨幣博物館、日本橋三井タワー、平和不動産本店(日証館)、銀行発祥の地(第一国立銀行跡地)、築地本願寺、ウォーターズ竹芝、帝国ホテル 東京、東京商工会議所、そしてJR東京駅へと戻る、全長約11km、所要時間約4時間の行程です。


渋沢栄一が設立に関わったものだけでなく、歴史的建造物、東京の新名所などもコースに含まれていて見所もたくさん。ガイドさんはいないので、自分のペースで寄り道しつつのハイキングとなります。


今回の旅の始点であり、日本の近代化の姿を見続けてきた東京駅は1914年に開業。100年以上の歴史を誇る煉瓦造りの威風堂々とした建物は、何度訪れても足を止めたくなる魅力に溢れています。2003年に国の重要文化財に指定され、「関東の駅百選」認定駅でもあります。


◆日本資本主義の父「渋沢栄一」の銅像にあいさつ



スタート地点の東京駅を堪能したら、大手町方面へ。日本橋川沿いの常盤橋公園に「日本資本主義の父」と呼ばれた渋沢栄一の銅像があります。渋沢は日本初の銀行である第一国立銀行(現在のみずほ銀行)、東京証券取引所、帝国ホテルなど500以上もの企業の設立に関与した実業家で、日本の近代化を支えた偉人です。


この銅像は、第二次世界大戦下の金属回収により一度は撤去されてしまいましたが、1955年に再建されたそうです。渋沢は2021年現在放送中の大河ドラマの主人公ということもあってか、取材時もたくさんの人が銅像を見に訪れていました。


◆日本銀行金融研究所「貨幣博物館」へ


次に訪れた「貨幣博物館」は、日本銀行本店に隣接する日本銀行金融研究所の2階フロアに置かれている博物館。1982年に日本銀行創立100周年を記念して設置されました。館内には古代から現在までの日本の貨幣、さらに世界の貨幣や紙幣を紹介する展示などがあり、日本だけでなく世界の貨幣史を学ぶことができます。


訪れた日は東京都の緊急事態宣言発出により閉館していたため、残念ながら中は見学できませんでした。


貨幣博物館 現在は見学できます。

◆日本橋のランドマーク「日本橋三井タワー」



日本橋エリアへと足を踏み入れて訪れたのは、この地区のランドマーク的な存在ともいえる「日本橋三井タワー」。地権者である千疋屋総本店と三井不動産が再開発したもので、「歴史的建築物の保存と開発との両立」を目指した都創設の「重要文化財特別型特定街区制度」の適用により、2005年に建設されました。ホテル、オフィス、商業施設からなる超高層ビルで、外観は近代的ですが、建物内低層部は三井本館の歴史・文化を受け継いだ重厚で格式の高さが窺える美しい造りになっていて、背筋が伸びる思いでした。


◆平和不動産本館(日証館)で赤石を見学



同じく日本橋エリアにある日証館は、1888年に渋沢邸として、後に渋沢事務所として使われていた建物。現在は平和不動産本店となっています。


1923年に起こった関東大震災によって一度は破壊されてしまいましたが、1928年に東京株式取引所が再建。日本証券取引所設立した1943年を機に「日証館」と呼ばれるようになりました。



ロビーのすぐ左手に展示されている「赤石」は、渋沢栄一が生涯大切にした縁起石です。そばにあるQRコードをスマートフォンで読み取ると、ARの渋沢栄一に出会える仕掛けがあります。日証館1階は期間中常に開放されているので、気になる方はぜひご自身の目で確かめてみてください。


*日証館の開館時間:平日10:00-18:00

◆銀行発祥の地(第一国立銀行跡地)



日証館、東京証券取引所のすぐ近くにある「銀行発祥の地」へと足を運びます。現在は、「みずほ銀行兜町支店」となっているこの地は、渋沢栄一が中心となって、1873年に日本初の銀行「第一国立銀行」を設立した場所です。今はその面影がありませんが和洋折衷の非常に美しい建物で、錦絵にもなり、当時は東京の名所としても知られていました。



建物南側の壁面にはめ込まれたプレートや西側にある歴史展示パネルでは過去の建築物の写真や絵もあり、日本経済を支え、成長させてきた第一国立銀行の姿を見ることができます。


