2022.06.08

「KABUTO ONE」1階アトリウムを彩る日本橋の神輿! 展示会レポート

こんにちは。

兜LIVE!編集部です。


2022年5月29日、日本橋兜町「KABUTO ONE」の1階アトリウムにて、兜町町会、茅場町一丁目町会、茅場町二丁目・三丁目町会の3町会の神輿が展示されました。


「KABUTO ONE」の近代的なアトリウムと荘厳で煌びやかな神輿の対比が面白く、多くの人が足を止めていた当日の様子をレポートしていきます!


◆江戸三大祭り「山王祭」

江戸三大祭りのひとつとして有名な「山王日枝神社」の例祭「山王祭」。隔年で行われる山王祭の見どころと言えば、総勢500人もの王朝装束をまとった行列が皇居、東京駅周辺、日本橋、銀座など23kmもの距離を巡行する「神幸祭」です。



日本橋エリアにある「日本橋日枝神社」は神光祭の折り返し地点ともなっていて、各町会の神輿、山車が出され華やかな雰囲気に包まれます。


2022年は例年であれば開催されるところですが、コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、本年も中止となってしまいました。



今回の展示は、兜町町会の会長・江本さんの呼びかけで、日本橋各所に展示されていた3町会の神輿・山車が一箇所に展示されました。



「KABUTO ONE」1階アトリウムのシンボルである、キューブ型LEDディスプレイ「The HEART」には、以前行われた山王祭の様子が写し出されていました。



◆絢爛豪華な神輿

御神体あるいは御霊代(みたましろ)がお乗りになる輿(こし)のことを神輿といい、通常は木製の黒漆塗りで、形状は四角や六角、八角などがあり、台と胴と屋根の大きく分けて三つの部分から成り立っています。屋根には鳳凰(ほうおう)または葱花(そうか)が置かれ、担ぎ方などは地域により少しずつ異なり、それが祭礼の大きな特色にもなっています。今回展示された神輿と山車をご紹介します。


『茅場町二・三丁目町会神輿』



『宮銀』田村春吉さんにより、昭和11年に製作された『茅場町二・三丁目町会神輿』。一つ巴、黒漆延屋根の神社型神輿で、ずっしりとした重厚さが感じられる風格ある神輿です。


『兜町町内神輿』



後藤直光氏(行徳関ヶ島)により、昭和34年に製作された『兜町町内神輿』。屋根に七宝焼による兜町の金具がはめ込まれていて、鳥居の龍、台輪にも四神(青龍・朱雀・白虎・玄武)の素晴らしい彫刻が施された神輿です。


『兜町町内山車』



後藤直光氏(行徳関ヶ島)により、昭和35年に製作。兜町の町名に合わせ、大太鼓の上に鳳凰の代わりに兜が飾られた、他では類をみない山車です。

ちなみに、「山車」は、祭礼のときに人々が引いて歩く、いろいろな飾り物を付けた車のこと。車上には神様の依代として用いられているものが飾られるため、山車も神輿と同じように、神霊の乗り物であると言えます。


『茅場町一丁目町会神輿』



昭和11年製作で作者は不明。三つ巴で黒漆延屋根の神社型神輿で安定感があり、神輿好きからの評価が高いとのこと。昭和50年に浅草宮本にて改修・色上げされたそうです。


2022年度も本祭は中止となりますが、6月10日に茅場町一丁目町会の例大祭として、茅場町町内で神輿渡御『宵宮』を行うことが決定。


神輿を背に、町会長お三方の記念撮影。


写真左から、兜町町会長 江本良雄さん、茅場町二・三丁目町会 長安西暉之さん、茅場町一丁目町会長 今野克彦さん。各町会の協力、合意、そして日本橋日枝神社のご好意もあって実現した素晴らしい式でした。


◆兜町町会長・江本さんインタビュー

今回「KABUTO ONE」展示の発起人である兜町町会長の江本さんに、展示開催の経緯やご苦労されたことなどを伺いました。



−−「KABUTO ONE」に神輿を展示するに至った経緯をお聞かせください。

今年の3月だったかな。3町会として、6月のお祭りへの対処について話し合いが持たれたのだけれど、その時に新しくできた「KABUTO ONE」に3町会の神輿を飾れたら良いな、と提案したことを覚えています。コロナ禍により、2020年、2022年と山王祭が中止になり、残念であると同時に危機感も募りました。やはり、古くから行われてきた伝統行事を無くしたくないという想いが大きいですね。


−−展示に際し苦労されたことはありましたか?

やっぱり、各町会それぞれ事情が異なるので、総意を得るのは簡単ではなかったですね。会場となる「KABUTO ONE」にも様々な企業が協賛で入っているわけだし、一つひとつ許可をいただかなくちゃいけない。そういう事も含め、色々な方が動いてくださったことで、3町会共に展示しようという機運が高まり、実現に至ったのだと思います。


◆終わりに

今回の取材で印象に残ったのが、江本町会長も仰っていた「各町会、協賛企業、そして日枝神社の協力なしには実現しえなかった」という言葉。あらためて、茅場町・兜町エリアの繋がりの深さ、絆の強さ、人情を感じました。


2022年6月10日に行われる、茅場町一丁目町会の例大祭「神輿渡御『宵宮』」にも期待が膨らみます。


* 6月9日から12日には、茅場町一丁目神輿は証券会館前の神酒所・御仮屋にて展示。10日(金)の夜は町内渡御を行います。

 兜町と茅場町二・三丁目の神輿は、まちかど展示館(坂本町公園内)を御仮屋風にしつらえ展示を行います。




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