2021.01.08

【蔵元トーク】#31回  風の森(奈良県 油長酒造)

こんにちは!
兜LIVE編集部です。
 
12月5日(土) 、オンラインにて『日本酒を蔵元トークとテイスティングで楽しむ』を開催しました。
 
今では世界的な金融街と言われる日本橋兜町。
 
江戸時代には酒問屋で賑わっていた「日本酒の聖地」でした。東京証券取引所において初上場時の5回の鐘撞は、酒の原料である五穀豊穣にちなんでいるとのこと。
平日は賑わうこの兜町に、休日にも人が集まってもらいたい。そんな願いから日本各地の蔵元を招き日本酒について学び、味わい、楽しく交流し、その魅力を、兜町の魅力といっしょに広め、お酒が地域と人をつなぐ場所...。そんな場所に発展するように願いを込めて、毎月1回日本酒セミナーを開催しています。(ただし、今月は2回です!)




今回は、奈良県御所市で「風の森」を醸す油長(ゆうちょう)酒造の代表取締役 山本長兵衛さんをお迎えしての開催でした。最初に、風の森を飲んだことあるなしの質問をしたところ、なんと参加者全員が飲んだことあるのこと。
 
大人気の「風の森」2時間スペシャル、どんな話が聴けるのか楽しみですね!


お酒は、「風の森」秋津穂657と露葉風807

 
 
その前に、秋津穂637で乾杯!
この後は、飲みながらお話を聴くこととなりました!




お話の内容は、以下のとおり盛り沢山。どうもありがとうございました! 


<お話の内容>

●日本酒の歴史と奈良での技術革新

●「風の森」の歴史

●生酒について

●酒質設計と7号酵母

●低精米について

●使用米と農業について

●Q&A


◆日本酒の歴史と奈良での技術革新

▼清酒発祥の地・奈良

・今は日本酒といえば澄んだ酒だが、一般人が楽しむお酒は室町時代までは濁り酒だった。「澄み酒」が普及したのは江戸時代。


・澄んだ酒を生み出したのは、室町時代の奈良の大寺院。寺院の活動資金作りが目的。世界的にも、トラピストビールなどが寺院で作られたり、修道士ドン・ペリニヨンがシャンパンの2次発酵の技術を生み出すなど、1500~1600年代にかけて大寺院が大きな力を持ち、商売を行っていた。


・当時生み出されたのが、①「上槽」と「火入れ」、②「酒母」と「段仕込み」、③「白米による酒造(諸白)」。


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▼「上槽」と「火入れ」
・「どぶろく」は、豆腐屋さんが作るお豆腐のように、新鮮なうちに味わうもの。美味しい「どぶろく」でも一週間テーブルの上に置いておいたら味が大きく変わる。しかし、「上槽」により発酵を止め、更に「火入れ」をすることで品質を安定させることができた。これにより、遠距離輸送が可能となり、商圏が広がった。


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▼「酒母」と「段仕込み」
・室町時代には酒造りの生産性も向上した。今は日本酒の仕込みを金属製のタンクで行うが、昭和のある時期までは木桶が普通だった。木桶が生まれたのは室町時代。


・興福寺の多聞院に残された「多聞院日記」の1582年の記述に「10石(1800L)の酒造りの木桶に女の子が落ちて亡くなった」という内容の記載がある。これ以前は木桶の記述はなく、木桶の出現以前には酒造りは土器である甕で行われていた。


・甕で酒造りを行っていた歴史は長く、備前の甕や、常滑の大甕が用いられた。しかし、大きいものでも3石(540L)程度が限度。より一層の拡大生産を考えた寺院は、木材の加工技術が向上したことによって作られるようになった木桶を用いて酒を造るようになった。


・酒造りの容器が大きくなると、大量の酒を一気に造るのではなく、少しづつ増やしてゆく手法が開発された。これが「酒母」と「段仕込み」である。


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▼「白米による酒造(諸白)」
・日本酒の味を向上させたのが、白米で仕込む「諸白(もろはく)」。室町時代までは麹米には玄米、掛米には白米を用いる「片白」が一般的だったが、「諸白」は、麹米と掛米の両方に白米を用いる。


・白米といっても精米歩合は95%程度だったのではないかとみられるが、玄米よりも味は向上したとみられる。江戸時代、「諸白」の酒の値段は「片白」の1.3倍程度だったようだ。


