2025.06.25
2024年9月に、渋沢栄一邸宅跡地に建てられた歴史資産である「日証館」にオープンしたギャラリーショップ併設のネイルサロン「HANDWORK」。サロンを兜町に構えたいきさつや、サロンの空間についての想いについて、オーナーでネイリストのjoheeさんにお話を聞きました。
──まずは「HANDWORK」のコンセプトについて教えて下さい。
「人と人が繋がり、経験を共有しコミュニケーションが生まれ個々が豊かになる場」「手仕事を通して人々を豊かにしたい」という想いからHANDWORKという名前をつけました。
HANDWORKはもともと表参道で2022年にオープンし、多くのお客様に利用いただいていましたが、2024年の9月にここ兜町に移転してきたんです。
──表参道から兜町というと、なんだかちょっと不思議な感じがします。
そうですね。移転を考えたのは、お客様にもっとゆっくりした時間を過ごしてほしいと思ったからなんです。表参道はたしかに便利でしたが、人通りが多く、どこも混んでいて忙しない。お客様も、買い物や美容院など、「こなすべき用事」のひとつとして施術を受けに来る方が多かったんです。ネイルって、月1回の楽しみな時間だと思っていて。だからこそ、もっとゆっくり特別な時間を過ごしてほしいなと思っていました。
そんなときに、兜町の街開発に携わっているというお客様と出会って、兜町への移転の話が進んでいきました。
──joheeさんご自身は、兜町という街にどんなイメージを持たれていましたか?
実は自宅がエリア的に兜町と近いので、休みの日などには兜町に遊びに来たりしていました。K5ができたときには宿泊したり、カフェを巡ったり。表参道とは違って、人通りもそこまで多くなく、道も広い。ゆっくりとした時間が流れているなと感じていました。一方で、新しいお店ができたりお店が入れ替わったりと、開発による新陳代謝が進んでいることも実感しています。
──なるほど。時間がゆっくり流れる兜町を知っていたから、この場所を選んだんですね。
はい。お店の内装は、もともとあった壁と床を剝がしただけで、あえて塗装をしていません。この建物のもつ重厚感は、付け焼き刃で作ろうと思っても作れないものだなと思って。天井も高いので、圧迫感がなくて気に入っています。椅子やチェストなどもヴィンテージのものを合わせています。
──ネイルサロンと言うと机が整然と並んでいるイメージです。そう考えると、HANDWORKは「ネイルサロンっぽくない」っていうか。ネイルデザインにも影響はありますか?
そうなんです。余白を作るということを意識しています。ネイルサロンというとジェルネイルの商材などがずらりと並んでいるのがふつうですが、HANDWORKではあえて出していません。席の配置にも気を配っていて、施術中にふと目を離したときに他のお客さんや商材ではなく、味のある壁や、外の風景を楽しんでもらえるようにしています。せっかく来てくださるのだから、圧迫感を感じず、リラックスしていただけるとうれしいです。
私たちは肌がきれいに見えるナチュラルなカラーを使い、個性がありながらも統一感のあるデザインを提案しています。デザインは美術館や建物の壁・床材などからインスピレーションを得ることが多いですね。ここのスタジオは余計なものが目に入ってこないので、作業に集中できる部分はあります。
──お客さんはどのような方が多いですか?
ありがたいことに、表参道時代からのお客さんにも多く来ていただいています。もちろんInstagramを見て足を運んでくれる方もいらっしゃいます。これからは、兜町で働いている方たちにも気軽に来ていただけたら嬉しいですね。
──HANDWORKにはギャラリー・イベントスペースがあるというのが特徴的ですよね。
そうですね。毎月1回、店舗の入口部分で展示をおこなったり、イベントを開催したりしています。この前は3つのブランドが集まり、さまざまな国のヴィンテージアイテムや雑貨を提案するというポップアップイベントをおこないました。出展者は個人で活動しているアーティストらに声をかけています。さまざまな人が集まることで、人のつながりができていくのが魅力です。もちろん、ネイルサロンを利用しない方でも出入り自由なので、ぜひ立ち寄ってみてくださいね。
──施術を受ける方も、ネイルだけでない楽しみができていいですね。
これまで表参道に通ってくれていたお客様からすると、兜町はやっぱりアクセスが悪くなっている場合も多いんです。だからこそ、ここに「来てもらう意味」を作りたい、というのは常に考えていますね。お客様に近辺のカフェやショップをおすすめすることもあります。K5に入っているMRUYAMAのランチや、Bakery bankのカレーパンなどをおすすめすることが多いですね。みなさん喜んでくださいます。私自身はビストロのNekiにオープン当初から行っていますね。
──兜町という街に期待することはありますか?
新参者の私が言うのもなんですが(笑)、兜町って、素敵な飲食店は多いと思うんです。ただ、ファッションやビューティーがもっと充実したらいいなと思ったりします。気軽に入れるショップとか、サウナとか。
──最後に、joheeさんがHANDWORKを運営していて、いちばんやりがいを感じるのはどんなポイントでしょうか?
ネイルの技術は大前提として、そのうえでお客様と「会う」ことですね。ふつうに生活していると、月1回会うって、なかなかの頻度ですよね。忙しい毎日の中で、月1回時間を捻出してきてくれることは当たり前のことではないと思うんです。私にとってはネイルはオプションなんです。人とのつながりにいちばんの価値を感じます。施術の際にお話をして、後に連絡をくれたり、お客様との密な関係を築けたときに喜びを感じます。だからこそ、私も技術以上の付加価値を提供していけたらと思っています。
■店舗紹介
HANDWORKS
東京都中央区兜町1-10 日証館
9:00~21:00(最終受付19:00)
gallery & shop @handwork_tokyo
nail studio @handwork_nail_tokyo
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