イベントレポート

2020.12.10

【子どもたちの成長と共に歩んできた阪本小学校】小川 優校長先生に取材して参りました!

こんにちは!

兜LIVE!編集部です。


今年8月、日本橋兜町にある中央区立阪本小学校に新校舎が竣工されたということで、校長先生の小川 優さんに取材して参りました!


阪本小学校は、明治6年に「第一大学区 第一中学校 第一番官立小学 阪本学校」として創立され、日本で唯一の「一、一、一」を冠したという開校147年の伝統ある「一番学校」です。

歴史と革新が折り重なる阪本小学校の魅力をレポートいたします!


◆茅場町・兜町とのかかわり

――今回移転された新校舎の「こだわり」の特徴や旧校舎から引き継いでいるもの、街の人に知ってほしい点がありましたらお聞かせください。

来校してまず目に留まる”伝統ある風格の正面玄関の扉”は、旧校舎のイメージから引き継いでいます。
エントランスホールには、「フーコーの振子」が地域の方から寄贈され、『新たな発見や構想力、知性』を子どもたちに育んでほしいという想いが込められています。

毎朝、校長先生自らが振り子を振り出だして動かしていらっしゃるそうです。



六階屋上に、全天候型の校庭が整備されているのも、非常に画期的だと思います。



また、新校舎には子どもたちと芸術家がコラボした3箇所のアートワークがあります。

①西側正門玄関に飾られた「もみじ川」の陶板レリーフ
もみじ川は校歌にも歌われ、現在は首都高速道路で埋め立てられていますが、その前までは学校の前を流れていました。各もみじの中には判子の模様が押されています。


②東側玄関前に設置されている「つながる輪」と名付けられた金属レリーフ
昨年度の全校児童が未来に向かって手を取り合っているデザイン。一人一体未来の自分を製作し、順次卒業していく児童が、校舎に戻ってきた時に地域の方のつながりを感じてもらえるようにと制作しました。

 

③五階ランチルームのステンドグラス
「地域のお仕事・山王祭」がテーマ。この地域ならではの、証券マンのステンドグラスが象徴的です。

 

外観はどっしりとした重厚感のある佇まいですが、内観は鮮やかなカラーが使用されているのが印象的でした。
 

フロアそれぞれに萌葱色(もえぎいろ)・山吹色(やまぶきいろ)といったカラーが使用されたり、青海波(せいがいは)・亀甲(きっこう)といった日本の伝統柄が彩られていて、色彩感覚が豊かになりそうだと感じました。


 

――兜町・茅場町は”ことはじめの街”といわれており、阪本小学校も、明治時代初期に全国に先駆けて開校されています。学校の沿革、歴史で特筆すべき点についてお聞かせください。

日本経済の中心ともいえる兜町・茅場町ならではの環境を活かして、子どもたちの成長とともに地域も発展してきました。文豪谷崎潤一郎、歌舞伎役者市川左団次、地震学者大森房吉ほか数々の著名人を輩出しています。

旧校舎は、関東大震災の復興計画に基づいて建てられました。これを引き継ぎ、新校舎も災害安全性と避難所機能を確保し、体育館が避難所となるなど、防災拠点としての役割も担っています。


――旧校舎解体前には、「追悼と感謝の集い」が開催され、卒業生4~500名がいらっしゃったそうですね。子どもたちが地域と係る機会はどのようなものがあるのでしょうか。

五階にある歴史資料室も、兜町町会、茅場町一丁目町会、茅場町二・三丁目町会など地域の皆さんと一緒に整理して作り上げました。こちらの資料室は、どなたでも見ていただくことが可能になっています。(学校の対応状況によります)

その他にも、日枝神社の山王祭で山車をひいたり、町会のお祭りで神輿を担いだりしています。また、トライ&チャレンジ(地域清掃)の活動もあります。地域の伝統的な行事に参加することで、子どもたちが自分の住む地域のことを深く知ることで郷土愛が育まれていきそうですね。


地域住民の方々と何度も集まって資料室の整理を行ったということからも、地域に長く愛され続けているのだなと感じます。


――周辺には多くの証券会社がありますが、企業とのタイアップなどはあるのでしょうか?

今年はコロナ禍でもあり、5・6年生がオンラインで東京証券取引所さんから「金融の基本」について学びました。また5年生は、社会科の体験学習として株式会社プレナスさんの屋上で育てていた稲刈りをさせていただきました。
その他、毎年シャングリラホテルさんのスタッフ約10名からは「おもてなしとは、どういったものなのか?」を教えていただいています。現場の最前線で活躍する方の言葉には、重みがあります。その経験は、今後のグローバル社会を生きるためにもいかせるのではないかと考えています。


また先日はオリンピックメダリスト(柔道)を講師として招き、夢や希望に向かって努力することの大切さを子どもたちに伝えていただきました。


*株式会社プレナスの「あおぞら田んぼプロジェクト」についてはこちら



◆「特色ある教育活動」として掲げている3つの教育(伝統文化理解教育・キャリア教育・ICT活用)について

――伝統文化理解教育では、どのような取り組みをされていますか?

