2019.08.23

第15回『日本酒を蔵元トークとテイスティングで楽しむ会』を開催しました。

こんにちは!

兜LIVE編集部です。


7月27日(土)日本橋茅場町にあるFinGATE KAYABAにて『日本酒を蔵元トークとテイスティングで楽しむ』会を開催しました。


事始めの街と呼ばれている日本橋兜町・茅場町。江戸時代には酒問屋で賑わっていたこの街で、日本各地の蔵元とともに日本酒について学び、味わい、楽しく交流しその魅力を広めるため、毎月1回の頻度でイベントを開催しています。


今回は兵庫県穴粟市(しそうし)から山陽盃酒造の壺阪雄一さんをお招きして、山陽盃酒造でのお酒づくりの取り組みや魅力、それから兵庫県穴粟市についてもお話いただきました。


◆山陽盃酒造について


山陽盃酒造は、1837年(天保8年)に、兵庫県宍粟市で創業されました。1837年は、日本史で習った大塩平八郎の乱が起こった年。とても古い歴史のある酒蔵です。


創業以来、「手間ひま惜しまず、情熱を形に表現する酒造り」をコンセプトにお酒づくりを続けています。また、関西で唯一の鉱山貯蔵庫を持っている酒蔵で、年中温度変化が少なく、お酒の長期貯蔵に適したまさに「天然のセラー」で熟成された「播州一献」は、味に深みとまろやかさがあるのが特徴的だそうです。


また、様々なメディアでも取り上げられていましたが、2018年11月8日にボイラーの排煙用煙突を出火元とする火災が発生しました。その火災で蔵のおよそ半分、1,400平方メートルほどが消失しました。(なかには創業初期に建てられ、兵庫県から景観形成重要建造物の指定を受けている建物も含まれていました。)


ただ、醸造設備がある仕込み蔵や麹室などは大きな被害を免れ、全国の酒販店様、酒造会社様、地酒ファンの方々、そして多くのボランティアの助けもあって、火災発生の2日後には上槽を、4日後には洗米作業を再開できたそうです。


2020年8月には、焼失した土地に新蔵を建設する予定とのことです。




兵庫県宍粟市(しそうし)について

山陽盃酒造のある宍粟市は、兵庫県北西部に位置していて面積は東京都23区とほぼ同じ大きさの市です。揖保乃糸(そうめん)や冬の牡丹鍋、宍粟牛、それから鮎の友釣り発祥の地であることから鮎も名産として有名です。


また、日本酒発祥の地でもあるとのこと。約1300年前に編纂された「播磨風土記」には、酒を醸すと記されており、日本酒のことが書かれた最古の記述ということから、発祥の地と呼ばれています。


◆山陽盃酒造『播州一献』のこだわり

"一献(いっこん)"とは、いっぱいのお酒という意味。

播州一献とは、「播州産の米と水を使った播州のお酒を、一献どうぞ」という意味です。

名前の由来の通り、山陽盃酒造では、地産を大事にしたお酒作りを行なっています。


お米へのこだわり

播州一献では、兵庫県で栽培された4種類の酒米(①兵庫北錦、②兵庫夢錦、③山田錦、④愛山)を使ったお酒づくりを行なっています。


兵庫県では、山田錦や五百万石という酒米を多く使われるケースがあるのですが、兵庫県産もしくは原産の酒米を使ったお酒造りをしたいという想いから、山陽盃酒造では兵庫北錦を中心にお酒作りを行なっています。


お水へのこだわり

硬度3.4の軟水を使用してお酒作りを行なっています。ちなみにこのお水は、兵庫県で一番高い山である『氷ノ山(ひょうのせん)』の伏流水。

お水・酒米ともに兵庫県のものを使用していることから地産への熱い想いを感じます。



瓶燗(びんかん)による火入れ

純米酒以上のものは、全て1本1本瓶詰めした後にお湯につけて火入れをしています。

1本1本火入れをすることで、よりフレッシュ感のある日本酒に仕上がるそうです。手間はかかるのですが、少しでも美味しい日本酒にしたいという想いから、瓶燗による火入れを行なっています。


ちなみに、火入れをすることで、美味しい日本酒の状態をより長く保つことができます。
日本酒には酵素が含まれているので、瓶詰めした後でも発酵が続きます。
そのため、火入れをして日本酒の発酵を止めると、味に安定が生まれることになります。


鉱山貯蔵による長期熟成

長期熟成をさせたいお酒は、山陽盃酒造で借りている明延(あけのべ)鉱山の中に貯蔵しています。

鉱山の温度は年間を通じて13度〜15度で保たれています。この温度はワインセラーと同じ温度なので、天然のワインセラーになっているとのこと。


明延鉱山は、兵庫県中北部、養父市大屋町にあった金属鉱山で、室町時代から銅を産出していました。明治41年には錫銅鉱が発見され、日本一の錫産出量をほこる鉱山でしたが、昭和62年金属不況などにより閉山しました。ちなみに、東大寺の大仏は明延鉱山の銅で鋳造されたと伝わっているそうです。


基本的には、3年以上熟成させるお酒を貯蔵していて、貯蔵しているお酒の中には、20年近く熟成させているお酒もあるそうです。(2019年7月現在)


◆利き酒と味わうお酒を愉しむ


本日は、「①播州一献 純米 超辛口」「②播州一献 純米吟醸 愛山」「③播州一献 純米大吟醸 山田錦」の3種類をテイスティングしました♪


見事正解された方には、壷阪さんから、播州一献特製おちょこのプレゼントもありました!

デザインも可愛らしくてオシャレです♪




テイスティングの後は、味わうお酒でお持ちいただいた

・28BY 播州一献 山廃純米 愛山(鉱山熟成)

・29BY 播州一献 山廃純米 愛山(鉱山熟成)

・30BY 播州一献 山廃純米 愛山

とおつまみも合わせて愉しみました♪




鉱山熟成されているからなのか、飲んでいて本当にとろみがあるな...と感じました。

また、同じ製法で醸してもその年によって味が変わってくることを考えると、日本酒の奥深さを改めて感じました。


最後にみなさんで記念撮影をしてイベントは終了しました!




◆まとめ:会を終えて

山陽盃酒造の壺阪さんのお話をお聞きして、兵庫県産の酒米・お水のみを使用したお酒造りを行なっていることから、兵庫県への愛情をとても強く感じました。


また、鉱山熟成のお話もとても興味深くて、熟成といえばワインだけなのかなと思っていたので、日本酒にも熟成があることにびっくりしました。


壺阪さんが仰っていた20年熟成させた日本酒をぜひ飲んでみたいな...と思いました(笑)


山陽盃酒造






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