2021.06.03

兜LIVE!かぶかや・ヒューマン #13 今野3兄弟 〜後編〜「イマノフルーツファクトリー」今野喜彦さん/「ビストロ サブリエ」今野登茂彦さん

TV番組「出没!アド街ック天国」でも取り上げられた「イマノフルーツファクトリー」と、その2~3階にある「ビストロ サブリエ」。これらは、茅場町で有名な今野3兄弟が運営する名店です。


前編では、運営元である「株式会社いまの」代表取締役で、長男の州彦(くにひこ)さんにお話を伺いました。後編の今回は、「イマノフルーツファクトリー」の店長で次男の喜彦(よしひこ)さん、「ビストロ サブリエ」のオーナーシェフで三男の登茂彦(ともひこ)さんを直撃。日本橋茅場町で長年愛されてきた果物屋とビストロの歴史、そして3兄弟の素顔に迫ります!


★前編はこちら


◆茅場町で69年!果物屋「イマノフルーツファクトリー」


――まずは喜彦(よしひこ)さん、よろしくお願いいたします!「イマノフルーツファクトリー」の店長さんですね。
よろしくお願いします。緊張しちゃいますね(笑)



――気楽にお願いします(笑)。前編で、ご長男の州彦さんからお店の歴史などを伺いました。改めて、お店のラインナップを教えていただけますか?
メインは贈答用の果物ですが、自家用のお買い得商品もありますし、堅苦しくないお店ですよ。他には、フルーツサンド・ケーキなどのスイーツ・ジュース・スムージーもあります。フルーツサンドは最近メディアでも取り上げられて、多くの方に買っていただいていますね。ジュースも常時10種類以上あって、どれもオススメです。




――果物の買い付けは、喜彦さんがご自身でされているんですか?
そうです。昔は青果は神田、鮮魚は築地と言われ、神田から移った大田市場に行きます。全国から最高品質のフルーツが集まる日本一の青果市場です。


――初めて知りました!お店のお客様はどのような方が多いですか?
サラリーマンがお使い物で贈答用の果物を買って行ったり、OLさんがジュースやスイーツを買って行かれたりします。ここ最近はフルーツサンドが本当に人気で、男性客が「奥さんから頼まれて」とお土産に買って行かれたり、わざわざ遠方から来られたりする方もいます。もちろん、常連の年配の方もいますね。



ちなみに昔は、サラリーマンがお酒を飲んだあとにタクシーを乗りつけて果物を買いに来ていたんですよ。ケーキとかお寿司の感覚で、家族へのお土産としてね。だから夜も忙しくて、21時までやっていました。まだ会社の領収書が切れた時代ですね。


――それはバブリーですね(笑)。
そうでしょう(笑)。今の人って、自分でフルーツの皮をむくのが面倒くさいみたいで、そのままの果物ってあまり売れないんですよ。カットフルーツやスイーツなどの加工品も展開している店は生き残っているけれど、そうでない店はだんだん無くなっていますね。



◆昔ながらのフルーツサンドにこだわる

――フルーツサンドの人気の秘密は何でしょう?
やっぱり「フルーツ屋がつくるフルーツサンド」ってところじゃないですかね!旬の一番良い状態のフルーツにこだわっていますから。先代が厳選した材料を守りたくて、クリームは昭和の頃から同じものを使っています。今って色んなフルーツサンドがたくさん出てきているから、うちはあえて昔ながらのフルーツサンドを提供したいですね。




――きっと先代も喜んでいますね。中身は季節ごとに変わるのですか?
もちろん変わります。その時ベストなフルーツをサンドしていますね。春は、イチゴ・柑橘類・メロン。夏は、メロン・マンゴー・桃。秋は、洋ナシ・柿・ぶどう。冬は、ぶどうとイチゴ、柑橘類(紅マドンナ)です。

うちは果物屋だから、果物の熟度を進ませたり止めたりする技術があるんです。熟度を管理しながら一番良い状態のものを使えるのは、果物屋ならではですね。



――フルーツサンドやスイーツは、どこで誰が調理しているのですか?
このビルの4階で、うちの家族、職人さん、スタッフが皆でつくっています。結構売れるから、どんどんつくらないと間に合わないんです(笑)。フルーツを切って、パンを切って、サンドして、ラップして……、結構大変なんですよね。


