2026.01.19
2026年の幕開け。かつて銀行として街の歴史を見守ってきた建物が、今、新たな感性の発信地として注目を集める日本橋兜町。その中心的な存在である「HOTEL K5」内の 「CAFE DANCE」にて、新春を祝う「テーブル茶道体験」が開催されました。
3日間にわたって行われたこのイベントには、日本文化に心を寄せる海外からのゲストを中心に、日本の方々も多く参加。正座をせずカジュアルに楽しめる“テーブル茶道”というスタイルが、現代のライフスタイルや旅のひとときに心地よく溶け込んでいました。新春の光が差し込む会場で流れた、穏やかで清々しい時間をレポートします。

日本橋兜町に佇む「HOTEL K5」は、1923年に建てられた歴史ある銀行建築をリノベーションして誕生したデザインホテルです。
かつての重厚な空気感をあえて残したコンクリートの壁や高い天井に、北欧デザインの洗練さと日本の美意識が大胆に融合しています。一歩足を踏み入れると、ここがかつて金融の中心地であったことを思い出させるような静謐さと、現代のクリエイティビティが共存する独特の緊張感が心地よく漂います。

お正月を迎え、エントランスには凛としたしめ縄が飾られ、伝統的な和のしつらえが現代的な建築美をより一層引き立てていました。

会場となった「CAFE DANCE」は、朝から多くの宿泊客で賑わう開放的な空間。コーヒーの香りと多言語が飛び交う国際色豊かな雰囲気の中、今回の茶道体験の設えが用意されると、その場の空気がふわりと整っていくのが感じられました。

今回、テーブル茶道を披露してくださったのは、江戸千家38年の茶歴を持つモダンスタイル茶道家・溝呂木真紀子先生。茶道を通して日本の伝統美をモダンに、そして五感で愉しむ時間を提案されています。

まずは、溝呂木先生によるお点前を鑑賞するところからスタート。
「正座をしなくていい」というテーブル茶道ならではのスタイルは、参加者の緊張を優しく解きほぐします。初めて茶道に触れる外国人ゲストの方々も、先生の流れるような所作を前に、自然と背筋が伸び、集中して見入る姿が印象的でした。

一連の所作に宿る“静けさを愉しむ”という日本文化の精神。その美しさを残そうと、熱心に写真や動画に収めるゲストも多く見受けられました。

お抹茶をいただく前に供されたのは、目にも鮮やかな季節の上生菓子。
2026年の干支である「午」をモチーフにした可愛らしいデザインをはじめ、前に進む力を象徴する「駒」、長寿を願う「亀甲」、そして繁栄の象徴である「鶴」など。いずれも新年にふさわしい、縁起の良いものばかりです。
「食べるのがもったいないほど美しい!」
「かわいい!!」
そんな声が上がる中、ゲストたちは一つひとつのデザインをじっくり眺めながら、日本ならではの“新年の特別な味わい”を堪能していました。


続いては、ゲスト自身がお抹茶を点てる体験です。
まずは、先生のコレクションの中からお好みの茶碗を選ぶところから。富士山が描かれた器や、手に馴染む温かみのある風合いのものなど、一つひとつ表情が異なる器を前に、ゲストたちは楽しそうに、真剣に自分の一客を選ばれていました。

先生やホテルスタッフによる英語のサポートを交えながら、いよいよ茶せんを手に取ります。
多くの方が茶道初心者ということもあり、最初は茶せんの独特な振り方に苦戦される場面もありました。しかし、溝呂木先生から「アルファベットの“M”や“W”を描くように手首を動かしてみて」という、分かりやすいアドバイスが送られると、参加者の皆さんは即座にコツを掴んだ様子。

みるみるうちに、お茶碗の中にはきめ細やかで美しい泡が立ち、会場のあちこちから 「Oh!」「Beautiful!」と感嘆の声が上がりました。
慣れない動きに戸惑うゲストには、先生がそっと手を添えてサポートする場面も。先生の温かな手解きによって、最後には全員が満足のいく自分だけの一杯を点てることができました。
「自分で点てると、より一層おいしく感じる」
「楽しい!!」
そんな声が溢れ、言葉の壁を越えてお茶を通じて心が通い合う、あたたかなシーンが連日見られました。

今回のイベントでは、もう一つの愉しみとして「おみくじ体験」も用意されていました。
引いていただいたのは、すべてに「大」と「吉」がつく、ポジティブな願いが込められた特別なおみくじ。
「大縁吉」「大好吉」「大舞吉」「大翔吉」など、一見似ているようでも、そこには異なるメッセージが。
「縁」…人とのつながり、新たな出会い
「好」…好きなことに出会える、喜び
「舞」…人生を愉しく、軽やかに
「翔」…高く飛躍する、新しい挑戦
それぞれの漢字の意味を英語で解説すると、ゲストの皆さんは「今の自分にとって、どんな意味があるだろう?」と真剣に向き合っていらっしゃいました。単なる占いではなく、漢字の奥深さを知り、自分自身を見つめ直す時間は、外国人ゲストにとっても深く心に残る体験となったようです。


テーブルには、お正月ならではの「室礼(しつらい)」が整えられ、日本の四季を愛でる文化についても紹介されました。
富士山や梅が描かれた扇子、無病息災を願う羽子板、そして清らかな空間を象徴するしめ飾り。一つひとつの道具に込められた祈りや背景を知ることで、それらは単なる“飾り”ではなく、日本人の精神性そのものとしてゲストの心に届いたように感じます。

お茶を点てる。
言葉(漢字)と向き合う。
季節のしつらえから願いを知る。
これらが幾重にも重なり合い、今回のテーブル茶道体験は、五感すべてで日本文化を味わう豊かなひとときとなりました。
伝統を守りつつ、形を変えて未来へとつなぐ日本橋兜町。その中心地であるK5で過ごした新春の時間は、国籍を問わず多くの人にとって、2026年の素晴らしい幕開けとなったはずです。
▪️K5
東京都中央区日本橋兜町3-5
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