2026.05.15
こんにちは!
兜LIVE!編集部です。
2026年6月12日(金)〜14日(日)、日枝神社で「山王祭(さんのうまつり)」が開催されます。京都の祇園祭、大阪の天神祭と並ぶ日本三大祭のひとつである山王祭ですが、「どんなお祭りなのかよく知らない」という方も多いのではないでしょうか。
この記事では、山王祭の歴史や成り立ちから、二つの大きな見どころまで、はじめての方でもわかるようにご紹介します。当日をより楽しむためのポイントもまとめましたので、ぜひ最後までご覧ください!

日枝神社は、鎌倉時代から江戸の地と深い縁をもつ神社です。江戸時代には徳川将軍家の、生まれた土地を一生にわたって守ってくれるとされる神様である産土神(うぶすながみ)として篤く信仰を集め、やがて「江戸の総鎮座神(その地域全体を守る神様)」として江戸の人々に親しまれるようになりました。
その歴史を辿ると、文明10年(1478年)に太田道灌(どうかん)が江戸城を築いた際、城内に祀ったのが始まりとされています。天正18年(1590年)の徳川家康入城に際しては、城内の紅葉山に新社殿が造られましたが、二代将軍秀忠の時代に、江戸城の拡張に伴って「半蔵門の外(現在の国立劇場付近)」へと遷座(せんざ)しました。ここが、後にご紹介する見どころのひとつ「元山王(もとさんのう)」と呼ばれる場所です。その後、明暦の大火(1657年)を経て、溜池を望む景勝の地であった現在の赤坂へと移り、今日に至ります。
「山王祭」とは、日枝神社の伝統行事として知られるお祭りですが、特定の一つのイベントを指すのではなく、約10日間にわたって皇居周辺の都心各所で執り行われる20以上の祭礼の総称です。山王祭には「本祭(ほんまつり)」と「かげまつり」があり、本祭は2年に一度、偶数年の6月に開催されます。神幸祭(じんこうさい)や下町連合渡御(したまちれんごうとぎょ)はそれぞれ、本祭を構成する重要な祭礼です。
江戸時代には将軍が直接ご覧になる「上覧」の栄誉を受けた格式ある祭りでもありました。そのため「天下祭」とも呼ばれ、神輿が江戸城内に入ることを許された祭りは、山王祭と神田祭のみだったといいます。今も京都の祇園祭・大阪の天満祭と並ぶ「日本三大祭」のひとつとして数えられています。
2020年以降、コロナ禍によって山王祭は中止を余儀なくされました。下町の町会や企業が一体となって支えてきた祭りでしたが、約6年・2200日以上にわたって本格的な行列が途絶えていました。2024年に満を持して復活を果たし、2026年は2年に一度の開催年を迎えます。
神幸祭は、山王祭最大の行事です。御鳳輦(ごほうれん)と呼ばれる鳳凰を飾った神輿を中心に、総勢500名以上の行列が東京の街を巡行します。行列は江戸時代の装束をまとった人々で構成され、鎧武者・弓矢・太鼓など、往時の武家文化を今に伝える姿が見られます。都心のど真ん中をこれほどの規模の時代行列が進む光景は、山王祭ならではのものです。

行列は日枝神社(赤坂)を出発し、皇居周辺をぐるりと巡って銀座・新橋方面まで足を延ばす、全行程およそ10時間の長い巡行です。主なルートと通過時刻(2024年実績)は以下の通りです。

特に注目したいのが以下の観覧スポットです。
巡行ルート上には見どころが点在しています。パンフレットが特に推薦するスポットをご紹介します。(時間は前回を参考としています。ご了承ください。)
① 半蔵門前(11時ごろ)
江戸時代、山王祭の行列が江戸城内へ入る入り口だった場所です。現在は半蔵門ですが、当時の行列の格式を感じながら観覧できます。
② 元山王の地・国立劇場前(11時10分ごろ)
かつて山王社があった場所で、駐輦祭(ちゅうれんさい)が行われます。神輿が神殿に移ったのちに奏楽の舞が行われるなど、歴史ある神事を間近で見られます。
③ 内堀通り
皇居内に入ることはありませんが、緑がいっぱいに広がる内濠の堤を背景に、華やかな行列が進む様子を約300メートルにわたって眺められます。View Spotとしておすすめです。
④ 皇居坂下門(12時05分ごろ)
駐輦祭と神社のお神札を皇居に献上する儀式である神符献上(しんぷけんじょう)が行われる、山王祭ならではのクライマックスのひとつ。皇居内でお祭りを行うことができる唯一の神社として、日枝神社の特別な格式を実感できる場面です。
⑤ 行幸通り
東京駅方面から神幸の行列を望む、視界の開けた絶好の観覧ポイントです。祭りの列の、華やかなビュースポットとしても知られています。
⑥ 日本橋日枝神社(摂社)(13時45分ごろ)
行列がここで一時休憩します。神輿が御旅所(おたびしょ)に収まる様子を見学できます。

