2026.07.29
みなさん、こんにちは!
兜LIVE!編集部です。
日本橋兜町・茅場町エリアでは、2026年7月10日(金)〜7月31日(金)、グリーン(緑・自然)と共にあるライフスタイルを提案するイベント「LIVING GREEN FES vol.4」が開催。地域の企業や商店会、飲食店、町会などと連携しながら、期間中は8つのGREEN PROGRAMSが展開されました。
そのプログラムの一つで東京証券会館の屋上にある、屋上菜園「Edible KAYABAEN」にて、ミツバチ観察&はちみつ収穫体験会が7月19日(日)開催された様子をお届けします。

子どもたちの生きる力をはぐくみたいーー“投資と成長の街”、日本橋茅場町を“食べられる街”にしてしまおうと、このEdible KAYABAENプロジェクトはスタートしました。Edible KAYABAENの提案する〝学びあうガーデン&キッチン〟は、“食べる”ことを学びの軸にして、子どもたちの生きる力を育み、健康で安心の町づくりに貢献します。
(Edible KAYABAEN HPより抜粋)
まだまだ日差しの高い16:00。参加者である親子の皆さんがたくさん集まってきました。
強い日差しを避け、熱中症予防に用意された自家製ハーブウォーターを飲みながら待ちます。もちろん、こちらのハーブもこの屋上菜園で採れたものです。
定員20名のこちらのイベントは、満員御礼のようでした。特に親子で参加の方が多く、小学生くらいの子どもたちを中心に、にぎやかに体験会はスタートしました。
イベントは、スタッフのりゅうりゅう(山本竜太郎)さんの進行、そして養蜂家の中村和央さんのご挨拶でスタートしました。今回で2回目の開催となるこのイベント、通常ならばここで皆さんと自己紹介や談話があるそうなのですが、16:00といえど西日が強く屋上はすさまじい暑さです。
まずは皆さん自由に歩き回って、屋上菜園の散策をすることになりました。
「集合の呼びかけに気づかない人がいたときには『ズズズズズ…』とミツバチのように羽を震わせて合図しますので、周りの人にも同じ動きで教えてあげてください」と、りゅうりゅうさん。ミツバチの気分になって、庭園をそれぞれ自由に見て回ります。
夏の日差しにも負けない、様々な植物が青々としています。
こちらはトマト。近づいてみると、熟れてはいませんが、青くみずみずしい香りがします。
中村さんから、ミツバチの集まる場所を教えてもらっている様子です。
そう、ミツバチたちも水が大好き。巣箱から飛んできたミツバチが、地面に溜まった水辺に集まっています。
「踏まないように、気をつけて」と、子どもたちも声を掛け合いながら、かわいらしいミツバチの飛翔を観察していました。
ブラックベリーが熟しています。見た目にも鮮やかなこちらの木の実は、後ほどの試食会で人気を集めていました。
参加者の皆さんが興味深そうに覗き込んでいるのは大型の「コンポスト」。生ごみや落ち葉などの有機物を微生物の力で分解し、たい肥を作る容器のことです。大きな木箱が3つ並んでいますが、右から順に分解が進み、たい肥になる様子が観察できました。
生ごみが土のような姿になっていく様子は、なかなかに味わい深いものがあります。
さて、「ズズズズズ…」の羽音でキッチンの前に再集合した皆さん。ここからは、ミツバチのヒミツ大発見!ということで、ミツバチの生態について、中村さんからお話を伺います。
スタッフさんたちがテーブルの上にシェードを建ててくださり、暑さと日差し対策もばっちりです。
子どもたちを中心に、ミツバチについて学んだことや気になったことを書き留める用紙が配られました。ハチの巣をモチーフにした、六角形が素敵ですね。
まずは、皆さんでミツバチの巣を実際に触ってみます。ずらりと六角形が並んだハチの巣は、みつろうで作られていて、気温が高いため少しやわらかくなっています。
この「みつろう」とは、ミツバチの身体の中で生成されるものです。ミツバチのお腹にある「蝋腺(ろうせん)」という器官から分泌され、ロウソクやリップクリーム、ハンドクリームの材料にもなっています。
興味津々で皆さんかわるがわる手を伸ばしています。
この六角形の部屋のひとつひとつに卵が産みつけられ、成虫になるまでは約21日ほど。女王バチは卵を産むことだけを仕事とし、それ以外はすべて子である働きバチが担っているそうです。
女王バチは他のハチよりも身体が大きく、長生きです。その理由は女王バチだけが食べる特別な食事「ローヤルゼリー」のおかげだと中村さんは話してくれました。ローヤルゼリーは花粉とみつだけを食べる他のミツバチたちが、体内で合成した栄養価の高いクリーム状の物質です。女王バチとして選ばれた個体だけがこの特別な食事を口移しで与えられ、大きく長生きに育つのだそうです。
続いて、ミツバチの群れと巣枠をガラスケースに入れて観察します。間近で観察できるまたとない機会に、大人も子どもも一斉にガラスケースに集まります。巣の中には女王バチと、9割ほどのメス、1割のオス、そして幼虫がいるそうです。
