2023.11.15
こんにちは!
兜LIVE編集部です。
10月22日(日) 、『日本酒を蔵元トークとテイスティングで楽しむ』を開催しました。
今では国際金融都市といわれる日本橋兜町。
江戸時代には日枝神社の門前町として栄え、酒問屋で賑わっていた「日本酒の聖地」でした。
東京証券取引所において初上場時の5回の鐘撞は、酒の原料である五穀豊穣にちなんでいるとのこと。
平日は賑わうこの兜町に、休日にも人が集まってもらいたい。そんな願いから日本各地の蔵元を招き日本酒について学び、味わい、楽しく交流し、その魅力を、兜町の魅力といっしょに広め、お酒が地域と人をつなぐ場所...。そんな場所に発展するように願いを込めて、毎月1回日本酒セミナーを開催しています。
今回は、愛媛県今治市で「山丹正宗」を醸す八木酒造部代表取締役社長の八木さんをお迎えして開催しました。八木さんは昨年9月に続いて2回目のご登壇となります。
八木さんから、前回ご説明いただいた「新たな取り組み」の結果についてご報告いただいたことに加え、「さらなる取り組み」についてのお話もお聞かせいただきました。日本酒の世界はまだまだ広がりますね。楽しみです。
・清酒「山丹正宗」醸造元である八木酒造部の8代目
・1973年10月23日生まれ
・愛媛県松山市出身
・愛光高等学校
・早稲田大学 社会科学部 卒業
・1998年Andersen Consulting(現Accenture)入社
・2006年酒類総合研究所(滝野川)で研修受講後、株式会社八木酒造部入社
・2008年に代表取締役に就任、現在に至る
・家族は妻と長女(14歳)、長男(12歳)と猫3匹
・趣味は海外旅行で、これまでに44か国を訪問。
・昨季、以下の新たな取り組みを予定していました。
(1)花酵母
東京農大と愛媛県産業技術研究所が共同で、新たな花酵母を開発しました。
愛媛県下22蔵が新たな酒を造り、2023年3月に発表する予定です。
⇒ 発売しました。
(2)水酛
八木家のルーツは大和八木で、現在の奈良県橿原市になります。日本酒発祥の地ともいわれる奈良県でかつて行われていた水酛の製法を学び、今期の製造でチャレンジします。
⇒ 2種類のお酒が出来ました。
(3)全国新酒鑑評会へ純米規格で出品
アルコール添加が有利とされる全国新酒鑑評会にて、あえてアルコール添加なしで金賞を目指します。
⇒ 純米規格で出品しました。
▼「さくらひめ」
・「さくらひめ」は、愛媛県オリジナル品種のデルフィニウムです。切り花用として育成され、草丈が長く、一枝の花数が多く華やかです。花色は淡いピンクで、桜のような花色と愛媛の「ひめ」から「さくらひめ」と名付けられました。
・アフターコロナにおいて良いスタートが切れるようにと、この「さくらひめ」から花酵母を抽出してお酒を造るという「えひめ香る地酒プロジェクト」が立ち上がりました。
▼可憐な花から生まれた食に寄り添う4タイプの清酒用酵母
・旨味とやさしい口当たりが特徴と言われる愛媛の地酒を、今の時代にあった魅力的なものにするため、産学官の共同研究により、愛媛県独自品種の花「ひめさくら」から分離された清酒用酵母。
・瀬戸内海と宇和海という2つの海をはじめ豊かな自然に囲まれた食の宝庫ならではの食材や料理とのペアリングを重視して、香りと味わいの特徴が異なる4タイプの酵母を選定しました。
山丹正宗 華帯 Hana-Obi
原料米:愛媛県産しずく媛
精米歩合:50%
酵母:愛媛さくらひめ酵母 Type-4 (Rich)
愛媛さくらひめ酵母Type-4を使用し、14~15世紀頃に行われていた製法「水酛」で
仕込んだ純米大吟醸酒。
ヨーグルトのような爽やかな酸味と、ほんのりライチの香りを感じる、味わい豊かなお酒です。奥ゆかしい日本女性をイメージし、着物の帯をモチーフにしたパッケージに仕上げました。
・「水酛」は、室町時代中期に奈良県の菩提山正暦寺で行われていた酒造りの手法の一つで、「菩提酛」とも言われます。