<参考:油長酒造HPの「奈良酒」の歴史の説明

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▼江戸期以降の歴史
・寺院による酒造は江戸時代になると廃れた。これは、江戸幕府が大寺院の力を削いで政治から遠ざけるような政策を取ったことによって。寺院では酒を造る事もできなくなったと考えられています。


・そうした中でも、奈良の酒造技術は重視された。江戸時代の酒造法を記した「童蒙酒造記」には、「奈良流はもっとも大切な流派である」との記述がある。


・江戸時代中期まで、精米法は人力で踏みつけて杵と臼で精米する足踏精米だったが、後期になると灘地域で水車精米の技法が開発された。


・灘、伊丹の酒造技術を、近江日野商人が北関東に持ち込んで関東地域で醸造業を興したという歴史がある。


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▼奈良酒の伝統を受け継ぐ
・室町時代に様々な技術革新があったように、我々は、現代の技術を活用し、この時代にできる最大限のことを行って技術を開発し、次の世代に受け継いでいきたい。


◆「風の森」の歴史

▼「風の森」の名前の由来

・蔵から車で15分程度のところにあり、風の神を祀る「風の森神社」がある「風の森峠」から命名。奈良盆地の南端にあたり、常に風が吹く地形となっている。なお、写真の石碑のうしろにあるのは「秋津穂」の圃場。



▼「風の森」の歴史
・「風の森」は父が22年前、1998年にスタートさせた。当時、地元にあまり商圏を持っておらず、地元でもっと飲んでもらいたいと考えた。地元で作られていた「秋津穂」で酒を造り、搾りたてそのままを提供したのが始まり。


◆生酒について

▼「生酒」とする理由

・蔵に戻ってきた頃、お客さんに「どうして生酒なのか」と問われて、「さわやかで、甘みや香りもあり、フレッシュさが楽しめる」と答えたことがあった。しかし、そうした酒を火入れで造ることも可能。


・今では、生酒とする理由は、①「変化が楽しめること」、②「触感を感じられること」だと考えている。


①「変化が楽しめること」
・「風の森」の開けたてはガス感があり、ガス感が抜けると米の味などが楽しめる。自分は、「ガス感を楽しむのが風の森」とは思っていない。


・生酒の「変化」について、自分は「花」にたとえている。「蕾」が開花して「咲き」、そして「散って」軸だけになる。飲む方がそうした「変化」を楽しめるように、蔵としては「蕾」のままで飲み手まで届ける必要がある。


・そのためには、まず冷却した状態で飲み手まで届けるコールドチェーンが必要。


・また、生酒は酸化しやすいので、なるべく酸素に触れないように工夫している。瓶詰機は特殊な機構のものを自分で開発した。まず窒素ガスで空瓶内の空気を押し出し、ノズルで瓶底からゆっくり酒を充填する装置。5年前から使用している。


・四季醸造も蕾の状態で飲み手に届けるための手段。各季節で3か月分を醸造することで、飲み手に概ね3か月以内に届くようにしている。


・海外であっても、こまめに注文をもらい、その国内で3か月程度で飲み手まで届けば、半年以内に飲み手まで届くと考えている。


・このように、極力「蕾」の状態でお届けするようにしているので、飲み手の方も、炭酸ガスのある「風の森」だけを楽しむのではなく、その後の、じっくりと熟成させたような「風の森」も楽しんでみてほしい。色々な楽しみ方があると理解して欲しい。
 
②「触感を感じられること」
・「生酒」には、味わいの立体感がある。「とろみ」ともいえる。舌にまとわりつく感触があり、口内で酒の流れる速度が火入れの酒に比べて遅い。また、喉を通過させてからの余韻がある。
 
・TYPE 3(後に詳しく記述)は海外向けを念頭に造った「風の森」で唯一の火入れ酒。この酒の生と火入れを利き比べるとはっきりと違いが分かる。


・火入れは味がキラキラっとしてスパッと消えるが、生は口内で味を感じている時間が長い。例えば、火入れの味の持続が1秒だとした場合で、生が1.5秒なら、美味しいと感じる時間が1.5倍になっているといえる。つまり、1.5倍美味しいお酒と言えるのではないか。


