イベントレポート

2020.06.02

【仕掛け人に聞く】ベンチャー企業向けオフィス・シリーズ「FinGATE」がつ くる、この街の未来とは

こんにちは!
兜LIVE!編集部です。


近年、K5の開業やKABUTO ONEの着工など、再活性化が目覚ましい日本橋兜町・茅場町。この再活性化プロジェクトの一環として、独立系資産運用会社や金融系ベンチャー企業向けのオフィス・シリーズ「FinGATE」が続々と開設されています。どうやらこの施設、この街に新しい風を入れる重要な役割を担っているそうなのですが、そこにはどのような背景や思いがあるのでしょうか。プロジェクトの仕掛け人である「平和不動産」の荒さんにお話をうかがいました。


お話をうかがったのはこの方
荒 大樹さん

平和不動産株式会社 開発推進部(企画) 主任



2014年入社。不動産売買及びファンド運営等のアセットマネジメント業務を経験後、2016年より現部署。平和不動産が推進する兜町・茅場町再活性化事業において、金融系ベンチャー企業のエコシステム形成に従事。2017年にFinGATE事業を立ち上げ。



日本橋兜町・茅場町を見守り続ける「平和不動産」

―――平和不動産はどのような会社ですか?


日本橋兜町に本社を構える、不動産デベロッパーです。平和不動産は特殊な不動産会社で、もともとは東京証券取引所と同じ会社だったんです。東京証券取引所の不動産などを取り扱う管財部門が独立し、1947年(昭和22年)に誕生したのが平和不動産です。


当時のゆかりから、全国(東京・大阪・名古屋・福岡)の証券取引所の不動産を所有・管理しており、証券業界や金融業界の方々と非常に深いつながりを持った不動産屋である当社は、「証券取引所の大家さん」とも言われています。


平和不動産株式会社本店外観


―――それは特徴的ですね!荒さんは、平和不動産のどんなところに惹かれて入社したんですか?


就活の面接を思い出す質問ですね(笑)。


学生時代に1人でオーストラリアのキャンベラに行く機会があったのですが、当時の私には、すごく面白い街だと感じました。住むエリア、働くエリア、公園エリア等の様に用途ごとに綺麗に区画整備されており、1日かからずに街の地理を覚えられます。


そんな街の成り立ちを、当時泊まっていたユースホステルでたまたま同部屋で宿泊していた、とある大学教授から伺いまして、「人の生活の場を、描いてつくるのって、ものすごく面白そうだな!」と思ったんです。




そのような経験から、「世の中や人の流れを変える仕事をしたい」と思い、街づくりをやっている不動産デベロッパーに焦点を絞って就職活動をしました。


中でも平和不動産は、社員数110名前後と決して大きくない規模でありながら、日本橋兜町・茅場町の街自体を大きく変えて、再活性化しようとしている点が魅力的だと感じました。「街づくりがしたい自分なら、その一助になれるんじゃないか」と、入社を決めました。



この街に賑わいを取り戻すために

―――まさにやりたかったことを仕事にできているんですね!平和不動産が推進する「日本橋兜町・茅場町 再活性化プロジェクト」は、どのような経緯で発足したのでしょうか。


かつて兜町の中心は、東京証券取引所でした。当時の取引所には、株式の売買取引をおこなう「立会場(たちあいじょう)」というスペースがあり、そこに行かないと株の売買ができなかったんですね。そのため、東京証券取引所のまわりには50社以上の証券会社がありました。


当時の立会場の風景(出典:国会図書館)


しかし、1980年代から売買システムの導入が進み、インターネットで取引できるようになったことで、1999年に立会場は閉場されました。これに伴い、兜町にオフィスを構えていた証券会社の数は減少していき、徐々にこの街の賑わいが失われてきてしまいました。


こうした状況を踏まえ、兜町が持っている歴史という財産を再開発の中に取り入れ、今一度、街の賑わいを取り戻すべく、「日本橋兜町・茅場町 再活性化プロジェクト」を発足しました。


―――この街を見守り続けてきた平和不動産だからこそできるプロジェクトですね!この7年間では、どんなことをおこなってきたのでしょうか。


街づくりは10年20年単位で年月がかかるものなので、すぐに目に見える何かができるというものではありませんでした。2021年の夏ごろに開業予定の新築ビル「KABUTO ONE」は、2014年から始まった再開発プロジェクト第1弾の事業です。


