2026.02.04
みなさん、こんにちは!
兜LIVE!編集部です。
2026年1月21日水曜日に、つまみ菜にて行われた「蔵元トーク」の模様をレポートします。
蔵元トークとは、これまで毎月1回開催されてきた、日本各地の蔵元を招き日本酒について学び、味わい、楽しく交流する催しです。
登壇者は、長崎県平戸市で「福海」を醸す福田酒造代表取締役社長の福田竜也さん。福田酒造のこだわり、そして未来についてもじっくりトークしていただきました。

昨日は、兜町にて特約店の皆様に「これからの未来にむけて」ということで、福田酒造のあり方などをお話されたという福田さん。蔵元トーク開催日となったこの日も非常に寒い日でしたが、「今日この場を日本で一番熱い日にしたい」と意気込みも抜群でした。

各席に用意されているのは、福田酒造のこだわりやこれからについてまとめていただいた資料です。内容については、後ほど福田さんからお話をいただきました。

福田さんがご挨拶した後、各席に一杯目にふさわしい発泡感のあるにごりが配られました。乾杯のために選んでいただいたお酒は新酒の山田錦にごりです。発酵感も進んだこの濁り酒は、冬の荒れた海を表したものだそう。福田酒造のお酒のコンセプトは海を表現するということだそうです。福田さんの乾杯のご発声で、楽しい会がスタートしました。

『福海 山田錦 にごり生酒』は、まさに白波立つ海のような強めの発泡感と旨みをしっかりと感じられる一杯でした。フレッシュな美味しさで、どんな食事とも相性がよさそうです。
なみなみと注がれた一杯目は、乾杯の際にうっかりあふれてしまいそうになるほど。贅沢な時間です。

本日は、つまみ菜のコース料理と福海6種類でテイスティングを楽しみます。1品めは、ポテトサラダのオーロラソース和えでした。フレッシュなにごりとともに、変わり種ポテサラのまったりとしたコクを味わいます。

待ちきれず1杯目を飲み干したところで、本日いただく6種類の『福海』を説明していただきました。
「1種類目は、先ほどご紹介させていただきました、山田のにごりです。
続きまして、2種類目は福海での定番商品。『福海 山田錦 火入れ』です。
僕らのお酒のコンセプトは、地元の米を絶対に使うというものです。こちらも地元の契約栽培の農家さんに作ってもらった山田錦を使用しており、このお酒で日本酒の回帰を目指しています。
3種類目は、定番の山田錦の季節商品で、『福海 山田錦 生酒』です。 1月の上旬ぐらいに絞ったばかりのお酒なので、そのフレッシュ感を楽しんでいただきたいと思います。
4種類目は、『福海 山田錦 生酛』です。こちらは主に秋酒として出荷しているものですが、生酛造りということで程よくあの熟成した感じの味わいが楽しめるお酒になっています。
5種類目は、蔵のフラッグシップ『福海 山田錦 無農薬』です。こちらは自社で栽培した無農薬栽培の山田錦を使用しています。やはり、無農薬栽培はいわゆる除草剤や化学肥料を使う農業方法よりも非常に手がかかり、大変です。私も社員と一緒に除草作業を行って造ったお酒になります。
最後となる6種類目は、 12月の上旬に発売したばかりの新商品『福海 海鳴 無濾過生原酒』です。福海のコンセプトとして、地元のきれいな海を表現したいということで、米の味わいやおいしさに重きを置いて酒造りをしてきました。過度な酸味や甘味のないクリアな設計を志しました。福海シリーズで初めて辛口という味わいを表現したものになります。どうぞ6種類すべてお楽しみください!」

福田さんの熱のこもったお酒の紹介に、皆さん手元の資料を見比べ、時にはメモを取りながら真摯に耳を傾けていました。

6種類のボトルを開栓していただき、それぞれのテーブルで飲んだら回していくといった形式でテイスティングを行います。ボトルが置かれると同時に、コース料理も運ばれてきました。

刺身の盛り合わせは、フラッグシップの『福海 山田錦 無農薬』と一緒にいただきました。厚切りで旨みがよくわかる刺身と、すっきりとした味わいにほんのり甘味のあるお酒がよく合います。

どのお酒がどのテーブルにあるか、どれを飲み、どれを飲んでいないのか。それぞれのテーブルの皆さんと会話をしながら、6種類の福海を回していきます。

熱々で提供された牛すじ煮込み。芯まで冷える夜にぴったりです。

福海初めての辛口という『海鳴』は、キレとすっきりとした旨みが感じられ、後味は軽快です。「辛口」と聞いて想像するようなアルコール感によるキレではなく、秘めたる強さといった雰囲気があります。
福海のお酒はどれも料理に合い、非常に飲みやすいのですが、私は特にこちらが食中酒として気に入りました。牛すじ大根にも、鶏のおろしポン酢にもよく合います。

