2024.09.09

【山王祭2024】~神幸祭編~ 6年ぶりの開催!都心に約500人が行列を成す山王祭の目玉・神幸祭が行われました。

みなさん、こんにちは!

兜LIVE!編集部です。


先日執り行われた山王祭を見学してきました。
今回は6月7日(金)に開催された、日中からの神幸祭と、夕方からの各町会神輿渡御の様子をお届けします。


◆山王祭とは

かつて江戸城の鎮守であった日枝神社は、徳川将軍家の産土神として篤く信仰されてきました。だからこそ日枝神社の例大祭である「山王祭」とは、幕府からその費用が出されるほど大規模なものだったそうです。


そんな、日枝神社の伝統あるお祭り。それが「山王祭」です。江戸三大祭として知られているほか、大阪・天満宮の天神祭、京都・八坂神社の祇園祭と並ぶ日本三大祭のひとつでもあります。


◆神幸祭とは

もともとは、神社の祭礼のひとつです。日枝神社の山王祭における神幸祭は、かつて徳川家光公が城の楼上にて神幸行列を御覧になり、将軍上覧が恒例行事となったもの。いわば上覧祭でもあったのです。


現代における「神幸祭」は、山王祭の目玉ともいえます。豪華絢爛な王朝装束をまとった約500人が列を成し、まるで歴史絵巻のように都心を練り歩くものです。
これまで隔年で開催されてきましたが、コロナ禍の影響で、2024年はなんと6年ぶりの開催です。東京都心の景色の中に、時代を感じさせる美しい装いの人々と宮神輿や出車が現れ、見物客を魅了します。


◆神幸祭の様子

兜LIVE!編集部は、当日13時頃から神幸行列を追いかけました。
13:15頃、かつての江戸城である皇居周辺を巡った神幸行列が鍛冶橋通りにまでやってきました。すでに辺りはにぎわい、街行く人々も足を止めます。



周辺には多くの警備員が並び、見物客が今か今かと行列の通過を待っていました。先導神職が現れ、さまざまな装束の奉仕員がそれに続きました。




第一梯団の「諫鼓鶏」、不満を伝える太鼓を打ち鳴らす者がおらず、ただ上に鶏が止まったという逸話にちなんだものです。こちらは、天下泰平の象徴といわれています。




「鼻高面」に「朱傘」、「獅子頭」も続きます。





第二梯団は「御神馬」や、「御弓」「御鉾」など神宝を運ぶ人たち、それに美しい「舞姫」可愛らしい「童女」が列を成します。




第三梯団には主祭神である大山咋神をお乗せする御鳳輦(一之宮)



二之宮、三之宮が続き、非常におごそかです。
第四梯団がもっとも人数が多く、山車も加わり華やかです。




人目を引く「花山車」と「象山車」も列を成します。象の山車は、1720年に江戸に象がはじめて渡来したことにちなんで創られるようになったそう。象のリアルな見た目と等身大のサイズ感は、観衆から歓声が上がるほどです。



「干支山車」は、2024年の辰年にちなみに、辰が掲げられていました。



やはり、街中を行くときも山車は観衆に大人気です。観光客や買い物に出てきた人、働く人たちも足を止め、それぞれカメラを掲げていました。
6年ぶりの開催とあって、沿道はとてもにぎわっています。平日ですが、時に通行が困難になるような混雑を見せる場所もあるほど。子どもたちは手を打って喜び、付き添う大人も楽しげな歓声を上げていました。



揃いの法被を着た小学生も、あちこちに沿道に並びます。6年ぶりとあっては、初めて神幸行列を見る子も少なくないでしょう。
珍しがったり拍手をしたり、大盛り上がりの様子が窺えます。



街の至る所に飾られた提灯やのぼりが、お祭りの熱気を物語っていました。


14:20には日本橋日枝神社(摂社)に悌団すべての宮神輿が到着しました。大勢の観衆が見守る中、うやうやしく神事が執り行われます。境内にて神楽舞が奉納され、美しい音色とさわやかな風が抜けていきました。