・料理でも、スープにとろみを付けたり、酢豚にとろみがあったり、とろみで味わいをコントロールしていることはあり、それに似ているのではないかと思う。


◆酒質設計と7号酵母

・飲酒人口が減るので、幅広い層にアピールすることが必要。そうした観点からは「わかりやすさ」と「長期間飲める」ということが大事。


・「しぼりたて」はアフリカ人でもロシア人でも「美味しい」といってくれてワールドワイドに受け入れられる。


・「長期間飲める」ようにするために、酸を意識して酒を造る。きょうかい酵母の中では7号酵母が一番有機酸が出る。生酒は時間が経つと糖が増えるが、酸味や渋みは変わらないので酸は重要。例えば、1801酵母で造ったら長期間持たせるのは無理。


・このため、「風の森」は全て7号酵母を使用。一種類の酵母で如何に原料由来の味の違いを出せるかという観点からラインナップを構成している。当蔵が取り組んでいる米の種類や低精白などの説明をやりやすくなる。酵母違いにすると微生物の話になり説明しにくい。


・7号酵母だと、同じ米でも精米歩合の違いで香りが変わったりする。例えば露葉風50%精米だとイチゴや軽いパイナップルの香り。80%精米だと緑のバナナや洋ナシのような香りが出る。


・こんなに違う香りが出るのは7号と9号ぐらいかと思っている。7号縛りというルールがなければ6号や9号は使いたい酵母。


・なお、「長期間飲める」という観点から、にごり酒は造る予定がない。酵母が生きていて発酵が進むし、酵母が死滅すると味への悪影響が出るのが理由。


◆低精米について

・米の外側には脂分、タンパク質、窒素・カリウム・マグネシウムなどの無機物がある。精米の目的の一つは、醪中のミネラルを減少させること。酵母はミネラルが多いと発酵が旺盛になり、米が糖化するスピードとバランスが取れないからである。


・昔はミネラルを減らさないとバランスが取れなかったが、現在は、人為的に温度を下げることで発酵を制御することができる。米を磨くとコンパクトですっと入るお酒を造ることができるが、もっと原料由来の大地のエネルギーを酒造りに生かそうと考えると低精米になる。焼鳥やフォアグラに負けないようなお酒が出来上がる。


・その意味で、高精米にすると美味しくなるというのは間違い。「雑味」という言い方があるが、舌の上でバランスが取れているものは、一文字加えて「『複』雑味」と捉えるべきというのが自分の考え。苦み、甘み、旨味、酸味など色々な味わいのするお酒としたい。


・「雑味」と言われてきた味でも、食べ物には必要。例えば、ミカンの酸味、鮎やビールの苦み、ワインの渋味などがなければ、「複雑味」が失われる。


<参考:油長酒造HP「再考。低精米。」>

<参考:油長酒造HP「技術力 風の森のこだわりと、風の森らしく造るための技術」>
(※)「長期低温発酵」、「低精白米」、「単一7号系酵母使用」、「無濾過無加水生酒(微生物管理、酸化抑制、温度管理)」などについて記載。


◆使用米と農業について

・75%が奈良県産米。半分以上が秋津穂で、あとは露葉風。他県産米は25%で、兵庫県の山田錦と愛山、岡山県の雄町。この3種類も長いお付き合いで使わせて頂いており、これからも続けていきたい。




・自分は酒造りでやりたいことが沢山あるので、農業は農家さんに任せたいと思っている。そのため、農家さんとのパートナーシップは大事。後継者のいる農家さんと組んで持続可能なシステムを作る。


・そうした中で難題となっていたのが、中山間の棚田。生産性が低い圃場をどう維持するかが課題だった。そこで思いついたのが、「棚田の農家さんが酒販店を立ち上げて、そこで取れた米で造った酒を売る」というビジネスモデル。


・農家の杉浦さんが「農家酒屋」を立ち上げて、そこでしか買えない「秋津穂80%精米」のお酒を販売することにしている。こうしたモデルが成功すれば、全国で応用し得るものなのではないかと考えている。


<参考:「農家酒屋」ウェブサイト>


◆Q&A



▼菩提酛について

・江戸時代まで、奈良には、高野山金剛峰寺や比叡山延暦寺のような宗教都市を形成していた大寺院が多くあった。その一つである菩提山正暦寺で造られたと言われているのが菩提酛。


