イベントレポート

2019.12.19

新たな資産運用の形を発信する「アクティブ投資ナイト」に参加してきました!

こんにちは!
兜LIVE!編集部です。


2019年11月29日(金)、日本橋茅場町にあるFinGATE KAYABAにて「アクティブ投資ナイト」が開催されました。 


投資第一人者を招いた本イベントは、株式アクティブ運用の神髄やグローバル運用と積立投資、オルタナティブ運用のフロンティアという全3部構成で実施。この記事では当日のイベントの様子をレポートします!


写真提供:クラウドクレジット


◆「アクティブ投資ナイト」とは?



近年、日本では「貯蓄から資産形成へ」の流れが定着しつつあります。その中で、まずインデックス運用に一極的な注目が集まっていますが、実際にはベンチマーク(インデックス)を上回るパフォーマンスを上げることを目指すアクティブ運用をはじめ多様な運用方法があります。

「アクティブ投資ナイト」は、多様な運用方法を実践する第一人者を招き、多様な運用方法の意義、個人投資家の方にとって多様な運用方法で資産形成、資産運用および投資を行うことの意味を社会に発信するイベントとして開催。全3部構成でテーマに合わせたトークが行われました。
 

最初に主催者であるクラウドクレジット株式会社 代表取締役社長の杉山智行氏が挨拶。「今回お集まりいただいた方は皆ご招待になり、ご登壇いただきたいくらい投資業界の一線を走る素晴らしい方ばかりです。ゼロベースから始めた初開催のイベントになりますので、ぜひ質問やアンケートなどでご意見をいただけたらと思っております」と呼びかけました。


第1部:株式アクティブ運用の神髄 


第1部ではコモンズ投信株式会社 代表取締役社長兼最高運用責任者の伊井哲朗氏と、アセットマネジメントOne株式会社 運用本部株式運用グループ国内株式担当ファンドマネジャーの岩谷渉平氏の2名が登壇し、「株式アクティブ運用の神髄」というテーマでトーク。

「全世界でみると約3%の経済成長をしており、それを享受するために私も手数料の安い全世界株のインデックスファンドに積立投資をしています。しかしインデックス投資以外にも今後有効な方法があるのではないかということでお二方にお話を聞こうと思います」というモデレーターでロボット投信株式会社 代表取締役社長の野口哲氏による挨拶からスタートしました。

スライドに資料を投影しながら「日本株の値動き」について岩谷さんに質問。銀行でキャリアをスタートされた岩谷さんは「入社当時、先輩から日本株は投資をしてはしょうがない、と教えられましたが本当に日本はホープレスな国なのか?今まで当たり前と思っていたこと、教科書とは違う視点があるということをこのイベントでは伝えていきたいです」と意気込みを語りました。

続いて平成の日経平均株価の推移の資料が投影され、伊井さんに平成がどういう時代だったかを質問。

「下落率−26%は企業の経営者から見ると難しい時代だったと思います。平成の前半はバブル崩壊で資金繰りが非常に難しい時代になり日経平均株価は下がり、市場からの資本調達が難しくデフレも長い間続き、モノを作っても値段が下がってしまうという時代でした。一方、グローバル化が急速に進み、大企業に限らず様々な企業が海外に進出した時代でもあります。さらに、インターネットが出てきたのでデジタル化も加速度的に進みました。企業を取り巻く環境はまさに激動の時代だったわけです。」と平成の時代を振り返りました。

 

そんな経済状況の停滞とグローバル化、インターネットが普及した平成を読み解く資料としてもう一つ投影されたのが、平成の時代に企業価値を上げた会社はどれだけあったかという資料。


「この資料で言えるのは日経平均株価が下がり61%の企業は企業価値が毀損していますが、約5%の企業は時価総額を5倍以上にしています。こういう企業をしっかりと見つける事がアクティブ投資では大事です。本当にいい企業に小数厳選で投資して長く持つこと。短期的にタイミングを捉えての売買は、プロでもAIでも勝ち続けることは困難です」とアクティブ投資のポイントについて伊井氏が紹介してくださいました。

その後、モデレーターの野口氏からお二人へ「投資哲学と投資スタイルについて教えてください」という質問が。

「良い会社の株を長く持つ事、それを安く買う事が大事です。私たちはエントリーのプライスには気をつけています。上場前後では、会社をめぐる環境が大きく変化することから、経営者も心が揺れ動く事があります。どうやれば成長できるか一緒に考えサポートするようにしています」と岩谷氏。

長期投資をすることを考えてファンドを立ち上げたという伊井氏は「ある資本市場からも尊敬されている大手企業の社長に上場を辞めたいと思ったことはありますかと尋ねたところ、全員がインデックス投資家になったら上場を辞めると仰っていました。企業価値を高めるために経営者にとっての良い壁打ち相手はアクティブな投資家であるため、経営者からするとインデックス投資家ばかりになったら成り立たないということです。コモンズ投資も、良い経営者の良い伴走相手になりたいと思って設立したのが背景にあります」と自身の体験から投資哲学を語りました。

投資スタイルに付いては合議制をとっていると言うコモンズの伊井氏。「短期的に銘柄を決めるのであれば社内で情報を集めた上で意思決定をしますが、長期となるといろんなバックグランドを持った多様なスキルセットを集めたチームでの議論が大切なので合議制で決めています。アメリカの西海岸やエディンバラの長期投資家が来日した際に意見交換すると彼らも同じ考えで合議制を導入していました」とコモンズの投資スタイルを紹介しました。


その後「企業の根源的価値の見極めはどうしているか?」と言う質問に岩谷氏は「会社の組織やビジネスモデルを確立していないケースも多いので、経営者の創業動機や原体験などをディスカッションして聴いている」と説明。

