2021.08.12

【仕掛け人に聞く】日証館ライトアップが始まりました!

こんにちは!
兜LIVE!編集部です。


近年、K5やKABUTO ONEの8月開業など、再活性化が目覚ましい日本橋兜町・茅場町で、平和不動産株式会社の本社ビルである日証館という歴史ある建物を、より多くの方々に知っていただきたい、という想いでライトアップの実施を企画しました。


そして現在、新型コロナウイルス感染症が猛威を奮っている中、日々頑張っている医療従事者への敬意や感謝を表現し、青色にライトアップされているとのこと。


プロジェクトの仕掛け人である平和不動産株式会社の中嶋萌絵さんにお話をうかがいました。


お話を伺った方はこの方

中嶋萌絵さん

平和不動産株式会社 ビルディング事業部


2018年入社。日証館やKABUTO ONEなど保有物件の管理・運営業務を担当している。


証券業界の歴史を見守った日証館について

ーーとても素敵な外観のビルですね。ビルの概要を教えてください。
ありがとうございます。日証館は中央区日本橋兜町にあり、東京証券取引所の北側、日本橋川沿いに位置しているビルです。
鉄骨鉄筋コンクリート造7階建て、古典様式の3層構造、大小のアーチ窓が並ぶ外観となっています。設計は横河工務所、所長は横河民輔氏です。

1946年(昭和21年)、証券取引所ビルが米軍に接収されたため、約3年間、取引所に代わる集団取引がこの日証館ビルで行われていました。戦後は証券会社も増え、最多で35社の証券会社が入居するビルとして、証券業界の歴史を担ってきました。


日証館正面。アーチが特徴的。


ーー平和不動産株式会社と渋沢栄一氏にはどのような関わりがあるのでしょうか。

平和不動産のある日証館は、東京株式取引所により旧渋沢栄一邸の跡地に1928年(昭和3年)に建設されました。そして平和不動産は、渋沢栄一が日本で初めて設立した「株式取引所」の不動産を受け継いで設立された渋沢栄一のゆかりの会社です。


日証館の1階エントランスには7月まで「赤石」が飾られていたのですが、この「赤石」は、渋沢栄一が縁起石として自身の住まいに置き、生涯大切にしていたものです。平和不動産が渋沢栄一の遺志を受け継ぐべく、この「赤石」を平和不動産が70周年記念事業の一環として譲り受けたこともあり、とても深い関わりがあると言えます。


そしてこの「赤石」は、今後さらに多くの方に縁起石として触れていただけるよう、8月24日に開業する兜町の新たなランドマークとなるKABUTO ONEに設置されます。


日証館1Fエントランスの赤石(8月25日(水)より、KABUTO ONE1階アトリウムで展示予定。)


ーー渋沢栄一ととても縁のある地域なんですね。日証館と地域との関わりがあれば教えてください。

日証館はオフィスビルなのですが、1階エントランスについて、平日は基本的に朝9時から夜19時半まで開放しているので、誰でも自由に見学することができます。現在、大河ドラマで渋沢栄一が取り上げられていることもあり、他社が開催する街歩きツアーの見学場所としての使用や、個人で見学に来られる方も増えています。日証館ビルの周知をきっかけに、周辺地域との連携も深めていければ嬉しいです。



ーー1階は個人でも自由に入れるのですね。知りませんでした! 会社として地域の方との交流などはどのようにしているのでしょうか。

一番目に見えて分かりやすい取り組みとしては、当社が開催するイベントがあげられます。直近では「渋沢栄一・赤石フェスタ」が今年の3月から約1ヶ月間開催されたのですが、このイベントでは当社がある日証館1階での渋沢栄一が遺した歴史的に貴重な資料の展示だけでなく、兜町・茅場町の地域飲食店舗の方にご協力頂き、渋沢栄一の好きだった料理や、渋沢栄一が好んで食べていた食材を使ったオリジナル料理を作成して頂きました。


長寿庵にて渋沢栄一が好きだった茄子とさつまいもの天ぷらがのった天ぷらそば


ーー渋沢栄一・赤石フェスタは、私たちも協力させて頂きました!大河ドラマや新札の肖像にもなるので興味のある方も多かったのはないでしょうか。


[渋沢栄一・赤石フェスタ]味わう!渋沢栄一特別料理 

【渋沢栄一・赤石フェスタ】特別展&渋沢栄一と映え写真を撮る


日証館のライトアップから街も明るく

ーーどのような経緯でライトアップをしようと考えられたのでしょうか。

当社の本社ビルである日証館という歴史ある建物を、より多くの方々に知っていただきたい、という想いでライトアップの実施を企画しました。


8月に開業するKABUTO ONEをはじめ、K5や飲食店舗の開業、更にはFinGATEへのスタートアップ企業誘致などによって、兜町に人が集まってきています。しかし、日証館はオフィステナントの営業が終わると暗く、目立たなくなってしまうので、ライトアップをすることで「何か光っている建物がある」という流れで、街に来ていただいた方に、日証館の存在を知っていただけるのではないかと考えています。


ブルーでライトアップされた日証館


ーーオフィス街なので夜は基本暗いんですね。今回のブルーのライトには何か意味が込められているのでしょうか。

はい、東京都庁や東京タワーなど、各地で実施されているブルーライトアップと同様の趣旨で、新型コロナウイルス対策の最前線でご尽力いただいている、医療従事者の方々への敬意と感謝を込めて、ブルーのライトアップを行っています。

通常期はブルーではなく、シャンパンゴールドのライトアップを実施します。他の色も設定できるので、今後テーマに合わせて実施して行きたいと思っています。


通常時のシャンパンゴールド


その他、グリーンやピンク、レッドとバリエーションがあるとのこと


ーー今回、このプロジェクトを進めることで大変だったことはありますか
日証館をどのように、どの位のライトで照らすのか決定するのが大変でした。多くのテナント様に入居していただいているオフィスビルなので、照明器具を設置したことによるトラブルによりテナント様にご迷惑をお掛けしないよう、どのように照明器具を固定するかの検討はかなり時間をかけました。当社工事チームの方にも知恵をいただきながら、現在の設置方法にたどり着きました。照明の数も複数のイメージ案から検討を行い、最終的にこのようなライトアップになりました。


こだわった照明器具。時間もカラーも全てオンラインで設定もできるとのこと。


様々な人が集まる街・兜町へ

ーー会社として今後の展望をお聞かせください
KABUTO ONEなどの新築ビルができあがる一方で、すぐ近くには日証館やK5など、非常に歴史ある建物が多く残っている点が、兜町の他の街にない魅力だと思っています。ワーカーの方だけでなく、是非多くの方に兜町へ足を運んでいただきたいです。快適なオフィスを提供することでテナント様にご満足いただくだけでなく、兜町を知っていただき、興味を持っていただけるような取り組みを行うことで、兜町の街づくりに貢献できればと思います。



ーー中嶋さん、ありがとうございました。


取材を終えて

最近の兜町は新しいKABUTO ONEや新店舗のオープンが続き、新しい印象ですが、実際街を歩いてみると古くからあるビルや店舗も多く、新旧がうまく融合した街だと感じました。

ライトアップなど新たな試みで昔からある建物が再注目されるようになり、楽しみ方の幅が広がっている気がします。


皆さんも、兜町でお気に入りの場所を見つけてみてください。


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