・生米を30度程度の温度で2日程度水に浸しておくと乳酸発酵により酸っぱい水が出来る。この酸を使って酒母を造るのが菩提酛。暖かい時期に酒を造るのに適した酒母で、夏に活用された造り方。


・現在、正暦寺で造った酒母を奈良県の複数の酒蔵が持ち帰って仕込みに使うという取り組みをしている。夏に仕込みをしない蔵が多いので、ストーブを焚いて温めながら冬に造っている。


<参考:正暦寺HPの「清酒発祥の地」ページ>

<参考:「菩提酛の復活」について>

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▼日本酒とお米のテロワールについて
・ワインのように、日本酒も蔵のある土地のお米で造るという考え方がある。自分は、ワインはブドウのみから造られるのに対し、日本酒の原料は7割が水という違いがあると考える。米のファクターと水のファクターの両方を考える必要がある。


・日本酒の味は、米の特性だけで決まらないのが面白いところ。例えば、同じ東条特A地区の山田錦を使用しても、水が違えばお酒は変わる。加えて、麹の造り方や、蔵元の考え方なども影響する。米以外のファクターが多いのが日本酒といえる。


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▼酒米と飯米について
・溶けやすいのが酒米、溶けにくいのが飯米。酒米は溶けやすい故に、豊かな味わいを表現しやすい。


・溶けにくい飯米は、味が薄くなりがち。そのため、頑張って溶かす。溶かす方法には二つある。


・一つは、麹の力を強めること。例えば、1.5倍のパワーを持つ麹を1.5倍の量使えば、2.25倍の糖化力が得られる。飯米であっても、相応に破精込ませることはでき、力価の高い麹を造ることはできる。


・もう一つは米の表面積を大きくすること。精米歩合を高くすると重量当たりの表面積は増える。そして、吸水速度も速くなる。


・なお、米の割れについては、心白のある酒米の方が割れやすい。


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▼一升瓶について
・「風の森」は一升瓶の製品を取りやめている。これは、ライフスタイルの変化を踏まえて考えたもので、一升瓶を復活させることは無いと思う。


・今は、日本酒以外にも美味しいお酒が色々とある。そうした中で、なかなか消費し切れない一升瓶は無理がある。


<参考:油長酒造HPでの「風の森720ml化」告知(2018年2月実施)>


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▼燗酒について
・燗酒は自由に楽しんで頂けば良いと思う。個人的にはぬる燗が好きで、鍋を食べる時などに飲む。


・燗にするメリットとデメリットを考えると、デメリットはあまり無いのではないか。吟醸香が飛ぶというが、ぬる燗ならそうでもない。


・燗にするメリットは、「体温に近い方が飲みやすくなること」、「旨味を感じやすくなること」、などがある。コハク酸や乳酸は温めた時に美味しく感じるとされている。


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▼アッサンブラージュについて
・アッサンブラージュという言葉が使われるようになっているが、ブレンド、調合は、日本酒が何百年も培ってきた技術。昔は、酒屋が原酒を樽で買ってきて、調合して売るのが普通だった。


・当蔵は、自社でブレンドして出すよりは、むしろ、タンク違いでも楽しめるように、裏ラベルにはタンク番号まで記載している(※)。例えば、「T7004」とあれば、7004番タンクで仕込んだということ。蔵としてはそうして出荷しているが、飲み手がブレンドして頂くのはありだと思う。


・秋津穂で出せない味、露葉風で出せない味というものを、それぞれをブレンドによって出すことは出来ると思う。


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今回の「秋津穂657」の裏ラベル(2020年11月出荷)(写真左)には「T7004」の記載。

なお、手元の2020年4月出荷「秋津穂657」の裏ラベル(写真右)と比較したところ、この間に以下の点が変更されている。


・タンク番号を記載。
・アルコール度数を17度から16度に変更。
・「風の森Movie」と「秋津穂生産者MAP」の二次元コードを印刷。


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▼ジンについて
・3年前からジンを製造している。契機になったのが、奈良に凄いバーが沢山あるのを知ったこと。


・ロンドン留学中に知り合い、現在は台湾で「WA-SHU」というバーをやっている稲葉氏が奈良に来るというので当蔵に来るのかと思ったら奈良のバーに行くのが目的だという。


