2023.10.26

2023年5月にオープン! フルーツの洋食を楽しめるビストロ『Fruits Bistro SABLIER』を取材しました


2023年5月9日、日本橋室町に『Fruits Bistro SABLIER(フルーツ ビストロ サブリエ)』がオープンしました。このお店は、1952年から茅場町でフルーツ店を営む『イマノフルーツファクトリー』が手がけるビストロ『BISTRO SABLIER』の2号店です。


今回、オープンして約半年ほどの『Fruits Bistro SABLIER』に取材に伺いました。『イマノフルーツファクトリー』を手がける株式会社いまの 代表取締役の今野州彦さんと『Fruits Bistro SABLIER』オーナーシェフの今野登茂彦さんに、日本橋室町に2号店を構えた理由やお店の特徴、今後の展望などについて伺いました。


◆フルコースも楽しめる『Fruits Bistro SABLIER』とは

フルーツをふんだんに使った料理が楽しめるビストロ『Fruits Bistro SABLIER』は、東京メトロ銀座線・半蔵門線の三越前駅から徒歩約3分ほどのところにあります。落ち着いた通りに面し、大都会の中にひっそりと佇む隠れ家のような見た目のお店は、中に入ってみると、内装もシックで落ち着いた雰囲気にまとめられていました。1階はよりカジュアルに食べられるカウンター席が並び、2階はテーブル席が並んでいます。



『Fruits Bistro SABLIER』は、冒頭でも触れたとおり、茅場町にある『BISTRO SABLIER』がつくった2号店です。店を構える場所として日本橋室町を選んだ理由を尋ねてみると、オーナーシェフの今野登茂彦さん(以下、登茂彦さん)は、三四四会(みよしかい)のご縁が大きなきっかけになったと出店の経緯を教えてくださいました。


「ここは、もともとスペインバルだったんです。でも、コロナ禍で閉店してしまって。空いた店舗に入らないかと声をかけてくださったのが、この店の隣にあり、三四四会でお世話になっている『江戸前鮨 日本橋 蛇の市本店』さんでした」(登茂彦さん)


『BISTRO SABLIER』としても、いずれ2号店を出したいと思っていたことから、空き店舗への入居を決めました。日本橋室町のお店は、茅場町のお店と同じく全メニューにフルーツを使うという軸は貫きながらも、店内のつくりや提供するメニューなどを変更。『Fruits Bistro SABLIER』は、2階でコース料理も楽しむことができるビストロとしてつくり上げていきました。



「価格帯も変えています。茅場町はオフィス街。『BISTRO SABLIER』は、2階はランチを気軽に食べられるように、3階はちょっとしたパーティーが開けるような形でお店を運営してきました。一方、『Fruits Bistro SABLIER』は、2階でコーヒーやデザートまで楽しめるフルコースを提供。


料金はランチ2000円台後半~ディナー7000円台と、少し価格帯を上げました。一方で、1階は気軽に楽しめるメニューに。昼の時間はランチ、夜はスムージーやカクテル、お酒に合う料理を手ごろな価格でお出しするお店として運営しています」(登茂彦さん)


◆果物の魅力を最大限引き出した料理やお酒のメニュー

老舗フルーツ店が手がけるビストロとあって、『Fruits Bistro SABLIER』で食べられる料理には、果物がふんだんに使われています。しかも、料理の中にただ果物が入っているのではなく、果物の味や風味を最大限に引き出して食材とマッチするような料理に仕上がっているのが『Fruits Bistro SABLIER』の特徴。夏は冷製パスタが人気で、メイン料理としてはイノシシ肉と桃を合わせた料理や魚のブドウソース添えなどがお客様に喜ばれるそうです。そして、秋から冬にかけては、洋ナシやぶどう、イチゴ、柑橘類など、さまざまな果物を使ったメニューが新たにお店に並ぶようです。



また、夜の時間帯に提供するお酒に関しても、新鮮な果物を使ったメニューを提供しているとのこと。お酒のメニュー開発は、登茂彦さんが以前働いていた職場の同僚をスカウトし、果物の素材を活かしたスムージーやカクテルをつくっていきました。


「ベースにウォッカを使いながらもフレッシュな飲み口のカクテルなど、さまざまなお酒を用意しています。そうしたお酒に合う料理としては、盛り合わせやグラタン、アッシュ・パルマンティエというジャガイモとミートソースを焼き上げた料理、肉料理などがよく出ていますね」(登茂彦さん)