・仕込水の代わりに「そやし水」という乳酸発酵によってできあがる酸性水を使用することで、発酵を邪魔する雑菌がいなくなり、酵母菌が活動しやすい環境を作る製法です。
・天然の乳酸菌を活用するため、ヨーグルトのようなさわやかな酸味が出て、しっかり飲みごたえのある濃醇なお酒になります。
・「山丹正宗」は薫り高くすっきりとしたお酒が得意ですが、今回初めて「水酛」にチャレンジし、より濃醇で奥深い味わいを引き出すことを目指しました。
山丹正宗 MINAMOTO 720ml
原料米:愛媛県産米
精米歩合:60%
酵母:協会6号酵母
室町時代の製法「水酛」で仕込んだ純米酒。
協会6号酵母の特徴である軽やかな酸味と、水酛による乳酸菌のまろやかな酸味が合わさり、複雑な味わいを楽しめます。
瀬戸内海、仕込水、水酛など水をテーマにしたパッケージに仕上げました。
全国新酒鑑評会は「お酒のきれいさ、癖の無さ」を競う。
よって酸味・苦み・渋みなどをマスクする効果がある醸造アルコールを添加することは、圧倒的に有利とされる。
ただし、今の日本酒市場では、アルコールを添加したお酒は売れない。
そこで八木酒造部では、あえて純米大吟醸での出品を決定。
↓
愛媛県新酒品評会にて第1位の県知事賞を受賞。
全国新酒鑑評会は、金賞を逃すも入賞を受賞。
・自然派ワインに象徴されるように、世界的な自然派志向に対応すべく、八木酒造部として「自然派日本酒」を提案します。
・有機栽培米と、醸造アルコールを添加しない純米造り、更には乳酸を添加しない製法(水酛、生酛、山廃)を組み合せることで「自然派日本酒」とし、認知を広めたいです。
・八木酒造部として既に有機JAS認定を取得しており、来春には有機JAS認定取得の新商品を発売予定です。
BIO YAMATAN (仮)
・地元今治で栽培した有機米「松山三井」と室町時代の製法
・「水酛」で仕込んだ自然派の純米酒
■利き酒3種 お酒の説明
①山丹正宗 華帯 Hana Obi 720ml
日本酒度:+2
酸度:1.8
アルコール度数:16%
原料米:しずく媛
精米歩合:50%
価格:2,750 円(税別)
愛媛さくらひめ酵母Type4 を使用し、室町時代の製法「水酛」で仕込んだ純米大吟醸酒。艶やかな日本女性をイメージし、華やかな香りとヨーグルトを思わせる爽やかな酸味のお酒を、着物をイメージしたパッケージに仕上げました。
②山丹正宗 MINAMOTO 1.8L / 720ml
日本酒度:+5
酸度:2.2
アルコール度数:16%
原料米:愛媛県産米
精米歩合:60%
価格:3,000 円(税別)/1,500 円(税別)
室町時代の製法「水酛」で仕込んだ純米酒。
協会6号酵母の特徴である軽やかな酸味と、水酛による乳酸菌のまろやかな酸味が合わさり、複雑な味わいを楽しめます。
2023 年11 月1 日発売
③山丹正宗 純米酒 松山三井 1.8L / 720ml
日本酒度:+2
酸度:1.5
アルコール度数:15%
原料米:松山三井
精米歩合:60%
価格:2,700 円(税別)/1,350 円(税別)
スパッとキレの良い辛口の男酒。愛媛県産の酒造好適米「松山三井」を使用し、米の旨みをじっくり引き出しました。冷やでも燗でも美味しく頂けます。
ワイングラスでおいしい日本酒アワード2022 金賞受賞
燗酒コンクール2023 金賞受賞
では、乾杯!
・毎回、恒例の集合写真です。今回は愛媛県ということで、愛媛県東京事務所の方々もご参加いただきました。
数々の取り組みをご説明いただきました。「水酛」(みずもと)???初めて耳にする方もいたのではないでしょうか。この先も目が離せませんね。
八木さん、ありがとうございました!
イベント前には渋沢栄一翁が生涯大切にした佐渡の縁起石「赤石」にタッチして運気アップ!
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