摂社に飾られる、御鳳輦。




神事が終わると、先導車に率いられた行列がふたたび順行路に戻ります。


ちょうど兜町と茅場町の境目、ちよだ橋辺りで山車も合流し、元通りの華やかな並びに戻りました。




日本橋方面へ向かう華やかな一行を、多くの見物客とともに見送ります。行列を眺めるみなさんは、それぞれうれしそうな表情で、さまざまな装束や目を引く山車を楽しんでいるようでした。


◆各町会神輿渡御の様子

兜LIVE!編集部は、続いて夕方からの各町会神輿渡御の様子を見学します。



18:00前から、坂本町公園にある神酒所に各町の担ぎ手たちが揃いの法被を着て集まってきました。担ぎ手のみなさんは若い方も多く、見送りに来た私服姿のご友人と楽しそうにおしゃべりをしている様子が見られます。



坂本町公園からは、茅場町二、三丁目町会と兜町町会の御神輿2基がそれぞれ出発しました。さっそく、威勢のいい掛け声とともに担ぎ上げられる、兜町の御神輿を追いかけました。


「ソイヤ!」の掛け声とともに御神輿は進み、担ぎ手のご家族やご友人、そして町内の人たちもその行方を見守ります。



東京証券取引所まで着くと、御神輿を頭上高く持ち上げました。これを、御神輿を差すといいます。



ここで、セレモニーが行われ、東京証券取引所の社長や平和不動産の社長、兜町町会長のスピーチがありました。御神輿の担ぎ手のいなかった時代を乗り越えての今日。町会神輿やお祭りにかける熱い想いが伝わってきます。


記念撮影もあり、素敵な思い出が増えたところで御神輿はまた動き出します。


東証横をぐるりと曲がり、今度は千代田橋方面へと向かいます。終業時刻となったのか、立ち並ぶ会社のビルから応援に駆け付ける人たちの姿も見えてきました。


ニチコン東京ビルの横にて一度御神輿の渡御を止めます。そう、この後の3基合流に向けて、他の町の御神輿のタイミングを計っているのです。



お囃子が聞こえ、前方に見えるのは茅場町二、三丁目の御神輿。


少し遅れて、右側から茅場町一丁目の御神輿も見えてきました。



いよいよ一団が動き出し、周囲の盛り上がりもヒートアップ。兜町交差点にて、3基合流がなされます。



それぞれの掛け声が景気よく重なり、御神輿が中央に集まります。人々が見守る中、御神輿3基は一堂に会し、熱い盛り上がりを見せます。担ぎ手も観衆も一緒くたになり、お祭りの夜を楽しんでいました。



そして、それぞれの御神輿はまた順路へと戻っていきました。


帰還を喜び、御神輿を差します。だんだん暗くなっていく街の中、明るく光をたたえた御神酒所に、兜町の御神輿は帰ってきました。



兜町町会長による拍子木で、御神輿は御渡を終えます。


夕闇空とビルの景色に、集う兜町の法被姿。御神輿の先導役からの労いの言葉があり、また明日の御渡に向けて、それぞれが英気を養うようでした。


町内の担ぎ手たちにはここでお弁当が配られるとのこと。こうして、明日明後日と続く山王祭1日目の夜は更けていきました。


◆まとめ

都会のど真ん中で、まるでタイムスリップしたかのような景色が楽しめる「神幸祭」。そして、この町に暮らす人々の情熱と愛情が感じられる「各町会神輿渡御」。どちらも、山王祭に欠かせない姿だといえるでしょう。
神幸祭は隔年での開催となりますが、これからもこの素晴らしいお祭りが続いていくよう願ってやみません。みなさんもぜひ、この熱気を味わいに足を運んでみてください。
(取材・撮影:黒田 侑)



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