2021.12.23

兜町に渋沢栄一が登場! NHK大河ドラマ「晴天を衝け」展取材レポート

こんにちは。

兜LIVE!編集部です。


先月、日本橋兜町「KABUTO ONE」の1階アトリウムにて10月1日〜10月31日の期間で開催されていた、NHK大河ドラマ「青天を衝け(せいてんをつけ)」 展(入場無料)を訪れてきました。

ドラマシーンの写真カット、役者さんの等身大パネル、ドラマで実際に使用された台本、衣装などが展示された会場の様子をレポートしていきます!


◆日本橋兜町の新たなランドマーク「KABUTO ONE」

初めに、会場の「KABUTO ONE」をご存知ない方もいらっしゃるかと思いますので少しご紹介します。



去る2021年8月24日、平和不動産株式会社、山種不動産株式会社、ちばぎん証券株式会社の3社による共同プロジェクトとして、日本橋兜町にオープンしたのが「KABUTO ONE」です。カンファレンスも可能な500人規模のホール、中小複数の会議室、多数の書籍を並べた「Book Lounge Kable」などのバラエティに富んだ低階層部分とオフィスフロアに分かれる複合施設で、兜町の新たなランドマークとして今注目を集めているビルディングです。



トレードマークはアトリウム構造の1階エントランスに設置された、世界最大規模のキューブ型大型LEDディスプレイ(幅6m、高さ5.5m、奥行き3m)の「The HEART」。この4面4分割回転式の構造体には、マーケットの複雑な動静がリアルタイムで表示されています。刻々と変化を続けている日本経済の息吹を感じることができる、インパクト抜群のディスプレイです。


◆物語を先どり! NHK大河ドラマ「晴天を衝け」展の概要



今回「KABUTO ONE」の1階アトリウムにて開催されたのは、2021年2月14日よりNHKで放送中の大河ドラマ「青天を衝け」の特別展示になります。同作は「日本資本主義の父」とも称される渋沢栄一を主人公として、彼が生きた激動の時代とその半生を描く物語です。


現在放映中のドラマでは江戸から明治へと移り変わる重要な局面を迎えており、2021年10月放送回ではついに日本橋兜町が登場しました。本展示会場にはこれから放送されるシーンの写真カットに加え、台本や実際に使用された衣装が展示されており、見どころがたくさんあります。



さらに、栄一の生い立ちや業績などを学べるバイオグラフィも必見! 所々にクスッと笑えるような人間臭さを感じるコメントも添えてあって、栄一をよりいっそう身近に感じられる展示にもなっていました。


◆栄一ゆかりの縁起石「赤石」がお出迎え


「KABUTO ONE」の1階エントランスをくぐると出迎えてくれる、渋沢栄一役・吉沢亮さんのパネル。傍らには、日証館(平和不動産ビル)から移動してきた、栄一ゆかりの縁起石「赤石」があります。日本繁栄を祈念し、1888年に渋沢邸(現在の日証館)を建てた際に設置した石で、栄一が生涯大切にしたそうです。本展示の期間中は吉沢亮さんのパネルもありました。

◆「日本資本主義の父」渋沢栄一

日本の近代化を支えた偉人・渋沢栄一は、現在の埼玉県深谷市の農家に生まれました。幼少期より父から学問の手ほどきを受けて育ちます。14歳の頃から畑作、養蚕、藍玉製造販売などの稼業も手伝うようになり、大人を相手に早くも商才を発揮し始めます。24歳の頃にはなんと、徳川幕府最後の将軍となる一橋慶喜(15代将軍・徳川慶喜)の家来となり、藩の立て直しなどで実力を認められることとなります。この頃、仕事の中で、明治維新に活躍する西郷隆盛や新撰組局長の近藤勇らとも知り合う機会を得て、人脈を広げていきました。