近隣で働く方やコースランチを楽しみに来た方など、さまざまな方が訪れるお店になりつつあるという『Fruits Bistro SABLIER』。今後、日本橋室町の中でどのような存在になっていきたいかを尋ねてみると、登茂彦さんはこのように語ってくださいました。


「日本橋室町は、街の成り立ちから和食の老舗店が多いエリアです。そのような街の中に私たちが加わったことで、すごく新鮮なコラボレーションができるのではないかと考えています。いつか隣のお寿司屋さんともコラボイベントを開催できたら、街を訪れる方にも楽しんでいただけるのではないかと思っています」(登茂彦さん)


◆拡大を続ける『イマノフルーツファクトリー』

そんな『Fruits Bistro SABLIER』の大元にあるのが、茅場町にある老舗フルーツ店『イマノフルーツファクトリー』です。


『イマノフルーツファクトリー』はここ数年で事業が拡大。茅場町本店のほか、東駒形工場店や上野の森さくらテラス店を新たに出店し、百貨店の催事や東京駅の特設店舗への出店なども積極的に行っています。こうした店舗拡大の理由について、株式会社いまの代表の今野州彦さん(以下、州彦さん)はこのように語りました。


「おかげさまで、私たちのお店の認知度がこの数年でかなり高まってきました。そこで、これまで手薄だったゼリーやジュースなどの加工品の生産を『フルーツファクトリー』として本格的に手がけることに決めて。生産体制を強化する中で新たにつくったのが東駒形の工場であり、上野の森さくらテラス店なのです」(州彦さん)



『イマノフルーツファクトリー』の認知度が上昇した背景には、コロナ禍の少し前から力を入れ始めた百貨店の催事への出店が影響していました。州彦さんは2017年、大阪にある阪急百貨店で初開催された『♯TOKYO おやつショー』への出店を決定。ここで大きな注目を集めたことで、関東圏でも催事出店への引き合いが増えていったといいます。


「『♯TOKYO おやつショー』への出店は、大阪で東京のものが売れるわけがないと、社内から大反対を食らったんですよ。でも、阪急百貨店の催事は日本でトップクラスの規模を誇りますから、ここに出ない手はない。それで実際に出店してみたところ、たくさんの方に私たちの商品を買っていただくことができました。それからは関東圏を中心にさまざまな百貨店の催事に出店しています」(州彦さん)


ただ、『イマノフルーツファクトリー』もコロナ禍の影響を大きく受けることとなりました。新型コロナウイルスが拡大した直後は、来店客が激減。テイクアウトやお弁当、ランチを中心に営業を続ける中で、たまたまJR駅構内の小売店を運営する「キヨスク」とご縁が繋がり、フルーツサンドの東京駅での販売につながっていきました。


州彦さんは今後、『Fruits Bistro SABLIER』も含め、新しいお店の定着を図り、長く続くお店にしていきたいと目標を教えてくださいました。


「『Fruits Bistro SABLIER』を出すにあたって、僕が登茂彦に1つだけお願いしたのは、フルーツ店が手がけるフレンチレストランというコンセプトを大切にしようということでした。果物を料理に取り入れるレストランはたくさんありますが、実は果物の良さや味、風味をしっかりと活かせているお店はそう多くはありません。フルーツ店だからこそできる、味と量、価格のバランスが取れた果物の料理をこれからも引き続き提供していきたいです。そして、たくさんのお客様に長く愛されるお店に育っていけば嬉しいなと思います」(州彦さん)


そして最後に、株式会社いまのとしての今後の展望についても、このように語ってくださいました。


「近々テレビの取材が入ったり、石川県での催事出店があったりするのですが、この勢いを失わずに、『イマノフルーツファクトリー』を広めていけたらと思っています。そのためにも、いろいろな取り組みに挑戦していきたいですね。実は今度、三四四会の各店とコラボしたおせち料理を販売するんですよ。そうした仕掛けをいくつも準備しているので、現在蒔いている種が、いずれ大きく花開いてくれればと思っています」(州彦さん)


取材・文:市岡光子


フルーツビストロサブリエ

東京都中央区日本橋室町1-12-10 ムロホンビル6(東京メトロ三越前駅から徒歩3分)

03-6661-7790

営業時間

火~土
11:30~15:00(L.O 14:30)
17:30~23:00(L.O 22:00)
2階は22:00まで(L.O20:00)


1階 11:00~16:00
2階は15:00まで

*月曜、祝日・第1日曜定休


イマノフルーツファクトリー


【かぶかやヒューマン】#13 今野三兄弟 前編〜株式会社いまの〜

【かぶかやヒューマン】#13 今野三兄弟 後編〜イマノフルーツファクトリー、ビストロサブリエ〜


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