邦楽教室があり、和楽器の学習に取り組んでいます。
「百聞は一見にしかず」といいますが、外部講師の方から年間を通してご指導いただき、日本の伝統文化に触れる機会を大切にしています。
11月14日に行われた落成式では、ベートーベンの「喜びの歌」を演奏させていただきました。


――キャリア教育では、どういった内容・ポイントを教えていますか?また、子どもたちの反応はどうですか?

「コレド阪本」と呼んでいる金融教育を行っています。
証券の街・兜町にある小学校として、「ものを売るためにはどうしたらよいのか」といった具体的なお金の流れの基本を学ぶ授業です。
上級生を中心に仕入れから原価を考えて商品の値段をつけて販売し、保護者・全校生がお客さんとなって行う全校児童参加型行事です。企業側、消費者側それぞれの立場から学ぶことができます。

兜町にある小学校ならではの教育活動ですね。
先ほどお話のあった、東京証券取引所さんやシャングリラホテルさんから学んだ経済・接客の知識を、実践を通じて楽しみながら習熟することができますね!


――ICT活用について教えて下さい。子どもたちにどのような能力を伸ばしてほしいですか?

新型コロナウイルスの影響を受けて、教育の世界においてもICT化が加速しました。
ICT活用し、子どもたちに学びの機会を提供することは非常に大切です。

阪本小では昨年まで東京都教育委員会からプログラミング教育指定校として、さらに今年度は区の「端末一人一台GIGA構想」に向けての推進校の一つとなっています。

生活の中に溢れる情報の中から価値ある情報を取捨選択する力、物事の道筋を立てて考える論理的思考、自分の言葉で適切に表現するスキルなどを身に付けてほしいと考えています。将来どのような職業に就くとしても、普遍的に求められる力だと思います。


――「一番校」でありながらも、新しいものにも果敢に挑戦する姿勢が素晴らしいですね。プログラミングや英語の授業は担任の先生が行っているのですか?

基本的には学級担任が中心となりますが、プログラミングはICT支援員、英語は外国人英語指導講師(ALT)のご協力をいただき、国際理解とコミュニケーション能力の育成を図っています。子どもたちは柔軟で吸収力が高いため、物事のベースとなる多くの学びの機会を設けたいです。
教育委員会では指導体制を整備し、実現するために努力するのが教育現場でのミッションだと思っています。

様々な関わりや経験を通じて、子どもたちの将来の可能性を広げていきたいと思います。
積極的に環境に溶け込みながら、新しいものをどんどん吸収していってほしいですね!


――新たな取り組みとして、令和3年4月より中央区初となる公私連携幼保連携型認定こども園「阪本こども園」が開設するとのことですが、期待されていることをお聞かせください。

学校とはエントランスから区分され、認定こども園が併設され、学校法人渋谷教育学園によって運営されることになっています。これにより、12歳まで同じ施設で学び・成長する子どもが現れることも考えられます。
阪本小学校では、日常的に縦割り班活動を行って異年齢交流を進めていますが、こども園ともしっかり連携をとっていきたいと思っています。


◆今後の展望について

――新型コロナウイルスの影響により社会の在り方が大きく変化していますが、阪本小学校の児童や保護者に対して、お伝えしたいメッセージがあれば、お聞かせください。

新型コロナウイルス休校措置中は、ICTを活用し、オンラインで朝の会を行っていました。

未だ一定数の感染者数が報告されていますが、少しずつ日常を取り戻しつつあります。

「新しい生活様式」や適切な感染防止策が講じられることを前提に、年間行事を再開していきたいと考えています。
やはり、『子どもたちの心の成長には、人間同士の交流が必要不可欠』であるからです。


それほど遠くない未来に、タブレット端末が子どもたちにとって鉛筆やノートと同様に、身近なマストアイテムになるかもしれません。対面とICT機器の併用という、これからの時代の新しい学びのスタイルへの可能性に、期待が高まります!


――新校舎に続く坂本町公園の再整備や再開発を通じて新たに変わりゆく「兜町・茅場町」に対しての想いをお聞かせください。

新しい坂本町公園は新校舎との一体感のある景観で、個人的には「第二の校庭」のような存在です。都会の真ん中のオフィス街にあるとは思えない、緑豊かな公園が完成する予定です。

公園の再整備に向けて、地域の方々が大学講師を招いてのワークショップを行い、地域・行政・児童と力を合わせて意見を出し合って、協働で進められてきました。
子どもたちの元気な様子が溢れ出し、オフィスで働く方々の癒やしと安らぎを与えられるような場所になることを願っています。


防災時の環境インフラであり、地域コミュニティを育む場として沢山の方の想いが詰まった公園が誕生するのが楽しみですね!
変わりゆく街並みと、変わらぬ地域の人々の温かさ。
これからも兜町は、子どもたちの成長とともに発展し続けていきます。


小川校長先生、たくさんのお話をありがとうございました。


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