2026.09.20
こんにちは!兜LIVE!編集部です。
2026年9月6日(日)、FinGATE KAYABAと兜町・茅場町エリアの飲食店を舞台に、「サマーピクニック!2026」が開催されました。
全国各地の酒蔵と人気飲食店がタッグを組み、日本酒と料理を楽しむ「サマーピクニック!」。メイン会場の FinGATE KAYABAに加え、街の5店舗も会場となり、参加者は飲食コインを手に各所を巡ります。
現在の「サマーピクニック」という名称になってから、今年で6回目。今ではすっかりおなじみのイベントになりました。
事前予約は約200名にのぼり、当日参加も受け付けられました。時折雨の降るあいにくの空模様にもかかわらず、会場にはこの日を楽しみにしていた人たちが次々と集まります。
近隣から訪れた人、このイベントを目当てに遠方から足を運んだ人、初参加の方から毎年参加しているリピーターまで、顔ぶれは様々。
実際、埼玉から訪れた参加者に話を聞くと、「毎回来ています」とのこと。サマーピクニックそのものを楽しみに足を運んでいるそうです。
若い世代から年配の方まで、男女を問わず多くの人が、思い思いに日本酒と、お酒に合わせて用意された料理を楽しむ空間となりました。
イベントのスタートを盛り上げたのは、サマーピクニック実行委員長を務める「青二才」オーナーの小椋道太さん。
乾杯の挨拶では、2人だけでする乾杯より、周囲の人も加わって 5人、10人でする乾杯が良い――そんな思いとともに、「お酒を介して、人と人がつながっていく」時間になればと呼びかけました。
そして、「乾杯!」の声を合図に会場のあちらこちらで、おちょこやグラスが一斉に上がります。
顔見知り同士だけでなく、その場で出会った人とも杯を交わし、会場は一気ににぎやかな空気に包まれました。
今年は、FinGATE KAYABA と街の5会場に、こんな顔ぶれがそろいました。
【FinGATE KAYABA】
① 青二才 × 上喜元・彩來
② 大野均 × 后・富然・大野均ラベル
③ ニロクジ × 川鶴・東北泉
④ 和酒フェス × 菊泉
⑤ こふく(郡山) × 一歩己
⑥ GONZO × EMISHIKI・福海
⑦ 串焼き小野田 × 山丹正宗・姿
⑧ GASHUE × 鶴齢
⑨ 鮨途上 × 作
⑩ 鬼灯(名古屋) × 二兎・松の寿
⑪サマーピクニック事務局 × 梵
【街の5会場】
① KABEAT × 賀儀屋
② 平和どぶろく兜町醸造所 × 紀土
③ 茅場町食堂 × 寒菊
④ つまみ菜 × 三連星・忍者
⑤ 日本酒スタンド酛 茅場町店 × 花陽浴
FinGATE KAYABA には、各地の日本酒や料理に出会える11の出展ブースがずらり。
飲食コインは会場で買い足すことも可能。私もブースを巡るうちに、あれもこれも試してみたくなり、途中でコインを追加購入しました。
それでは、各ブースを順番にご紹介します。
① 青二才 × 上喜元・彩來
最初は、小椋さんがオーナーを務める「青二才」。山形県酒田の「上喜元」と埼玉県上尾の「彩來」が並びます。
「上喜元」は、酒米それぞれの個性を引き出す酒造りを大切にする酒田酒造の銘柄。「彩來」は北西酒造が2019年に立ち上げたブランドで、香り・甘味・酸味の“彩り”を感じる酒を目指しています。
料理には、「鱧と茗荷の梅肉和え」や「シャインマスカットとマスカルポーネの白和え」など、青二才らしい遊び心のあるメニューが並びました。
② 大野均 × 后・富然・大野均ラベル
続いては、ラグビー元日本代表・大野均さんのブースです。大野さんは、現時点で日本代表キャップ98で歴代1位です!