4階は、昭和60年くらいまで祖父母の住まいだったのですが、平成に入った頃厨房に変えました。昔は丁稚奉公(でっちぼうこう)という、住み込みで働きに来ている人もいましたね。


◆セレブ御用達「サン・フルーツ」で修行

――喜彦さん、果物屋を継ぐことに迷いはなかったですか?
それがどういうわけだか、小さい頃から果物屋をやりたかったんですよ。父には「もっと他にやりたいこと無いのかよ!これからは果物屋はダメだよ!」なんて言われていたんですけれど(笑)。

実は、知り合いが誰も居ないところで果物屋をやりたくて、大阪に行くことを考えた時期もあったんです。でも結局、日本橋三越の「サン・フルーツ」で6年間働かせてもらってからうちの店に入りました。



――ご兄弟全員で実家の事業を継がれていて、とても素敵だと思います。他のお二人のお仕事ぶりをどのように見ていますか?
長男(州彦さん・「株式会社いまの」代表取締役)は、全体を見ながら色々やってくれていると思います。三男(登茂彦さん・「ビストロ サブリエ」オーナーシェフ)はシェフとして一流ですし、こだわりを持っていて良いですね。私が一番ダメかもしれないな(笑)。


私はこれからも長男のサポートを続けていきたいですし、いつまでも兄弟みんなで仲良くやって行けたらと思っています。ほら、兄弟で仕事すると揉めるって言うから(笑)。


――今野3兄弟なら絶対大丈夫です(笑)。この街のことは、どう感じていますか?
良い街だと思いますよ。一度出て行っても、所帯を持ってから戻ってくる人も多いんです。私も昔は「ビルばっかりで嫌だな、結婚したら田舎に住みたいな」と思って、一度茨城に住んだこともあるんです。でも、結局戻ってきました。


――居心地が良いのですね。今この街は開発中ですが、今後どのような街になっていって欲しいですか?
証券会社がどんどん無くなって人が居なくなった街ですから、また昔のように活気ある街になって欲しいですね。以前に比べると最近は土日も人が増えましたけれど、もっと賑やかになってくれたら嬉しいですね。


――喜彦さん、ありがとうございました!



◆フルーツを取り入れたフレンチ「ビストロ サブリエ」

――次は登茂彦さん、よろしくお願いします!
よろしくお願いします。三男で「ビストロ サブリエ」オーナーシェフの登茂彦です。



――「ビストロ サブリエ」について教えてください。
フレンチビストロです。フランス料理って堅いイメージがありますけれど、うちは気楽に楽しんでいただけるビストロです。雰囲気は砕けていますが、料理にはこだわっていますよ。ランチはOLさん、夜は会社帰りの男女グループや接待の方たちで賑わっています。


ランチはパスタランチ、サラダランチ、肉か魚のメインを選べるランチをご用意しています。デザートとコーヒーも付いていますよ。


夜はアラカルトが中心ですが、コースのご用意もあります。コロナ中は取り分けしなくて済むように、一時的にコースを増やしています。


――果物屋一家が営むビストロならではのメニューが楽しめると伺いました。
他のビストロには無いような、旬のフルーツを取り入れたメニューを揃えています。フルーツを入れたサラダをはじめ、フォアグラとあまおうなど、肉×フルーツ、魚×フルーツのマリアージュをお楽しみいただけます。


――お客さんに人気のメニューはどちらですか?
フォアグラとサラダですね。サラダなどの冷製から一品、フォアグラ、メインから一品の組み合わせでオーダーされる方が多いです。


ビストロサブリエより:フォアグラとあまおうのリゾット


ビストロサブリエより:フォアグラソテーと無花果


◆昔はパーラー、今はレストラン

――「ビストロ サブリエ」は、いつからあるのですか?
1984年からです。元々この場所ではフルーツパーラーをやっていましたが、この辺はビジネス街なので、週末は人がいなくて商売にならなかったんですね。その頃はちょうど女性が社会進出しだした時代で、女性も居酒屋に行きだした頃。女性にも飲食店の選択肢が出てきたので、思い切って父がフレンチビストロに変えたんです。


当時まわりは反対したそうですが、これは先見の明だったと思います。時代に合わせて業態を変えてきたおかげで、うちはここまで生き残って来られましたから。



――登茂彦さんは、なぜシェフの道を選ばれたのですか?
小さい頃は、フルーツパーラーを継ぎたいと思っていたんですよ。でも、パーラーを閉めちゃって、「あれ~?」って(笑)。


