2025.01.20
こんにちは!兜LIVE!編集部です!
秋深まる11月10日(日)の午後、茅場町にある東京証券会館屋上のEdible KAYABAEN(エディブル・カヤバエン)で、「Wellbeing with Rosemary 神秘のハーブ~ローズマリークッキーづくり~」と題したイベントが開催されました。
ローズマリーは、食用やアロマテラピーに活用され、また美容や健康への効果も期待できるハーブだそうです。
申し込み受付開始後すぐに満席になったという大人気イベント、当日の様子をレポートします!
週末の茅場町は人通りも少なく、平日とは違った穏やかな空気が漂っています。この日は数日前から雨が心配されていましたが、なんとか持ちこたえ、曇り空がイベントを見守ってくれました。
会場となる東京証券会館に到着したものの、ビル外観からは、屋上菜園があるようにはとても思えません。ところが、ふとビルを見上げて目を凝らすと屋上から緑が顔を覗かせているではありませんか!
ビル屋上からちょこんと緑が覗いています!
わくわくした気持ちでエレベーターに乗り、扉が開くと、そこには都心とは思えない緑豊かなガーデンが広がっていました。
パッションフルーツの実
ザクロの実
ビオトープにはメダカもいます!
KAYABAENに親子連れが続々と集まり、14時にイベントがスタート。参加者は総勢27名。近隣エリアに住むご家族が多いようです。
今回のイベントは、KAYABAENの管理運営を行う平和不動産株式会社と一般社団法人エディブル・スクールヤード・ジャパン(以下ESYJ)が共催し、株式会社三井住友銀行の協力のもと開催とのことで、平和不動産から3名、三井住友銀行から10名の社員の方がスタッフとして参加しています。
イベントのナビゲーターはESYJの土屋泉さん(愛称:ソイちゃん)。まず、子どもたちはKAYABAENの芝生エリアで車座になり、ソイちゃんからこの後の流れや注意事項について案内を受けます。
続いて、参加者全員にミッションが与えられました。配られた封筒の中にローズマリーが入っており「ローズマリーの香りを覚えて、ガーデン内に植えてあるローズマリーを探し出しましょう」、「見つけたらローズマリーの枝を2本収穫して、1本は持ち帰り用、もう1本はソイちゃんに渡してください」というミッションです。子どもたちは我先にとガーデンへ駆け出し、あっという間にローズマリーを見つけ出しました。子どもたちのアンテナ、感度高い!
ミッションの入った封筒が配られます!
ザクロの収穫も体験。初めてザクロを食べる子も多かったようで、酸っぱさに目を丸くして驚く子がいたり、「美味しい!」と目を輝かす子もいたり、皆楽しそうに味わっていました。
真っ赤に熟したザクロをゲット!
ザクロ試食中
ガーデンハイクのQ&Aコーナーで積極的に手を挙げる子どもたち
コンポストで本来ならゴミとして捨てられてしまうものを堆肥化して肥料として循環・活用しています。
ローズマリー収穫のミッションを無事終え、次のステージは、KAYABAENから100mほど離れたところにあるKABEAT(カビート)へと移ります。KABEATは、日本の優れた生産者を応援しながら新たな食を届けることをコンセプトとするこだわりのとてもおしゃれなレストランです。
KABEAT日本生産者食堂
さて、本日のメインイベント、ローズマリークッキーづくりの開始です。KABEATのスタッフが生地を伸ばして型抜きのコツを説明する様子に、子どもたちは身を乗り出し前のめりになって熱心に耳を傾けます。一枚の生地からできるだけ多く枚数が取れるよう、生地の端から型を置く位置と向きを工夫しながら抜いていくのがコツのようです。
いよいよ子どもたちの番です。生地を見つめる子どもたちの表情は真剣そのもの。パズルのピースを置くように熟考しながら型抜きしていく姿が印象的です。
型抜きが終わると、子どもたちは達成感のある晴れやかな表情に。型抜きされたクッキーは次々にオーブンへと運ばれていきます。
クッキーの焼き上がりを待つ間、ローズマリーの観察タイムが設けられました。ソイちゃんのナビゲーションのもと、手元のローズマリーに触れたり眺めたりしながら、色鉛筆やクレヨンを使ってそれぞれ感じたことを絵や文字にしていきます。
続いてはローズマリー入りの消臭芳香剤の作成です。消臭効果を持つ重曹をあらかじめ詰めた小瓶に、ローズマリーの葉をちぎりながら入れて混ぜ、開口部にギンガムチェックの布をかぶせて赤い紐で可愛らしく仕上げます。
可愛くできました!
小瓶に顔を近づけると、布越しにローズマリーの香りがふわっと優しく広がります。簡単にできて実用的でセンスも良い!筆者も材料を用意して家で作ってみようと思いました。
これらのワークを通じて、気がついたことを発表してみましょうとソイちゃんが子どもたちに呼びかけます。
子どもたちは積極的に手を挙げ「葉っぱの裏側がべたべたする(香り成分を含む油分だそうです)」「赤ちゃんの葉っぱが出てきている」など、どんどん発表します。
体験することに加え、子どもが豊かな感性で受け止めたことをさまざまな形でアウトプットする、このような時間はとても大切だと感じました。
さて、ここで集合写真タイムです。
ハイチーズ!パシャッ!
皆さん、とても良い笑顔!