吉乃友酒造の「后」や、今年5月に誕生した新ブランド「富然(ふうぜん)」などとともに並んだのが「大野均ラベル」。ラベルのイラストを手がけたのは、大野さんと日本代表や東芝でともにプレーした元ラグビー日本代表・浅原拓真さんです。
立山連峰を背景に、田んぼやラグビーボールを配したデザインには、大野さんと富山、日本酒、ラグビーとのつながりが表現されています。
大野さん自身もブースに立ち、来場者にお酒を注ぐなど交流。さらに街の会場にも足を運び、各所で参加者との記念撮影に応じるなど、イベントを盛り上げました。
③ ニロクジ × 川鶴・東北泉
「ニロクジ」には、香川県観音寺の「川鶴」と山形県遊佐の「東北泉」。
「川鶴」を醸す川鶴酒造は、地元・香川県産の米を中心に使い、蔵人自身も米作りに携わっています。「東北泉」を醸す高橋酒造店は、鳥海山の伏流水を仕込み水に、米本来の旨みを生かした酒造りを続けています。
また、川鶴からは、日本酒のほか、レモンを使った爽やかなリキュールも用意されていました。
料理には、夏の味覚を生かした「鱧寿司」と「鱧南蛮漬」。二つの仕立てで楽しめます。
④ 和酒フェス× 菊泉
「和酒フェス」のブースには、埼玉県深谷の「菊泉」に加え、各地からセレクトされた日本酒がずらり。
埼玉県深谷の滝澤酒造が手がけるスパークリング純米酒「菊泉ひとすじ」。シャンパン製法を応用した瓶内二次発酵で造られ、8年の歳月をかけて開発されたお酒です。
⑤ こふく(郡山) × 一歩己
福島県郡山から参加した「こふく」は、福島県古殿町の「一歩己」とタッグ。
「一歩己」は、1830年創業の豊国酒造が2010年に立ち上げた銘柄。阿武隈山系の自然に囲まれた古殿町で、この土地ならではの一杯を目指して酒造りを続けています。
料理には「福島の黄金桃」のほか、スティック状のカラスミも。ちょっと意外な見た目で、思わず手に取りたくなる一品です。
⑥ GONZO × EMISHIKI・福海
「GONZO」に並んだのは、滋賀県甲賀の笑四季酒造が手がける「EMISHIKI」と長崎県平戸の福田酒造が醸す「福海」。
EMISHIKI には花酵母「月下美人」を使ったお酒や貴醸酒などが並びました。
福田酒造は日本本土最西端の酒蔵。蔵元からは、古くから海外との往来があった平戸の土地についても話を聞くことができました。
料理には「エゾシカの赤ワイン煮込み」も。赤ワインを使った料理ですが、日本酒にもばっちり合いました。
⑦ 串焼き小野田 × 山丹正宗・姿
「串焼き小野田」では、愛媛県今治の「山丹正宗」と栃木県栃木の「姿」を提供。
「山丹正宗」を醸す八木酒造部は、1831年創業の今治市唯一の酒蔵。
栃木県の飯沼銘醸が手がける「姿」は、地元に伝わる八百比丘尼伝説ゆかりの「姿見の池」にちなんで名付けられた銘柄です。この日は、串焼き小野田のオリジナルラベル「けもの姿」も登場。
店主自ら狩猟したジビエを提供する「串焼き小野田」らしく、シカジャーキーやメキシカンソーセージが並びました。なかでもメキシカンソーセージは、早々に売り切れとなっていました。
⑧ GASHUE × 鶴齢
上野の日本酒パブ「GASHUE」には、雪国の新潟県魚沼で300年以上酒造りを続ける青木酒造の「鶴齢」。
この日は、1年半寝かせた生原酒を30杯限定で提供。料理もこのイベントのための特別仕様で、普段お店では提供していない1日限定の「和風プルドポークサンド」が登場しました。
⑨ 鮨途上 × 作
「鮨途上」では、三重県鈴鹿の清水清三郎商店が醸す「作」を提供。
「作」という名には、作り手だけでなく、販売する人、提供する人、味わう人とともに酒の価値を作り上げる、という思いが込められています。
