2025.10.03

茅場町で出会う伝統の技、漆喰の壁塗りワークショップに行ってきました!

こんにちは。
兜LIVE編集部です。


2025年8月22日金曜日、東京メトロ「茅場町駅」交差点近くのビルで漆喰の壁塗りワークショップが開催されました。
今回は、建築中の建物内で行われた漆喰の壁塗りワークショップの模様をレポートします。


◆漆喰塗りワークショップ、開始!



2025年8月22日金曜日、午前9時。場所は、東京メトロ「茅場町駅」7番出口から出て徒歩で約3分のところにある建築現場です。



東横INN茅場町駅前や相鉄フレッサイン 日本橋茅場町など、ビジネスホテルが立ち並ぶエリアに建築中のビルがあります。



そのビルで、漆喰の壁塗りワークショップが開催されました。30分1コマで、4人1組で壁を塗っていきます。


この日のタイムテーブルは、午前9時から始まり、11時頃に終了予定。気温、32度と暑い現場。作業員のみなさんに混ざってのワークショップが始まります。


◆漆喰の特徴、扱い方を習う


塗っていくのは、上の階の壁の広い部分。漆喰を壁一面に塗る作業を体験します。
脚立や建材などが置かれた場所で、この建物の建築を担う吉村興業株式会社の代表取締役・吉村誠さんと職人さんにまずは漆喰の特徴と扱い方をうかがいます。



吉村興業株式会社の代表取締役・吉村誠さん(以下、吉村さん)は、JR「東京駅」の駅舎保存・復元工事の内装漆喰工事をはじめ、数々の施工現場で活躍。「現代の名工」として賞を受賞するなど、左官業界で屈指の名人と言われるプロ中のプロ。そんな凄腕の吉村さんに、漆喰の塗り方を教わります。



漆喰を壁に塗る作業は、「左官工事」とも言われています。左官工事とは、こてと呼ばれる道具を使い、建物の壁や床、天井を土・漆喰・モルタルなどの材料で塗り、仕上げていく工法のこと。



職人の熟練した技術が仕上がりに大きく影響し、クロスの塗装にはない独特の風合いや質感が生まれるのが特徴です。日本の伝統的な技術であり、近年では漆喰の機能性が見直されています。



漆喰は防臭や除湿効果が高く、壁に塗ることでより居心地のよい空間を作れるのだそう。こちらの現場で使われている漆喰は、卵の殻を原料にしたものです。



また、漆喰は体についても水できれいに洗い流せるので、汚れが気にならない方は手袋なしで作業してもOKとのことでした。



まずは、こぶしくらいの大きさに漆喰を取り、こてに取っていきます。



漆喰は粘度が高く、板を縦にしてもこぼれません。初心者だとこてにのせるまでに多少練習が必要だそう。
練習で漆喰をこてに取れるようになったら、いよいよ壁に塗っていきます。


◆汗だくで作業


漆喰は下から上に、左から右へと塗り伸ばしていくのが基本の塗り方。職人さんのお手本を見ながら、ワークショップ参加者も塗っていきます。



始めに漆喰を多めに壁につけて、ならしていく作業を繰り返します。1~1.6ミリくらいを意識して塗るのがコツだそう。さらに端をきれいに塗るとより美しく見えるのだとか。
安全で美しい建物をつくるために、ミリ単位での細かい作業をされている建築現場の方々のお仕事に頭が下がる思いです。



ちなみに漆喰塗りの職人に向いているかどうかは、始めの作業でわかるそう。塗る作業は練習すればできることなのかと思っていましたが、最初に素質がわかるというのもおもしろいなと思いました。



参加者からは「思っていたより難しくてうまく塗れない」と言った声もあり、見ているのと実際にやってみるのでは違うことがわかります。



作業を進めていると、こちらの現場で使われている漆喰を製造しているメーカーの日本エムテクス株式会社・代表取締役の三浦征也さんが来られました。漆喰の材料やゴミを価値に変える資材づくり、建築現場の作業や負担を軽減するための取り組みなどを説明してくださいました。



お話に耳を傾けつつ、汗だくで作業を続け15分程度で交代。小1時間で広めの壁の7割くらいに漆喰が塗られました。



現場を離れる際に、うっかり触ってしまい、壁に私の指の跡がついてしまいました。せっかくみなさんがきれいに塗ったのに、なんてことを!と思っていたら、「跡になっても大丈夫。せっかくなんで残しておきますよ」と吉村さんがやさしく声をかけてくださいました。



ありがたいお言葉に感謝しつつ、漆喰の壁塗りのワークショップは終了しました。


◆環境に配慮した素材を使用


こちらの建物はビルの間に挟まれた、極小とも言えるスペースにあるビル。木造建築なので、現場には木材がたくさんありました。



また、壊しても廃材を出さず、再利用ができるよう設計されているそう。使用している漆喰も卵の殻が原料で、環境に配慮したものを使用しています。こういった話をうかがうと、木造の建物に対する見方が変わりそうです。



ワークショップ終了時に壁に触ってしまい、私の手についた漆喰ですが、聞いていた通り水洗いで

かんたんにとれました。



建築現場で使われている資材は、触ったら取れなそうなイメージでしたが、驚くほどかんたんに取れてびっくり。卵の殻からできているだけに、手も全く荒れていません。環境だけでなく、体にもやさしい素材が使われていることが身を持って体験できました。



今回私は塗り要員での参加ではありませんでしたが、機会があったら今度はぜひ漆喰塗りを体験してみたいです。


◆まとめ


2025年8月22日金曜日に開催された、漆喰の壁塗りワークショップは、無事に終了。壁に漆喰を塗る意味や建築現場で、お仕事をされている方の大変さなどを知りました。



廃材を出さない建築方法や卵の殻などが原料の漆喰を使うなど、環境に配慮しています。環境への思いが詰まったこのビルの完成時期は、2025年9月頃。こちらの建物には台日フュージョン料理の「勺勺(シャオシャオ)」が10月4日オープンです。



こちらが完成したビル内部。建築過程を見ているだけにちょっと感慨深いです。



オープン前に一足さきにお邪魔した試食会の様子。おすすめのラム焼売と台湾黄金キムチをいただきました。ラム焼売は山椒の風味と肉の味がしっかりしていました。お酒を一緒に食べたいですね。また、キムチは甘酸っぱく、韓国風キムチとは違いました。すりおろした人参ととびこのプチプチ感、女性に人気があるのも分かります。


茅場町に新しいスポットがまたひとつ生まれます。お店がオープンしたら、料理を味わいながら、環境に配慮された店内や壁、インテリアをぜひ見に行ってみてくださいね。


▪️「prerwood」に関するプレスリリース

▪️台日フュージョン料理「勺勺(シャオシャオ)」

住所: 東京都中央区日本橋茅場町1丁目4-3
アクセス:東京メトロ・東西線・日比谷線「茅場町」駅7番出口から徒歩約2分





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