伊井氏は「収益力、競争力、経営力、対話力、企業文化と言う5つの視点で企業を見て根源的な価値に迫っている」とのこと。「株主だけを見る時代は終わり、あらゆるステークホルダーを意識して経営している企業かどうかが重要です。外部からの知見や意見をいかに取り入れるかで不祥事も起こりにくくなります。また企業理念をグローバルに通用するようアップデートしている会社は海外でもうまくいっている傾向にあります。必要であればそれらを確認する意味でも周辺企業にヒアリングすることも有効です」と具体的な見極め方を紹介してくれました。


◆第2部:グローバル運用と積立投資について


第二部はセゾン投信株式会社 代表取締役社長兼CIOの中野晴啓氏、tsumiki証券株式会社 代表取締役CEO寒竹明日美氏、株式会社GCIアセット・マネジメント 代表取締役CEOの山内英貴氏の3名がゲストスピーカーとなり、グローバル運用と積立投資についてトーク。まずはお三方のプロフィール紹介からスタートしました。

寒竹氏はtsumiki証券株式会社のサービスについて紹介。「投資家の人たちが投資を長く続ける工夫は二つあって、一つは仕組みを作ってしまうことだと思います。投資は面倒だと感じる方も多いですが、生活に組み入れたいとも思っています。そのためマルイを親会社にもつ弊社ではクレジットカードというプラットフォームを持っているので、普段の生活の仕組みの中から投資をするという導線、仕組みを作りました。もう一つ大切な要素が共感。何かモノを買う時にスペックやデザイン、価格を重視しますが、一方地元で作られているなどプロダクトの裏にあるストーリーがわかると共感されやすくなります。金融商品となるとパフォーマンスやコストなどの数字が注目されやすいですが、人間って感情で動く部分もあります。tsumikiではその両方の部分で商品の魅力を伝えていきたいと思っています」とサービスの仕組みや理念を紹介しました。

 
続いてそれぞれの運用哲学と投資スタイルについて質問。山内氏は「ヘッジファンドというとリスクをとって高いリターンを狙う事が多いですが、我々はリスクにフォーカス。個人の資産運用で言えば長期投資をするに尽きます。ただ運用や投資って正解がありません。長期運用でやってはいけないのは、切っちゃいけない時に損切りしちゃうこと。長い目で見れば右肩上がりなのに、ガクッと落ちてしまう時に損切りしてしまう人は多いです。こういう場合にリスク管理が有効。伝統資産をオルタナティブ投資で分散させることでドローダウンを抑制させることができます」とおすすめの運用、投資スタイルを紹介してくれました。

一方セゾンの中野氏は伝統的な運用をしているとコメント。「山内さんとは運用に対するアプローチが違うけれど、それがアクティブ運用の魅力でもあります。パッシブかアクティブかではなく100人いたら100通りの運用方法がある。そして正しいか間違っているかはわかりません。アクティブ運用とは個性の競争。途中で切らずに続けることが大切です」とアクティブ投資の魅力、運用に必要な心構えを教えてくださいました。


◆第3部:オルタナティブ運用のフロンティア

第3部は「オルタナティブ運用のフロンティア」をテーマに、株式会社GCIアセット・マネジメント代表取締役CEOの山内英貴氏とクラウドクレジット株式会社 代表取締役社長の杉山智行氏が登壇。
 

山内氏は、アメリカにある大学の財団を指すエンダウメント的な運用がオルタナティブ投資を根付かせたと紹介。「個人のカリスマ投資家としてはウォーレン・バフェットなどが知られていますが、組織運用のカリスマはハーバードやイェールなどの大学です。それまで株と債券の分散をするのが一般的でしたが、90年代にイェール大学が適切なリスクをとった長期の運用をしたらどうかと見直して誕生させたのがエンダウメント的運用。これが素晴らしい実績をあげています」とオルタナティブ投資の起源とその実績の高さを指摘しました。


続いて運用哲学や手法について。「クラウドクレジットでは倒産リスクが大きいけれど素晴らしい事業をやっている企業に貸し付けを行なうと言うように、目的を大切にしています。現在ではキルギスやペルーなど新興国で成長が見込める企業にお金を貸して応援し、成長したら金利でお裾分けしてもらうと言う事業です」と杉山氏はクラウドクレジットの事業理念を紹介していました。

今後新しい資産クラスが我々にとってどのように必要になってくるか、をお二方に質問。
山内氏は「2008年以降の10年間は歴史的には特殊な環境でした。教科書だと株が上がると債券は下がると言われていましたが、株も債券も最高値を記録しました。リーマンショック前の20年とあとの10年で比べてみたら、アベノミクス開始前はほぼリターンが出ていなくて、開始以降も為替円安。伝統的な手法で分散させる運用が良しとされましたが、未来永劫この状況が続くのかはわかりません。それに対してはエンダウメントが続けているようなさらなる分散、これにオルタナティブ運用を活用するのは有効だと思います。リターンの源泉が世の中かからなくなってきている昨今、クラウドクレジットのように新興国の成長企業に投資するような動きも強くなってくるでしょう」と示唆しました。

杉山氏は「比較的豊かな国である日本人は、そうでない国の人も豊かになっていく投資をすることが社会的責任でもあるのではないかと思います。幸せな国に生まれた私たちが投資をする意味ってそこにあるのではないでしょうか」と投資の社会的意義を語り、会は終了となりました。


◆まとめ

平日金曜日の夜にも関わらず50人前後が訪れた本イベント。休憩中も登壇者含め活発な会話が繰り広げられ、アクティブ投資への意識の高さと盛り上がりが感じられました。




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