目の前では、マグロの柵が切り分けられ、赤身や中トロが次々と握りになっていきます。できたての鮨をその場で買えるライブ感も、鮨ブースならでは。
⑩ 鬼灯(名古屋) × 二兎・松の寿
名古屋の「鬼灯」には、愛知県岡崎の丸石醸造が醸す「二兎」と、栃木県塩谷の松井酒造店が醸す「松の寿」。
「二兎」は「二兎追うものしか二兎を得ず」をコンセプトに、味と香、甘と辛など相反する要素のバランスを追求する銘柄です。一方の「松の寿」は、蔵の裏山から湧き出る超軟水を仕込水に使っています。
料理には、真蛸や牡蠣のスモークを使ったチーズ巻きのほか、「三河一色産うなぎ蒲焼きチーズ巻き」も。名古屋らしい一品が並びました。
10の出展ブースのほかにも、FinGATE KAYABA には日本酒を楽しむさまざまな仕掛けが用意されていました。
サマーピクニック事務局ブースには、福井県鯖江の加藤吉平商店が醸す「梵」。街の5会場と FinGATE KAYABA を巡って6つのスタンプを集めると、事務局ブースでお酒1杯がサービスされるスタンプラリーも行われました。また、着物で来場するとコイン1枚プレゼント!
さらに、今年初めての俳句ブースも登場。
この日は、第一句集『金魚』で第2回稲畑汀子賞奨励賞を受賞した俳人・阪西敦子さんも参加。日本酒にまつわる季語をヒントに、参加者が思い思いの一句を詠んでいきます。
「酔った勢いで!」と楽しみながら言葉をひねる姿もあり、詠まれた句はブースに次々と貼られていきます。
日本酒から会話が生まれ、さらに俳句まで生まれる。そんな遊び心もサマーピクニックらしいところです。
会場を見渡すと、外国人の日本酒ファンの姿も。気になる銘柄について蔵元の方に次々と質問し、熱心に話を聞く様子が見られました。造り手と直接言葉を交わせる距離の近さも、このイベントの魅力です。
FinGATE KAYABAの大型スクリーンに目を向けると、そこには街の各会場の様子が映し出されていました。
離れた場所にありながら、それぞれの会場のにぎわいがひとつにつながって見えます。画面を見ながら「次はあそこへ行ってみよう」と、行き先を決めることもできる仕掛けです。
スタンプラリーも楽しみに、街へ出ていくとしましょう。
① KABEAT × 賀儀屋
「KABEAT」では、愛媛県西条の成龍酒造が手掛ける「賀儀屋」とコラボレーション。ブースには「賀儀屋」に加え、「成龍然」も並んでいました。
「賀儀屋」は、“食べながら飲む”ことを意識して造られている銘柄。この日の限定おつまみには、「愛媛産真鯛とインゲンのゴマダレ和え」や「温州みかんの白和え」「じゃこ天の炙り」など、愛媛を感じさせる料理が用意されました。
「温州みかんの白和え」を、蔵元に勧めていただいた無濾過純米限定醸造「調和」瓶火入れと一緒に。白和えのまったりとしたコクと温州みかんの爽やかな酸味に、「調和」のまろやかな味わいが驚くほどよく合いました。
② 平和どぶろく兜町醸造所 × 紀土
「平和どぶろく兜町醸造所」では、和歌山の平和酒造が醸す「紀土」を提供。
平和酒造が2022年に開設した同醸造所は、兜町の店内でどぶろくを醸造し、出来立てを造り手自ら提供するブルワリーパブです。
この日は「紀土」に加え、プレーンやホップ、小豆、黒豆、白麹など、個性の異なるどぶろくもずらり。フードには、しっかりお腹も満たせるラーメンが用意されていました。
③ 茅場町食堂 × 寒菊
「茅場町食堂」は、千葉県山武の寒菊銘醸が醸す「寒菊」とコラボレーション。この組み合わせは毎年続いています。