◆築地エリアのシンボル「築地本願寺」



銀行発祥の地を後にして海沿いへと進み、築地エリアの顔とも言える京都・西本願寺を本山とする浄土真宗本願寺派の寺院「築地本願寺」に立ち寄ります。仏教寺院でありながらインド、アジアンテイストが色濃く反映された不思議な本堂を持つ寺院です。



現在の本堂は1934年の竣工で、帝国大学名誉教授で建築家の伊東忠太博士が設計したもの。古代インド・アジア仏教様式を模した外観に加え、和洋中の建築要素も取り入れられています。また、当時の宗教施設としては珍しい鉄筋コンクリート造で、大理石彫刻がふんだんに用いられていることも特徴です。本堂の他、境内各所が重要文化財に指定されています。



本堂内にはオルガンが置いてあったり、御朱印がない代わりに自分で押すタイプの参拝記念スタンプがあったりと、普通の寺院では見られない光景もあり新鮮でした。


築地本願寺


余談ですが、この後は築地の場外市場のすぐ脇を通っていくコースとなるので、お昼休憩は江戸前寿司というのもよいですね。



◆東京の新名所「ウォーターズ竹芝」



築地を出発し浜離宮恩賜庭園をぐるりと一周し南側へ。2020年10月にまちびらきした東京の新しい名所「ウォーターズ竹芝」へとやってきました。


ここは「つぎの豊かさを生み出すまち」というコンセプトのもと、劇団四季の専用劇場、商業施設、ホテル、オフィスなどが揃った複合施設です。ウォーターフロントの立地を活かした造りで、芝生の広場、船着場、干潟などを完備。浜離宮の緑も手伝って、都心にいながらも自然に囲まれた、静かで優雅なひと時を過ごすことができる場所です。



船着場からは羽田空港をはじめ、様々な場所へ向かう水上バスも運行されていて、発着する様子を眺めているだけでも楽しめました。


ウォーターズ竹芝

◆日本を代表する名ホテル「帝国ホテル 東京」



ハイキングもいよいよ佳境。竹芝を後にし、日比谷方面へと戻っていきます。向かうは日比谷公園、皇居のすぐ近くにある「帝国ホテル 東京」です。


時は1886年。東京の官庁集中計画が練られた際に、外国人の接遇所を兼ねた国を代表する大型ホテルが必要となりました。この事がきっかけとなり、渋沢栄一と大倉喜八郎の2人が中心となって、1887年に「有限責任帝国ホテル会社」を設立、建設をスタートし、1890年に開業したのがいまの「帝国ホテル」です。


今なお都内ホテルの中でもトップクラスのサービス、おもてなしを受けられるホテルとして親しまれ、海外からの要人も度々訪れています。ちなみに、1954年にハリウッドスターのマリリン・モンローが新婚旅行で日本に訪れていた際、記者会見で「夜は何を着て寝るの?」という質問に「シャネルの5番」と答えたエピソードは、この「帝国ホテル 東京」に滞在していた時のインタビューだったそうです。


帝国ホテル 東京


◆渋沢栄一の想いが宿る「東京商工会議所」




旅の最後は丸の内にある「東京商工会議所」へ。商工会議所とは、商工業の改善や発展を目的として、市など一定地区内の商工業者によって組織される自由会員制の公益経済団体のこと。「東京商工会議所」は東京都23区に事業所を置く企業、団体で運営されている商工会議所になります。


東京商工会議所(丸の内二重橋ビル)1階にある渋沢翁の銅像
ビルの開館中はどなたでも見ることができます。


「民の繁栄が国の繁栄に繋がる」という思想のもと1878年に渋沢栄一が創立し、初代会長を務めました。「道徳経済合一説」をはじめとする渋沢栄一の数多くの教えは脈々と受け継がれ、現在でも多くの企業経営者がその理念を学んでいます。渋沢栄一の想いが詰まった大切な場所を最後に訪れ、旅の締めくくりとなりました。


東京商工会議所

◆まとめ



日本経済の歩みを辿りながら、いま話題の商業施設にも立ち寄れる充実のハイキングコースの「現代の礎を築いた渋沢栄一と未来をつなぐ新たなスポットを巡る旅」。テーマに沿ったコース設定というのも新鮮で、コロナ禍でなかなか遠出できない日々の中、今まで見過ごしていた近場の隠れた名所を見つけられたことも収穫でした。「駅からハイキング」アプリでは他にも様々な日帰りコースが提案されています。ぜひお出かけのお供に活用してみてくださいね。


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