三井住友銀行の安藤亮広(あきひろ)さんからは、今回のイベント協力の背景と想いについてお話がありました。三井住友銀行では全国の拠点で地域に根差した様々な地域貢献活動に取り組んでいます。今回、本店の近くにあるこの地域の子どもたちのために何かできないかということで、平和不動産とのご縁もあってこのイベントが実現したそうです。
三井住友銀行 不動産法人営業部長の安藤亮広(あきひろ)さん
KAYABAENにも通ずるエピソードとして大変興味深かったのが、丸の内にある三井住友銀行東館の屋上でサツマイモ栽培を行っているとのお話。まさか銀行の屋上にサツマイモ畑があるとは!
屋上緑化は、緑によって建物表面が熱を蓄えるのを防ぎ、省エネやヒートアイランド現象の緩和、そして建物保護にも一役買うそう。
社員の皆さんがこの日のために収穫したサツマイモをKABEATでチップスにしてもらって、参加者の皆さんへのお土産として用意したとのお話に、皆さん思わず笑顔がこぼれます。
(筆者も味見させていただきましたが、塩少々とKAYABAENで採れた蜂蜜がかけられ、ほんのり甘じょっぱく、手が止まらなくなりそうな美味しさでした!)
三井住友銀行の皆さんによるサツマイモ収穫の様子です!皆さん素敵な表情!
サツマイモチップスに変身!
そして、なんと!KAYABAENで採れた大変貴重な蜂蜜「KABUKAYAはちみつ」もお土産としていただけるとのこと。
ソイちゃんが手にしているのがKABUKAYAはちみつです。
ここでソイちゃんからクイズです!ミツバチが生涯で作る蜂蜜はどのくらいの量でしょう?子どもたちは勢いよく手を挙げ、ティースプーン1杯!と即答。
子どもたちの知識の豊富さと、蜂蜜がいかに貴重なものであるかに、ひたすら驚く筆者。
花とミツバチの恵みに感謝して、蜂蜜をもっと大切にいただきたいと思いました。
子どもたちへのサツマイモチップスのプレゼントとともに、何やら三井住友銀行カラーのポケットガイドが配られました。そこにはAQUAPONICS(アクアポニックス)と見慣れない単語が。
三井住友銀行の坂口昂(たかし)さんが解説してくれます。
「アクアポニックス」とは「水産養殖(aquaculture)」と「水耕栽培(hydroponics)」を組み合わせた造語で、魚と植物を同じシステムの中で育てる次世代の農業のこと。そして、なんと三井住友銀行の東館1階ロビーでは、このアクアポニックスの設備を導入し、チョウザメの養殖とレタスの水耕栽培を行っているというではありませんか。
三井住友銀行 不動産法人営業部部長代理の坂口昂さんから解説!
「アクアポニックス」の仕組みはこうです。
まず、チョウザメの泳ぐ水槽の水に含まれる排せつ物を生物ろ過装置でバクテリアが分解。植物が栄養として吸収できる形にして、それを水耕栽培の植物たちが吸収してすくすく成長しながら水を浄化。その水がチョウザメの水槽へと循環し、チョウザメは常にきれいな水の中で元気に育つ。この一連の流れがループする仕組みです。
魚が植物を育て、植物が魚を育て、水は浄化されて循環するため排水はほとんど出ません。
まるで小さな地球がそこにあるかのようです。
環境負荷を軽減しながら持続可能な農業と水産業の統合を目指すという、とても夢のある取り組み、これは是非一度見に行ってみたいですね!参加者の皆さんも興味津々の様子でした。
日本を代表する大企業による未来を見すえた取り組みの一端に触れることで、子どもたちは学びを一層深めたようでした。
さて、楽しく学びのあるアクティビティの数々を終えて、お待ちかねの食事タイムです。できたてのローズマリーチキンやローズマリーポテト、ローズマリーピザと、ローズマリー三昧の軽食がずらりと並びます(軽食と言いつつボリューム満点です!)。ソイちゃんの号令で一斉に「いただきます」を言ってから、参加者の皆さん笑顔で美味しい食事を堪能しました。楽しかった今日のできごとを振り返りながら会話も一層弾んだようです。
会話が弾みます!
クッキーも美味しそうな色に焼き上がりました!
最後にソイちゃんの号令で全員で「ごちそうさま」を言って、イベントは和やかな雰囲気の中終了しました。
ごちそうさまでした!
今回のイベント、中身が濃くとても充実したプログラムでした。本レポートに書ききれなかった部分もありますが、最初から最後まで、地域が一体となって子どもたちを見守りながら育てて行こうという温かい想いにあふれた、とても素敵なイベントでした。子どもたちが心から安心して楽しんでいる様子がとても印象的でした!
運営の皆さん、イベントのご準備大変だったと思います。お疲れ様でした!そしてありがとうございました!
Edible KAYABAENでは、子どもたちを対象とした継続的な学びの場として「食と農・子どもたちの自然学校 アーススコーレ」を定期的に開催しています。これは、「東京中の屋上に生物多様性にあふれる場所を作る」ことを想像しながら、そのプロセスを子どもたちに体験してもらうための取り組みです。小学生を対象に、植物や生き物を通じて環境を学ぶプログラム。興味がある方は、ぜひ下のリンクから詳細をご覧ください。
また、これ以外にも子どもや大人を対象にした自然と触れ合う楽しいイベントが企画されています。ぜひEdible KAYABAEN のホームページで情報をチェックしてくださいね。
(取材・撮影:柴田幸恵)
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