料理人を目指したのは、ここの初代細越シェフの影響です。高校生の頃ここでアルバイトしていたのですが、シェフが格好良かったんですよ!普段はふざけていても、仕事となるとカチッとスイッチが入って。それで「自分も料理やろうかな」って。


――そうだったのですね!料理の修業はどちらでされたんですか?
料理学校に通って、南青山にあった南仏料理のレストラン ラ・クロワゼットで十時亨シェフに師事、3年間修行しました。その後渋谷のフレンチで働き、現地フランスに渡りました。



修行していた南青山のレストランが掲載された誌面


南仏料理をやっていたので、本場を見たくて、プロヴァンス地方のレストランに入りました。その後ブルゴーニュとパリのレストランで働いて、帰国後は銀座のレカンでも十時シェフにお世話になりました。

……と、10年くらい他所で働いていたのですが、28歳の時に父から「いい加減にしろ!いつまで外でやっているんだ」と言われて(笑)。遂にこの店に入りましたね。あれから21年経ちました。


――本場フランスとレカン……すごいですね!21年間でこの街の変化を感じますか?
感じますね。この店に入った当初は証券会社ばかりでしたが、そこに花王の本社が出来てからはお客さんの入りも変わりました。証券会社ばかりの頃は、株が下がると皆さん忙しくなるみたいで、ランチの入りがピタッと止まってしまっていたんです。店の混み具合で株の動きが分かるくらい(笑)。今でも株に変動があると「今日は静かだな」って思いますね。


◆ビストロはまだまだ進化中!メニューの充実に期待

――他のご兄弟のお仕事ぶりを、どのようにご覧になっていますか?
長男は社長として一生懸命営業してくれて、すごく信頼しています。こんなコロナ禍でもフルーツサンドの催事をたくさん取ってきてくれますし。次男は「サン・フルーツ」さんで修行してきたから色んな知識を持っているし、料理に最適なフルーツだけでなく使い方まで提案してくれるので、頼りにしていますね。


兄弟で仕事をしているので、つい物事をハッキリ言ってしまうんですけれど(笑)。それは必要なことですし、お互いのためになっていますね。皆で連携しつつ上手くやっていると思います。




――最高のチームですね!街も良いし、最高のお仕事環境です。
そうですね。この街って住民は少ないけれど、皆の「この街をもっと良くしよう」という意識が強いんですよ。企業の皆さんも熱心に協力して下さっているし、お祭りも盛大だし。こんな風に人のつながりで成り立っている街って、あまり無いんじゃないかな。

以前に比べると外から人が入ってきていて、嬉しいですね。わざわざこのエリアに遊びに来てもらえるように、魅力的な何かができたら良いですよね。


――「ビストロ サブリエ」として何かできることはありますか?
フルーツを使った料理やドリンクを、もっと充実させていきたいですね。スイーツも充実させたいし、フルーツカクテルなんかも出したいんですよ。ワンフロアの店で広々と営業する目標もありますし、ゆくゆくはもっと気楽なスタイルの店もやりたいんです。お客さんと「最近どう?」なんて話せるような。


やりたいことはまだまだあるので、これからもサブリエにご期待いただけると嬉しいです。


◆取材を終えて

前編と後編で、今野3兄弟にお話を伺いました。いかがでしたか?それぞれのお店のファンが増え続けているのは、3兄弟の努力だけでなく、お人柄も大きいのだろうと感じました。次はどんな形でフルーツの魅力を届けていくのか、今後の動きにも注目です!州彦さん、喜彦さん、登茂彦さん、お忙しい中ありがとうございました!




■イマノフルーツファクトリー
東京都中央区日本橋茅場町1-4-7
TEL:03-3666-0747
営業時間:月~金 8:00-19:00、土  10:00-15:00
定休日:日祝


■ビストロ サブリエ(BISTRO SABLIER)
東京都中央区日本橋茅場町1-4-7 2F
TEL:03-3669-7743
営業時間:月~金 11:00-14:30(L.O 14:00)/17:00-23:00(L.O 21:00)
土 17:00-22:00(L.O 20:30)
定休日:日祝、第1土
※緊急事態宣言中は夜休業、18時頃までテイクアウト有。状況によって変更する場合がありますので、お問い合わせの上ご来店ください。

(ライター:安藤小百合


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