福田さんは各テーブルを周り、様々な質問に丁寧に答えてくれています。

ひとつ興味を持って聞けば、こだわりをたっぷり教えてくださるような、素敵な方です。

福田酒造のある長崎県平戸島の歴史から、気候、環境についてまで、福海に関する話はどんどん深堀りされていきます。おいしいお酒と料理を一度置き去りに、皆さん福田さんの話に聞き入っていました。

こちらは鶏のおろしポン酢、さっぱりとした味わいとジューシーな鶏肉が美味しいです。

一通りお酒が各テーブルを回ったところで、資料を使い福田さんから福田酒造の現在、そして未来の在り方についてのお話がありました。
「私は長崎県の平戸島という、細長い島でお酒を造っています。平戸島の最南端に位置する志々伎町で、私たちの蔵はおよそ300年前に創業したといわれています。
先ほども少しお話しましたが、私たちの酒造りにはコンセプトが2つあります。その1つが「海を表現する酒造り」です。福海のラベルにも描かれているのですが、蔵から見える志々伎山には、戦の神そして海の神が祀られています。海の神は航海安全の守り神とされていますから、全国的に海難事故防止として分社されるくらいの大切な守り神となっています。立地的背景と歴史的背景があり、昔から海と共に生きてきた…というところが海を表現する酒造りの大元になっていると言っていいかもしれません。
そして、もう1つのコンセプトに「ないものねだりをしない酒造り」というものがあります。福海は基本的に地元の米で造っているのですが、私たちも米作りを15年、そして4年前からは無農薬栽培を始めました。米作りをしていない酒蔵よりも、米作りをしている酒蔵の方が、当然農家さんの気持ちや地域のこともよくわかると思います。暑い時期に田んぼに入る無農薬栽培は本当に大変ですが、その分生き物のことや環境のことを自分で体感できるというのが強みになっていると思います。
平戸島は標高500mもない低い山ですから、大きな川もなく、農業用水も豊富とはいえません。加えて、海に囲まれているために塩害も起きやすい。この環境で米作りをするのはやはり不利ではあるのですが、他の地域を羨まずに、今おかれている地域で100%の酒造りをしたいと思うようになりました。もし原料が他に劣るのであれば、その分酒造りの技術を磨いて、どこにも負けない美味しい酒を造ろうと思っています。飲んでくれる皆さんにとっては、もちろん良い原材料を使って美味しいお酒であればそれがいいかもしれません。ですが、原材料にハンデがあったとしても、価格以上のお酒が提供できれば、それは素晴らしいことなのではないかと思って取り組んでいます。
余分なものを添加せず、地域の特性を活かした酒造りをこの小さな町からすることで、この地域に興味を持ってくれる人がひとりでも増えることを願っています。子どもが生まれず、20年後の消滅が目の前に見えてきたこの志々伎町で、この地域の価値を掛け合わせたお酒を醸していくことが、この2つのコンセプトに込められた目標であり、願いです」

ブロッコリーの竜田揚げという、珍しいお料理が提供されました。少し濃いめの味付けが、ますますお酒を進ませてくれます。

こちらは、手間がかかるためにつまみ菜ではなかなか出さないという美桜鶏の低温調理です。しっとりとした鶏肉に塩コショウのシンプルな味付けと、オリーブオイルの香りが印象的でした。お酒の旨みを邪魔しない、最高の一品だといえるでしょう。
〆には辛さとパクチーの量を選べる汁なし担々麺も提供されました。それぞれの料理をシェアし、時には福海とのペアリングを考えながら、食事もお酒も十二分に味わいました。

あちらこちらで、福海のおいしさを堪能しながら、会話が弾んでいる様子です。


どのテーブルでも、福田さんがいらっしゃると非常に盛り上がり、待ってましたとばかりに質問が出てくる様子が印象的でした。

2時間半の楽しい会はあっという間に終わりの時間を迎えました。最後は、参加者の皆さんで福田さんを囲んで記念撮影です。
もともと福田酒造のお酒が好きで蔵元にまで足を運んだことのある方、福海が取り上げられるとあってこの会に初参加を果たした方、そして蔵元トークをずっと楽しんでくださっている常連の方々など、和気あいあいとした参加者の皆さんが揃い、充実した会になったと思います。

最後は、皆さんで三本締めをし、閉会となりました。
今回はつまみ菜にてコース料理をいただきながら、じっくりと福田さんのトークに耳を傾け、6種類の福海をテイスティングする会でした。
福田酒造の福海をよりいっそうおいしくいただけるような深堀りトークの数々に、参加者の皆さんも大満足だったのではないでしょうか。
蔵元の魂、こだわりを知ることは、日本酒をただ「おいしい」では終わらせない、素晴らしいパワーを分けてもらうことだと思います。
福田さん、ご登壇ありがとうございました!

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