・一緒にバーに行ってみて、日本代表で、世界でもトップクラスのカクテルを作るバーテンダーがいることを知った。そうしたバーテンダーさんから「奈良のスピリッツがあると面白い」という話があり、造ることになった経緯。


<参考:台湾「WA-SHU」


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▼ラインナップを減らした理由
・昨年、山田錦60%精米や、雄町60%精米のお酒を止めた。キャパシティに限度がある中、どうせなら奈良県産米や、80%といった低精白に注力したいと考えたのが理由の一つ。もう一つの理由は、ALPHAシリーズをもっとやりたいと考えたこと。


・折角なので、ALPHAシリーズの説明もしておきたい。


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【「ALPHA 風の森 シリーズ」について】
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▼「ALPHA 風の森 シリーズ」とは
・レギュラーの「風の森」は「無濾過無加水生酒」であるため、雑菌の汚染リスクも考慮してアルコール度数を17度以上とするなど、色々と決まりを設けてきた。こうした決まりに縛られない番外編が「ALPHA 風の森 シリーズ」。


<参考:油長酒造HP「ALPHA 風の森 シリーズ 全量 奈良県産 契約栽培米秋津穂へ」>

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▼TYPE 1
・ワインは1本のボトルを2人で空けられるが、17%のお酒を2人で空けるのは難しいと感じていた。そこで造ったのが14%の低アルコール酒。


・なお、12%にしても販売できる味のものが造れているので、12%にすることを考えている。先々はさらに下げて11%を目指していきたい。


<参考:アルコール度数12%の「ALPHA 風の森 夏の夜空」>

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▼TYPE 2
・22%精米のお酒。低精白の価値について述べたが、秋津穂を高精白することでどんな個性が出るのだろうという興味で一つぐらい高精白のお酒をと考えて造った。酸が少なく、とろっとした味わいになっている。


・なお、「TYPE 2-K」とされている酒は、「笊籬(いかき)採り」のもの。


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▼TYPE 3
・「世界への架け橋」と名付けた唯一の火入れ酒。8割が海外向け。


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▼TYPE 4
・「氷結採り®」で上槽した酒。醪を低温にして一定の圧力条件下になると上澄みを作り出すことができ、その部分を取ると無酸素無加圧で上槽できる。自社特許を取った技術だが、難しいので年一度しか造っておらず、生産量は限定的。


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▼TYPE 5
・乳酸菌を使用した独自の酒母造りを行う。双醸酛(そうじょうもと)と呼んでいる。この酒母を使用して貴醸酒をつくったもの。燗するとむちゃくちゃ変化する。一番手間がかかっているお酒だがリーズナブルにしてあり、燗酒の良さを知って欲しいと思っている。


<参考:TYPE 5リリース時の説明

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▼TYPE 6
・未発売。もう少し技術的に成熟させてから商品化したいと考えている。


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▼TYPE 7
・非常に甘いお酒と、非常にドライなお酒をセットで販売して、飲み手の方にブレンドして楽しんで頂く商品。甘い酒、ドライな酒を造る技術をそれぞれ磨くことができた。


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<参考:山本社長についての記事>

・(SAKE Street記事「「酒造りの根源」である奈良から、技術革新で新たな伝統を創る–奈良県・油長酒造(風の森)」<田崎誠氏執筆、2020.4.17付>

・インタビュー「人気銘柄「風の森」蔵主が語る「生き残るために僕がやったこと全て」」<一志治夫氏執筆、2019.11.4付>)

日本醸造協会「いいかも」

襲名の報道
(※)「油長酒造」の読みは「ゆうちょう」です


◆番外編(「京橋もと」おつまみセット<オプションで注文>)

京橋もとさんで、「風の森」に合わせて作られたおつまみセットで、お酒も進む!進む!




最後は、毎度の集合写真でお開きとなりました!




◆まとめ

山本さんのお話は、何回聴いても、奈良の歴史以外は同じ話がない(歴史は変えられませんからね<笑>)。どれだけ引き出しをもっているのだろうか?知識の豊富さにはとてもびっくりです!!

新しいタイプのお酒が発売されたら、間違いなく飲みたくなってしまいますね。その前にまだ飲んだことのない「風の森」を見つけたら、ぜひ飲んでみましょう!


次回は日本橋茅場町で直接お会いできることを楽しみにしています。

 

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