2025.10.22
みなさん、こんにちは!
兜LIVE!編集部です。
2025年10月9日木曜日に、KABEATにて行われた「蔵元トーク」の模様をレポートします。
蔵元トークとは、これまで毎月1回開催されてきた、日本各地の蔵元を招き日本酒について学び、味わい、楽しく交流する催しです。
今回は飲食店での開催となりました。登壇者は、愛媛県西条市で「賀儀屋」を醸す成龍酒造常務取締役の首藤さん。過去サマーピクニックなどにもお越しいただき、3回目のご登壇となります。

18:30、会場に参加者の皆さんが集まってきました。
開会の挨拶とともに、首藤さんから「伊予賀儀屋」のこれまでの歩み、そして直近1年の取り組みについて30分ほどお話いただきます。

「成龍酒造は、150年続く愛媛県西条市の酒蔵です。今は4人で酒造りをしている、小さな酒蔵です。地下水と地元のお米を使い、日本酒造りを続けています。
私が2006年に蔵に戻って、2025年で19年になりました。賀儀屋は2002年に立ち上げたブランドで、2006年までは主に愛媛県だけで商売していたのですが、 やはりこれから県外、海外に向けてお酒をどんどん発信していこうという方針になりました。
順調に対外発信を始めていた矢先に、コロナ禍となり、生産量・流通量は大きく落ち込みましたが、そこで原点に立ち返り、地域の農家さんと改めて連携し、もっと一緒にやっていけないかなと考えるようになりました。
これまで愛媛県内のお米を使った日本酒造りをしていましたが、「成龍然」というのは地元西条市のお米を使用しています。他にもキュウリやタケノコ、ふき、白瓜など地元の野菜を使用した商品や、地元の大豆を使い昔ながらの製法を受け継いだお味噌など、地元に根ざした酒造り、商品開発を行っています。

大体秋冬シーズンに酒を造り、それ以外は私が外に行きながらお付き合いしている酒屋さん、飲食店さんと少人数で色々なお酒の会などをしたり、 地域のことを語って理解してもらうという活動をしています。
蔵開きには県外の方も含めて2000人以上の方が来てくださるのですが、県内外のお客様に私たちの酒蔵に来ていただくことで、地元の宿に泊まったり、タクシーに乗ったり、飲食店で食事をしてお酒を飲んで頂いたり、イベントを通じて地域に還元していけるのではないかと感じています。

また、賀儀屋でも、大体年間5〜10%くらいは海外にお酒を出しています。昨年の12月にユネスコの無形文化遺産に、 日本酒、焼酎、みりんの麹造りなどの 伝統的酒造りが登録されました。その影響で海外でも日本酒や和食がすごく注目されています。大好きな地元を外へ伝えるツールとしても、今日本酒が世界を旅してくれています。
小さい町の小さい蔵ですが、 こうして大きな世界とつながることができるのも日本酒があるおかげですし、 そこに感謝をしながらお酒造りをしていきたいと思っています。」

手元に用意していただいた賀儀屋の簡易年表と小さな商品紹介のパンフレットを眺めつつ、首藤さんのお話に耳を傾けます。気になる商品がたくさんありましたが、現地でしか味わえないものも多く、ぜひ足を運びたいと思わせられるものばかりです。

お店からはウェルカムドリンクとしてビールかスパークリングワインが提供されます。

ウェルカムドリンクを飲みながら気楽に聞いてくださいとのことでしたが、皆さん真剣な様子で首藤さんに注目しています。日本酒がどのような想いで造られ、どのように土地に根付き、今後発展していくかを知ることは、これからいただく一杯をより味わい深くしてくれるでしょう。

乾杯用には特別な一杯を提供していただきました。

左の白いラベル、純米吟醸原酒 「日本酒の日 記念酒」です。春先に絞ったお酒で、10月1日の「
日本酒の日」を記念し、秋まで熟成させたものになります。
飲みやすいのに旨味もあり、色とりどりに盛り付けられた八寸にぴったりの一杯です。

