2023.03.19

【かぶかや・ヒューマン】 #23 細川萌さん フローラルデザインショップ Flowers fête

2022年12月15日に開業した複合商業施設『BANK』。ここでは、ベーカリーやビストロなど、4つの個性的なショップがオープンしました。今回、その中でもフローラルデザインショップ「Flowers fête(フェテ)」を手がける細川萌さんを取材しました。イートクリエーター所属のフラワーアーティストとして活動する細川さん。活動内容やfêteをオープンさせた経緯、日本橋兜町への想いなどについて詳しく聞きました。


◆ドライフラワーを中心に、日常を彩る作品を扱う「Flowers fête」

——細川さん、本日はよろしくお願いいたします!

まずは細川さんが手がけているフローラルデザインショップ「Flowers fête(フェテ)」とはどのようなお店なのか、教えていただけますか?


fêteはドライフラワーを中心に、ブーケやポプリなど、お花を活かしたプロダクトを販売するショップです。ただお花を置くだけでなく、フリーで空間デザインの仕事を行う私にとっても、来店いただくお客様にとっても、アトリエのようにクリエイティブな感覚を刺激する場所でありたいと思いながら運営しています。


——来店されるお客様層はどのような方が多いのでしょうか。


30代~40代を中心とした幅広い年齢のお客様が多いですね。fêteで販売する作品は中性的なデザインのものが多いため、男性のお客様にもご利用いただいています。贈り物としての購入はもちろん、自宅に飾るために立ち寄ってくださる方も多いんですよ。



——扱う商品はドライフラワーを中心としていますよね。なぜでしょうか?


空間装飾の仕事で出た端材から着想を得ています。


——店舗内やディスプレイの装飾に使用した花びらを、作品として生まれ変わらせているということでしょうか?


端材から着想を得て、デザインの力を加えることで、ストーンの作家さんと一緒につくり上げたのが、シャーレの中にアロマストーンとドライフラワーの花びらなどを敷き詰めた「petal(ペタル)」という作品がです。



◆お祭りを意味する「fête」。ショップ名に込めた想いとは

——細川さんが複合ショップ『BANK(バンク)』に出店することになった経緯についても教えてください。


『BANK』を運営する株式会社イートクリエイターさんに誘っていただいたことがきっかけです。私の手がけた空間デザインの仕事などを見ていただき声をかけていただきました。


——『BANK』に入るほかの3つのショップは、建物が旧銀行店舗という特徴を生かして、お金にまつわる名前で展開されています。細川さんがショップ名を『fête』としたのは、どうしてですか?


フランス語で「お祭り」を意味する「fête」という言葉に思い入れがあるからです。お祭りはさまざまな要素を集めて1つのイベントを構成していますよね。だからこそ、混とんとした空気を持つように感じます。そして、ひと口に「お祭り」と言っても、1つとして同じ内容のものがありません。海の神様を祀るお祭りもあれば、豊作を祝うお祭りもあって、非常に変容性の高いものです。そのような「お祭り」が私自身の人生観を表すのにぴったりで、「fête」という言葉が気に入っているんです。


それで、もともとフリーランスのアーティストとして活動するときは、屋号として『Fête des fleurs(フェテ ド フルール)』という名前を使っていました。この屋号で6年ほど活動を続けてきて、今では私自身を表すのに最適な、自分の名前のような言葉になっていて。そのため、私のショップだけは銀行やお金とは関係ない、「fête」というショップ名にさせていただきました。

この言葉が持つ意味のように、私のショップも日常のすぐそばにある非日常のような、行くだけでふわふわと高揚感を感じられるお店にしたいなと意識しています。



——なるほど。出店のきっかけとなった個人のアーティスト業では、具体的にどのようなデザインを手がけられているのでしょうか。


植物に特化して、店舗やイベントの空間装飾、パーティー装花、広告のディレクションなどを行っています。以前はポップアップでフラワーショップなども行っていました。


——個人のお仕事の中でも、植物を扱っているのですね。


そうなんです。祖父が菊の農家だったこともあって、昔から植物と触れ合う機会が多い家庭で育ちました。私にとって植物は日常の中にある当たり前の存在です。美大時代も油絵で植物をモチーフに作品をつくったり、社会人になった後も会社でグリーンを基調とした空間デザインに携わったりと、自然と植物に触れる生活をしてきたように思います。


◆暮らす人があたたかい日本橋兜町。再開発で生まれる予測不能な変化が楽しみ

——実際にショップを構えて、日本橋兜町はどのような街だと感じていますか?


ポップアップのフラワーショップを行った頃から、兜町にはご縁があるのですが、そのときから非常に素敵な街だなと感じています。兜町というと多くの方は「金融の街」というイメージを持たれると思うのですが、この街に暮らす方々は本当にあたたかい方が多いんです。私のような新参者でも、歓迎してくださる土壌があるように思います。fêteを気に入って、何度も足を運んでくださっている地元の方もいらっしゃるんですよ。お店を構えたことで、改めてこの街の良さを実感しました。


兜町は今、再開発が進み、街の中にもさまざまな変化が生じていますよね。街の一員として、新たな店舗やお客様、住民の方との出会いはとても楽しみだなと思います。古くからあるものと新しいものが出会ったときに生まれる予測不能な変化に期待しています。


——オープンしたばかりの『BANK』は、いかがですか?


一言では言い表せないような、他にはない商業施設で、とても気に入っています。シンプルなつくりの施設ですが、それぞれのブランドが個性を持ちながら、その個性が融合された空気を醸し出している。お店の明確な境界線がないからこそ出せる雰囲気なのかなとも思います。『BANK』に入る4店舗は、お互いのお客様にお店を宣伝し合ったりして、お客様の行き来もあるんですよ。新しい世界観を持った複合施設だと感じますね。



——お店の今後の展開についても、教えていただけますでしょうか。


今後の展開は2つ考えています。

1つ目がワークショップを定期的に開催していきたいということ。ワークショップでは、お客様に自由にお花を選んでいただきながら、「petal」などのプロダクトをお客様の好きなようにつくっていただきます。

そして2つ目がオンライン販売です。全国のお客様からfêteのプロダクトを注文いただけるようにと考えました。


*ワークショップなどの情報はinstagram

*fêteオンラインストアはこちら



——最後に、細川さんの今後の目標を教えてください。


目標というよりも、私自身のテーマなのですが、この先もずっとワクワクした気持ちを持ち続けながら、空間デザインやfêteのプロダクトの制作に向き合っていきたいです。私は作品をつくるとき、自分の中から湧き上がる衝動のようなものを大切にしています。私が素材として使う植物は、1つとして同じものがないからこそ、そのとき手に入ったものから受けるインスピレーションもとても大切になります。森の中に入って自然の様子を眺めてみると、クモの巣や水たまり、氷などが刻一刻と変化していくように、私の作品も「生命感」や「ライブ感」を大切にしながら、お客様の日常を彩るものをつくっていけたらと思っています。


取材・文:市岡光子


(BANK広報素材より)


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