本プロジェクトの着工前に、いくつか先行的に取り組んできたものがあります。


まず、2016年にオープンした「CAFE SALVADOR BUSINESS SALON」です。一般的なカフェ機能に加え、コワーキングやビジネスミーティング、セミナー等に使えるサロン機能を整備したカフェで、これまで街に訪れる機会の少なかった、資産運用会社や金融系ベンチャー企業の方々が集うことのできる場・雰囲気を醸成して、街に新しい風を入れるよう試みました。


次に「FinGATE」事業です。新興資産運用会社や金融系ベンチャー企業など、私たちが「将来この街に来て欲しい」と考えているベンチャー企業の人々に向けたオフィススペースです。


「FinGATE」は、2017年9月の「FinGATE KAYABA」開設以降、入居希望社の増加に併せて、2018年4月には「FinGATE KABUTO」、2018年7月には「FinGATE BASE」と、計3施設を開設しました。


FinGATE KAYABA


FinGATE KABUTO


FinGATE BASE


そして、2020年4月1日には4つ目の施設「FinGATE TERRACE」を新たに開設しました。現時点では、4施設合計で40社以上の企業様にご入居いただいています。


次世代金融企業の誕生と成長を「FinGATE」がサポート

―――なぜFinGATEは金融系ベンチャー企業をターゲットにしているのですか?


当社の街づくりコンセプトは、「人が集い、投資と成長が生まれる街」です。


具体的な施策は3つです。
1つ目は「資産運用を中心とした金融ベンチャー企業等の発展支援」。
2つ目が「投資家と企業の対話・交流促進拠点の整備」。
3つ目は「主として外国人をターゲットとした高度金融人材の受入促進」。


FinGATEはこれらのうち、「資産運用を中心とした金融ベンチャー企業等の発展支援」を目的とした取り組みです。日本の資産運用ビジネスがグローバルで競争力を持つためには、イノベーションが必要不可欠です。そこで兜町・茅場町地区を、金融系ベンチャー企業の集積地にすることで、こうした企業の成長・発展に貢献するとともに、イノベーションの加速を促したいと考えています。



FinGATEマップ


―――「金融の街」という軸はそのままキープしながら、再活性化していきたいわけですね。すると、FinGATEは“レンタルオフィス”という認識でOKですか?


ただのレンタルオフィスではなく、金融系ベンチャー企業の起業や成長の支援をする“インキュベーション施設”なんです。


活動するためのオフィスの提供はもちろん、オフィスに入ったあとの成長支援もしていることが最大の特長ですね。


まずオフィスについてですが、FinGATEはコワーキング施設やシェアオフィスの発想とは違い、すべて個室・警備付きと、高い質のセキュリティを完備しています。
金融に関わる事業者は、免許取得や届け出をする際に一定のセキュリティレベルを求められるので、それを十分クリアできる条件のオフィスを提供してます。


次に成長支援についてですが、FinGATEは会社の設立から金融商品取引業の登録までを一括でサポートしています。金融事業を立ち上げる時って、どこに相談していいか分からないし、金融業の登録には1年間以上の月日がかかることもざらです。


そこでFinGATEは、立ち上げノウハウを持っているコンサルティング企業と提携することで、その苦労を軽減させるサポートをしています。


また、金融系ベンチャー企業が新サービスを開始するには、様々なミドルバックサービスが必要であり、コストがかかります。FinGATEは、それらのサービスを提供している企業とパートナー関係を組むことで、スムーズに導入できるようサポートしています。


力を貸して下さっているパートナー企業は、東京証券取引所さん、野村総合研究所さん、日本資産運用基盤グループさんなどです。このように、資産運用に特化したパートナーと提携している点も、FinGATEの特長ですね。あとは、人の紹介を含めたマッチング業務もおこなっています。


―――高セキュリティオフィスの提供から、成長支援まで……!入居者様からは、かなり喜ばれているのではないですか?