女王バチはどこにいるのか?子どもたちの最大の関心事はそれです。
しばらく観察していると、一匹だけ身体が大きく、お腹の大きな女王バチの姿が見つかりました。なかなか見つけられない大人にも、子どもたちは率先して女王バチを教えてくれました。
ミツバチ観察の次は、いよいよはちみつ収穫体験です。中村さんから巣箱から、たっぷりとはちみつの詰まった巣枠を持ってきてくれました。
六角形の部屋の中がはちみつで満タンになると、ミツバチによって蜜蓋(みつぶた)がされるのです。その白っぽい蜜蓋を切り落として、巣枠を遠心分離器にかけることで、はちみつが採取できます。
包丁で蜜蓋を削ぎ落していきます。中からは黄金色のはちみつがたっぷりとあふれ出しました。この削ぎ落した蜜蓋も、蜜蝋でできているため、はちみつと一緒に食べられます。
蜜蠟はソフトチューイングキャンディといった食感です。口に残ると感じたり、苦手な方もいらっしゃるようですが、歯ごたえのある食材と食べたり、温めて食感を変えたりすると、食べやすくなるそうです。
蜜蓋を外した巣枠を遠心分離機にセットして、ハンドルを回していく作業です。
「ハンドルを回したい人〜!」との呼びかけに、子どもたちが殺到しました。皆さん、列に並んで順番待ちをします。
気合を入れて、ハンドルをぐるぐると回します。途中で蓋を開けると、ふんわりと甘いはちみつの香りが漂ってきました。
子どもたちだけではなく、大人も一緒になってハンドルを回し、はちみつを採取してきます。
いよいよ、お待ちかねの試食タイムです。採れたてのはちみつは、クラッカーやチーズ、ブラックベリーなどと一緒にいただきます。
子どもたちも待ちきれない様子で、どんな組み合わせではちみつを食べようかと話しています。
こちらが巣枠から外した蜜蓋と、採れたてそのままのはちみつです。さっそくこれらを、各々がお皿に取っていきます。
クラッカー、クリームチーズ、ブラックベリーとともに、巣蜜とはちみつをいただきます。濃厚で華やかなはちみつの味わいと、クリーミーなチーズはクラッカーにベストマッチ。
このはちみつの甘みは、花のみつがミツバチの体内でより甘みの強い「ぶどう糖」と「果糖」に分解されているから。働き者のミツバチの恩恵を受けて、新鮮なはちみつを堪能します。
「キュウリとはちみつを一緒に食べると、メロンの味がするって本当?」
そんな呼びかけが、りゅうりゅうさんからありました。そこで、急遽子どもたちと一緒に菜園のきゅうりを収穫します。
採れたての野菜まで味わえるのは、このイベントならではです。
収穫したばかりのきゅうり。はちみつと一緒に食べると、きゅうりの青いさわやかさとはちみつの甘みで、メロンと思えないこともない…?といった感想が聞かれました。そのままのきゅうりがやっぱりおいしい!という声も。
採れたてのきゅうりは新鮮で、自分で収穫した喜びもひとしおです。
最後に、遠心分離器に溜まったはちみつを濾過して瓶詰めする作業に入ります。下部の蓋を開閉し、濾過ネットにはちみつを通します。
こちらも中村さんの指導のもと、希望する子どもたちが順番に体験していきます。
濾過しただけのこだわりのはちみつが、こんなにたっぷり採れました。巣枠3枚でこれだけのはちみつが採れていますが、ミツバチ1匹が生涯で集めるはちみつは、たったティースプーン1杯ほど。それを知ると、ミツバチたちの働きに感謝せずにはいられません。
大人も子どもも最後まで、暑さをもろともせずに興味深くミツバチの生態とはちみつの収穫と向き合っていました。
都会の屋上に築かれた自然あふれる空間で、ミツバチやはちみつについて、五感を使って学ぶ、非常に豊かな体験になったのではないかと思います。
採れたてのはちみつは、希望者は購入することができます。この濃厚で密度の高い味わいが自宅でも味わえるのが、とても楽しみです。
今では文京区で10万匹、葉山で20万匹の養蜂を行う中村さん。もともと海や自然が好きで、趣味で始めた養蜂が、ミツバチの魅力もあり続けていくうちにここまでの規模になったそうです。2023年からは、Edible KAYABAENで養蜂をすることになったとのこと。
「採みつ作業は大変ですが、これからも国産はちみつのおいしさを伝えていきたい」と、笑顔で話してくださいました。
ミツバチを身近に感じ、観察することで、自然に感謝をしながらいっそうはちみつがおいしくいただける体験会でした。大人も子どもも興味津々で、五感を刺激しながら学べる素晴らしいイベントになったと思います。
ミツバチだけに限らず、屋上菜園を彩る様々な植物の匂いや味、鮮やかな美しさは、これからも食や自然に関心を持ち、大切にしていく良いきっかけになったのではないでしょうか。
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