⑦ 江戸東京の繁華街・中央通り(15時ごろ)
日本橋から大店が並び新橋まで続く中央通りは、江戸時代から東京随一の繁華街。その通りを神幸行列が練り歩く姿は圧巻です。
⑧ 帝国ホテル近く・内幸町(16時20分ごろ)
江戸時代には山車がここからスタートしていた、ゆかりの場所です。巡行終盤の神幸を見届けられる締めくくりのスポットです。
下町連合渡御は、日本橋・京橋エリアの町会が力を合わせ、山車(だし)や神輿16基が一斉に街を練り歩く行事です。日本橋日枝神社を起点に、すずらん通り・中央通り・日本橋と、江戸東京の歴史ある街並みを巡ります。

もともとは江戸後期に豪華絢爛な山車が江戸の町を練り歩いていましたが、明治以降、電線の普及などにより高さ4メートル以上の山車の巡行が都心では困難になり、次第に神輿の渡御へと変わっていきました。戦後の都市化とともに担ぎ手も減り、各町会の渡御の活気は一時失われていきました。2002年、日本橋と京橋の町会が連携して渡御を再開。2006年には茅場町が加わり「下町連合渡御」が始まり、2008年には八丁堀エリアも加わって現在の形になりました。以来、地域の町会・企業が一丸となって続けてきた行事です。
当日の流れをエリアごとにご紹介します。(時間は前回を参考としています。ご了承ください。)
【茅場町エリア】9:20ごろ〜
日本橋日枝神社(摂社)から神輿8基が一斉に宮出し(みやだし)します。神職に先導されて次々と神輿が出てくる様子は、一日の始まりにふさわしい力強い光景です。

【八丁堀エリア】10:10〜10:40ごろ
すずらん通りで別ルートを行く神輿3基が合流し、計11基に。複数の神輿が合わさる瞬間を間近で見られるスポットです。

【京橋エリア】12時ごろ〜
クライマックスのひとつが、この京橋です。中央通りが全面通行止めになり、16基すべての山車・神輿が一堂に集結。大通りを埋め尽くす迫力は、下町連合渡御ならではの見せ場です。

【日本橋エリア】13:30〜14時ごろ(クライマックス!)
いよいよフィナーレ。日本橋の道路元標の少し先で、神輿が折り返す際に「差し(さし)」と呼ばれる、神輿を天に向かって高く掲げる場面が行われます。数百キロもの神輿が担ぎ手たちによって一斉に差し上げられる光景は、この日のハイライトのひとつです。

さらに最後には、数基の神輿が日本橋高島屋を表敬訪問します。神輿がエントランスに入れるよう担ぎ手が腰を低く落とし、慎重に進んでいく様子も見どころのひとつ。内側・外側に集まった観客が固唾を飲んで見守る中、無事に収まった瞬間には大きな歓声が上がります。
神幸祭の巡行中は交通規制が実施され、特に下町連合渡御では中央通りが全面通行止めになります。お車でのお越しは難しい場面も多いため、電車でのご来場をおすすめします。
神幸祭は行列が長い距離を移動するため、観覧する場合も相応の移動が発生します。また下町連合渡御では茅場町〜日本橋のエリアを歩きながら神輿を追いかける楽しみ方もできます。ヒールのある靴より、歩きやすいスニーカーなどがおすすめです。6月の東京は蒸し暑くなる時期でもあるため、帽子・水分補給・日焼け対策もお忘れなく。
下町連合渡御の沿道には、各町会が設けた神酒所(みきしょ)と呼ばれる休憩・拠点が点在しています。神酒所は神輿の休憩所であり、地域の人々の交流の場でもあります。神輿を追いかけながら、ぜひ立ち寄ってみてください。

神幸祭・下町連合渡御ともに、行列は決まったルートに沿って移動します。事前にルートを把握しておくと、「どこで待てばいいか」「次にどこへ移動すればよいか」がわかり、当日をスムーズに楽しめます。日枝神社の公式サイトなどで最新情報を確認しておくとよいでしょう。
山王祭は、歴史の重みを肌で感じながら、東京の街の真ん中で体験できる祭りです。江戸時代から続く行列の装束、神輿の差し上げ、地域の人々が一体となって作り上げる熱気——その場にいてこそ伝わるものがきっとあります。
ぜひ足を運んでみてください!
2024年 兜LIVE!取材レポート
【山王祭2024】~神幸祭編~ 6年ぶりの開催!都心に約500人が行列を成す山王祭の目玉・神幸祭が行われました!
【山王祭2024】〜下町連合渡御編〜 日本三大祭・山王祭の本祭が6年ぶりに執り行われました!
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