首藤さんの音頭で、一斉に乾杯!
成龍酒造の日本酒への期待が高まるお話を聞き終えたところで、ここからはお楽しみの食事タイム。この日のために愛媛の食材も使った、KABEAT特製コースがテーブルを彩ります。

【八寸】
・愛媛県産鯛のカルパッチョ
・愛媛みかんの白和え
・枝豆
・ポテトサラダ
・おぼろ豆腐
・山利しらすおろし
・よだれ鶏
・明石蛸の唐揚げ
これだけで、ずっと飲んでいられそうな素敵なラインナップです。愛媛県産の食材を取り入れたお料理はもちろん、どれも品がよく、素材の味が引き立ちます。
さらさらと飲んで食べを楽しむには「無濾過 純米 赤ラベル」、お酒の旨味とコクを味わい、少し味の濃いお料理と合わるには「純米吟醸 無濾過 黒ラベル」、穏やかで落ち着きのある旨味の「成龍然 特別純米酒 あきふかし」が万能な印象といったところでしょうか。

それぞれのテーブルに首藤さんが訪れ、様々なお話をしてくださり盛り上がります。愛媛県の話にいっそう熱が入ります。

八寸の次は、【温菜】点心2種が提供されます。牛タンしゅうまいとエビ蒸し餃子です。
4種類の日本酒を自分で注ぐスタイルです。自分のペースで食事とともにお酒が楽しめるのは、とてもありがたいですね。


どのテーブルも話が弾み、参加者さん同士の交流も盛んでとても良い雰囲気です。もともとお知り合いの方同士も、初対面の皆さんも、おいしいお酒とお料理に後押しされて、笑顔があふれます。

次は、【揚物】の海老マヨ、しっかり味なのにくどくなく、海老はおおぶりで大満足です。
皆さん、思いがけず料理のボリュームの多さに驚いたり喜んだりの様子でした。こちらは【焼物】安曇野げんきの豚グリルです。マッシュポテトと組み合わせて食べるのも美味しかったです。

コース料理の最後となるのは【食事】マルゲリータピザ&ビスマルクピザです。どちらのピザも焼きたての熱々でテーブルに並びます。具材の美味しさもさることながら、注目したいのは生地の美味しさ。粉の風味豊かなピザ生地は、程よい香ばしさで日本酒との相性も抜群です。



素敵な写真の一枚一枚からも、交流の時間が素敵なものであることが伝わってきます。

最後に【デザート】紅茶のシフォンケーキがテーブルに並びます。ちょんと飾られているのは、愛媛みかんとホイップクリーム。
首藤さんにデザートに合うお酒を伺ったところ、今回のラインナップでは「成龍然 特別純米酒 あきふかし」がおすすめとのことでした。
ちょうど2本目の口開けとなった冷えた「成龍然」とシフォンケーキを組み合わせると、さわやかなおいしさが口に広がります。シフォンケーキのアールグレイの柑橘の香りと「成龍然」の温和な旨味が重なり、食事やお酒を一通り楽しんだ口に、すっきりとした切り替えのタイミングを与えてくれました。

開会から2時間、皆さんまだまだ楽しみたいというところですが、21:00でイベントは閉会を迎えます。12月開催の蔵元トークが案内され、次回への期待を胸に締めくくりの挨拶となりました。

最後は毎回恒例、参加者の皆さん全員で集合写真を撮影します。笑顔が輝く、素敵な記念の1枚になりました。

もう少し首藤さんとお話したい方は…ということで、こちらは二次会の様子。「茅場町食堂」へ移動し、改めての乾杯となりました。楽しい夜は、まだまだ更けていきます。
今回は初の飲食店で蔵元トーク開催ということで、首藤さんのお話を聞いたあとはカジュアルな雰囲気で日本酒とお料理のペアリングを楽しむ会となりました。
これをきっかけに、実際に蔵元を訪れ、今日聞いたお話を体感しながらぜひ一杯楽しみたいと感じました。
首藤さん、ご登壇ありがとうございました!

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