維新直前にはフランスのパリ万博を訪れる機会を得て、欧州見聞を敢行。先進諸国の実情を学びます。帰国後は明治政府の大蔵省に入省。新しい税金やお金の仕組み、郵便制度、鉄道建設、製糸工場の設立等に関わり、退官後は事業家へと転身。1873(明治6)年、日本初となる株式会社「第一国立銀行(現みずほ銀行)」を日本橋兜町に設立し、その後も株式会社組織による企業の創設、育成に尽力し、約470もの企業設立に関わることになります。


また、約600の教育機関、社会公共事業の支援、民間外交にも力を注ぎました。このような功績が讃えられ、渋沢は2024年発行の新一万円札の絵柄にも採用。大河ドラマ化もされ、その偉業が一般にも広く知られることとなりました。



展示されていた年表を見ていると見慣れない栄一の写真がありました。パリ万博を訪れた際に撮影したという、珍しいサムライ姿の写真です。恰幅が良く自信に満ち溢れた姿が印象的でした。



その後に撮ったという洋服・シルクハット姿の写真は、今でこそ見慣れた栄一の姿ですよね。しかし当時送られてきた写真を見た栄一の妻・千代は「なさけなき姿」と、たいそう嘆いたとのこと。



会場には劇中で使用された、吉沢亮さん着用の衣装も展示されています。英国紳士風の、線がビシッとしたスーツとシルクハットが素敵でした。


◆「晴天を衝け」のモノづくりを知る!


衣装の他にもドラマで使用された小道具が数点、展示されていました。NHK大河ドラマのモノづくりに対するこだわりを垣間見る事ができます。こちらは第30話で、実際に劇中で使用された西洋式秤(はかり)。間近で見ると、長年使い込まれた風合いが出ていてとてもリアルでした。NHK大河ドラマは時代考証を徹底的に行なっている事でもよく知られています。小道具一つにも妥協しない姿勢を感じました。


栄一といえば、明治政府の役人として働くという「出世街道」を僅か3年半で捨て起業家へ転身したことでも知られてますよね。自らが起草した国立銀行条例に基づき、第一国立銀行の経営を実践しました。銀行経営は自分の利益のためではなく、近代日本そのものを経営しようという壮大な理想の実現を目指したためです。



その銀行設立に向け奔走するシーンで使用された「国立銀行起草の書簡」も展示されていました。力強い字体に、強い意志や責任の重みといったものを感じます。



第32話目の放送で使用された「台湾輸送の約定書」。こちらも当時の雰囲気が感じられるものになっています。



貴重な台本も展示されていました。現代美術家の杉本博司さんが手がけた題字(タイトル文字)が、背景画である美しい空に映えています。

そんな「晴天を衝け」、10月放送回からは物語も中盤に差し掛かかり、一気に日本近代化への道筋を辿っておりましたが、日本橋兜町もその舞台として登場してました。



展示されている写真の中には、大河ドラマ展の開催中にはまだ放送されていないシーンの写真カットもありました。ググッと引き込まれる写真の一つひとつに足が止まります。切り取られた写真カットからは、渋沢栄一をはじめとした時代の転換期を生きるそれぞれの人の想いが伝わってきました。


◆取材を終えて



この先の展開を想像させる要素がふんだんに盛り込まれたNHK大河ドラマ「晴天を衝け」展。入場無料ながら大河ドラマを一層楽しめる展示になっているほか、渋沢栄一をより一層知るいい機会にもなりました。


最後になりますが、大河ドラマ展の会場となった「KABUTO ONE」。ガラス張りの1階アトリウムは天井も高く開放感は抜群で、近未来を思わせる非日常感にあふれていました。頭上で鼓動を打つ世界最大規模のキューブ型LEDディスプレイ「The HEART」を眺めていると、なんだか宇宙船の旗艦部にいるような、そんな感覚にもなりました。皆さまも今週で最終回となりますが、ぜひ大河ドラマ「晴天を衝け」をご覧ください!



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