おかげさまで、多くの喜びの声が届いています。施設やサービスだけでなく、近くに同じような仕事をしている先輩や仲間が居ることで、気軽に相談できたり、情報を聞けたりすることもありがたいそうです。そういったコミュニティがあることで、孤独や不安を感じずに、安心して成長することができているようです。


事業拡大をサポートする最新施設「FinGATE TERRACE」

―――2020年4月にオープンした「FinGATE TERRACE」は、これまでの3施設と違う点はありますか?


これまでの3施設は、立ち上げ初期の企業を対象としたオフィスでしたが、最新のFinGATE TERRACEはサービスを拡大を目指す次のステップの企業に向けたオフィスです。


FinGATE TERRACE


今までの3施設は、小割の専用部屋とは別で共用会議室や共用スペースがある設計ですが、企業が成長すると、自社専用の会議室や共用部も必要になるので、新たに広いオフィスを借りることになるんですね。


5人から10人用の小規模オフィスであれば、内装や会議室があらかじめセットアップされていることが普通ですが、それ以上の規模でセットアップされているオフィスというのはほとんどありません。通常オフィス移転する場合、まずオフィスを借りて、そこから会議室をつくったり、床をオシャレにしてみたりと、ゼロから自分で整えなければならない。さらに、退去するときは元の状態に戻さなくてはいけないので、相当なコストがかかります。


そのようなコスト面に加え、お客様から「移転後のレイアウトやデザインを考えるのが手間なので、ステップアップ後のオフィスも準備してくれるとありがたい」と要望をいただきました。その声を受け入れて、内装や会議室をセットアップした状態で貸出しているのがFinGATE TERRACEです。


事業立ち上げから、サービス提供後まで、様々なステージに適したオフィスを提供しております。



 FinGATE TERRACE


―――気兼ねなくどんどん成長できますね!現時点の入居具合と、入居者の反応はいかがでしょうか。


最大17社入居できる中、すでに12~13社様にご入居いただいています。


「FinGATE」は現在約40社が入居しており、「他の入居者さんと話す中で、同じようなビジネスをしている仲間や、連携できそうな仲間が見つかった」といった声も頂いております。


FinGATE TERRACE


―――それは嬉しいですね!これからどんな企業に使って欲しいでしょうか。そして、どんな施設に育って欲しいでしょうか。


メインは、資産運用を中心とした金融系ベンチャー企業がターゲットではありますが、それ以外のスタートアップ企業にも入居していただければ、色んな混ざり合いが生まれて楽しいですよね。


FinGATE TERRACEは、ビルの屋外スペースに街に開放されたテラス席をつくる予定なんです。街の人々がふらっと座れたり、事業者が集まって語り合ったりできる空間をつくっていきたい思っております。街に開かれた新たな交流を生む施設に育ってほしいですね。


オフィスに閉じこもって仕事をするのも良いですが、街を歩いて様々な人に出会って、新しいサービスや成長のきっかけをつくっていただけたら嬉しいですね。

 

 FinGATE TERRACE


新たに集う人々が、この街の未来をつくる

―――最後に、今後の展望を教えてください。


今この街には、資産運用・金融関連の方々が多く集まってきていますが、CAFE SALVADOR BUSINESS SALONや、K5のブルックリンブルワリーなど、飲食店舗も増えてきており、今後もいくつかの店舗オープンが決定しているので、ぜひ色んな方に来ていただきたいですね。


以前よりこの街に居る方々や、新たに来たベンチャー企業の方々が混ざり合って、そこから生まれるコミュニティをきっかけに、より多くの人々がこの街に来てくれる……。そんな仕掛けを、これからたくさん打って行き、兜町の街づくりで貢献していくことができればと思います。


 

FinGATE KAYABAのイベントスペースにて


取材を終えて

平和不動産の荒さんに、この街と「FinGATE」についてたっぷりお話しいただきました。いかがでしたか?


再開発がどんどん進んでいる日本橋兜町・茅場町エリアは、昔の人が見たらびっくりするくらい賑わっていくことでしょう。


皆さんもぜひ足を運んで、このエリアの歴史と今、そして未来を感じてみて下さいね。
荒さん、ありがとうございました!


FinGATE ホームページ
平和不動産株式会社 公式サイ


(ライター:安藤小百合 )


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