この日は、九十九里浜の風土や季節感を表現する「OCEAN99」の「星海」「橙海」などを提供。
料理には「塩ゆで落花生」や「梨とセロリのピクルス」など、千葉ならではの食材を使ったメニューも用意されていました。
④ つまみ菜 × 三連星・忍者
「つまみ菜」には、滋賀県甲賀の「三連星」と「忍者」。
この2銘柄を醸す美冨久酒造と瀬古酒造は、どちらも甲賀市にある“ご近所”の酒蔵です。
「三連星」は、純米大吟醸・純米吟醸・純米酒の3つを主軸に、3種類の滋賀県産酒米を使うなど、いくつもの「3」にちなんで名付けられた銘柄。「忍者」は、その名の通り“忍者の里”甲賀で醸されています。
料理には「ポテトフライ 塩辛クリーム」といった、ひとひねりのあるメニューが用意されていました。
⑤ 日本酒スタンド酛 茅場町店 × 花陽浴
「日本酒スタンド酛 茅場町店」では、サマーピクニック初参加となる埼玉県羽生の「花陽浴」とコラボレーション。
普段なかなか出会えないという「花陽浴」が、この日は酒米違いを含む複数のラインナップで登場。同じ南陽醸造が醸す「藍の郷」も用意されていました。
料理には「羽生名物 豚の唐揚げ」や「玉こんにゃく 味噌田楽」などが提供されました。
店内だけでなく入口付近にも参加者が集まり、にぎわいを見せていました。
街の5会場を巡った後は、再び FinGATE KAYABA へ。
FinGATE KAYABA のステージには、ラグビー元日本代表の大野均さんも登場。
小椋さん、兜 LIVE! 代表理事の藤枝さんとともに3人で乾杯し、会場を盛り上げました。
会場では、大野さんに日本酒への思いも伺いました。
福島県郡山市で農業と酪農を営む家庭に生まれた大野さん。子どもの頃から農作業を手伝い、実家で作った米を食べて育ったそうです。
現在は吉乃友酒造のアンバサダーを務め、2025年には富山で、ラグビーファンの子どもたちや家族と日本酒造りのための田植えを体験。秋には酒米の稲刈りにも参加しました。
「米は常に身近にあったんです」
そう話す大野さんは、日本酒を「日本の文化」と捉えています。
この日、多くの人が日本酒を楽しみ、初めて会った人同士が自然と打ち解けていく様子を見て、「日本酒そのものがここに凝縮されている」と感じたそう。その言葉がとても印象的でした。
話題は、海外から日本へやって来るラグビー選手にも及びました。大野さん自身、選手たちに日本酒を勧めているそうです。
日本でそのおいしさに触れ、ファンになる選手もいるそうです。
「これだけいろいろな味があるんだっていうのは、日本に来てもらわないと分からない」
大野さんの言葉に、この日の会場で目にした、日本酒を楽しむ人々の姿が重なりました。
そして最後は、サマーピクニック実行委員会副委員長で「GONZO」オーナーの浅井剛一さんが、来場した皆さんや関係者への感謝を込めて閉会の挨拶。笑顔で今年のサマーピクニックを締めくくりました。
全国各地から集まった酒蔵。そのお酒に合わせた料理を用意する飲食店。そして、グラスを片手に FinGATE KAYABA と街の5会場を行き来する参加者。
「サマーピクニック!2026」で印象的だったのは、おいしい日本酒や料理だけではありませんでした。
人が出会い、酒蔵と店がつながり、街を巡る楽しみが生まれる。日本酒をきっかけに、そんなサマーピクニックならではの風景が兜町・茅場町に広がった一日でした。
また来年、この街で新しい一杯、新しい出会いに巡り合えるのが楽しみですね。
(取材・撮影:柴田幸恵)
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