2023.03.31

\未来まちづくり研究所/ まちづくりとオーナーシップ -主体性を持った街・空間・場のつくり方-

こんにちは!はじまり商店街の島田です。2月27日(月)、まちづくりに関するオピニオンリーダーをお呼びして、トークイベントを開催しました。



はじまり商店街では、定期的にイベントで集うことでコミュニティづくりの支援をしています。今回の企画は、これからのまちづくりの可能性、エリア開発、コミュニティ支援に関わる企業担当者、オピニオンリーダーなどをお呼びしたディスカッションや参加者同志の繋がりを通して、未来の暮らしのヒントを見つけてもらいたいという趣旨で開催しました。


兜町・茅場町の街歩きマップ「かぶかや散歩」と「ブックラウンジKable」 のチラシを配布。このイベントが兜町・茅場町と出会うキッカケにもなってもらいたいという想いを込めて、イベント内でもまちのことを紹介しました。



今回の会場は、2017年9月にオープンしたFinTechスタートアップ企業向けのスモールオフィス“FinGATE KAYABA”の1階イベントスペース。入居企業専用のラウンジスペースや100名規模のイベントスペースが整備されており、快適なビジネス環境の提供と同時にビジネス拡大に繋がるコミュニティ形成のサポートも積極的に行っている場所です(日本橋兜町・茅場町再活性化プロジェクトの概要)。



トークテーマは「まちづくりとオーナーシップ」。人々が場づくりによってオーナーシップを持てる仕掛けを用意するゲストをお呼びしました。設計集団VUILD株式会社、VUILD PlaceLabの事業責任者プロジェクトデザイナーの山川 知則(やまかわ とものり)さん。


VUILD PlaceLabは、場づくりに、もっとオーナーシップを持ってもらえるような色んな仕掛けを用意して、みなさんと一緒に場づくりに取り組んでいるとのこと。そのプロセスで自分たちのことがもっとわかったり、もっと仲良くなれたり、もっと遊べるようになったり。その結果できあがった空間は、まるで使う人に語りかけてくるような、生き生きとした場になるはず!という想いがこもった事業です。イベントで仕事に取り組む上での想いを参加者の人達に知って欲しいと考え、開催しました。


今回は現地に25名の参加者がいらっしゃいました。まちづくりに関わるお仕事をしている方をはじめ、日本橋のまちの人、まちに関わりたい大学生、よくはじまり商店街のイベントにも来てくれる方など、様々な人達が集まりました。



冒頭、山川さんが話題のchatGPTを使い、つかみのギャグを調べた結果のシェアからはじまりました(イベントのアーカイブはYouTubeでも配信しておりますので、気になる方は是非、ご視聴ください)!



続いて、自己紹介タイム。山川さんは場作り・空間づくりのオピニオンリーダー。VUILDでの活動以外にもワークショップ等によるプロセスのマネジメント事業「NAMI TO KAZE」や意外と知られていない木材や林業界のあるある話や面白い商慣習等を取り上げるラジオ番組「ちょうどいい材木ラジオ」など様々な取り組みを個人でも行っているそうです。会場にいる参加者の表情から好奇心が高まっている様子が感じられました。



VUILD PlaceLabでの活動についてご紹介いただきました。キャッチフレーズは【みんなで「つくる」を当たり前にし、地域と社会、みんなの暮らしを楽しくアップデートする】。空間づくりについて「ちょっと自分からは遠い、違う世界だな…」と思っている人に対して、自分ごととして考えてもらうためのアプローチを行っているとのこと。このような活動をする際、多くの取り組みがプロジェクトデザインやプロジェクトマネジメントに比重が大きくなりがちな印象ですが、VUILD PlaceLabでは序盤のインプット・コミュニケーションも大切にしているそうです。「地域やユーザーとのワークショップ」や「森・製材所ツアー」という機会を設けながら、みんなで妄想することからはじめ、妄想→企画→カタチ→カルチャーまで向かうようなプロセスを設けています。


実事例として広島県福山市のコミュニティスペース「iti SETOUCHI」では、地域のひと一緒に家具作りのワークショップを継続的に行ったり、ワークショップで出てきた端材を作って施設内の壁をリノベーションをしていたとのことでした。



参加者の方からの質疑応答もとても盛り上がりました。近隣エリアで働いている方から「地域における竹藪問題をよく耳にするが、竹をキーワードに広がる部分があるのか?」といった話題が挙がりました。「日本全国スギダラケ倶楽部」などの事例を基に、今後の可能性について考えを深める機会にもなりました。主体性を持った街・空間・場のつくり方を考える上は、ひとつの手法だけではなく「多様性」をもったアプローチが必要とのこと。竹などの資源を使って食の交流会をするなど、正攻法ではなくても「楽しそうな方法」はとても有効であることを教えていただきました。


山川さんは事業についての想いを笑顔で語られていました。


「日本の地域にはサステナブルな資源が沢山ある。その資源の可能性を楽しめる人を自分が関わる人から広げていきたい」


はじまり商店街も地域に関わる活動をしていますので、まずは個人から「可能性を楽しむ」ということを私たちも大切にし、兜町・茅場町のまちで実践したいと思いました。



はじまり商店街では、様々なつながりのかたちを提案しています。今回のイベントもゲストトーク後に交流会の時間を設けていました。つながりが一時的なものではなく、ずっと続いてほしいという願いをこめて「場」を育てています。今後もはじまり商店街では幅広いトピックの中から、これからの暮らし方、働き方、生き方のヒントになりそうなキーワードを取り入れてイベントを開催していきます。ぜひご興味があればご参加いただければ幸いです。


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