2023.09.28
こんにちは!
兜LIVE編集部です。
8月19日(土) 、『日本酒を蔵元トークとテイスティングで楽しむ』を開催しました。
今では国際金融都市といわれる日本橋兜町。
江戸時代には日枝神社の門前町として栄え、酒問屋で賑わっていた「日本酒の聖地」でした。
東京証券取引所において初上場時の5回の鐘撞は、酒の原料である五穀豊穣にちなんでいるとのこと。
平日は賑わうこの兜町に、休日にも人が集まってもらいたい。そんな願いから日本各地の蔵元を招き日本酒について学び、味わい、楽しく交流し、その魅力を、兜町の魅力といっしょに広め、お酒が地域と人をつなぐ場所...。そんな場所に発展するように願いを込めて、毎月1回日本酒セミナーを開催しています。
今回は、栃木県塩谷町で「松の寿」を醸す松井酒造店代表取締役で初代下野杜氏である松井宣貴さんをお迎えして開催しました。栃木県は4蔵めとなります。
松井さんから、蔵の歴史、下野杜氏や仕込水についてなどなど、お聞かせ頂くことができました。そして、久し振りに3種のブラインドテイスティングを実施しました。同じ酵母を使用し、精米歩合も同じ、米違い3種(五百万石、雄町、夢ささら)の無濾過生酒をテイスティング。なかなかチャレンジングでしたよ!
◆ 松井酒造店について
・慶應年間に、初代が新潟県小千谷市から、水に惚れ込んで移り住んだ。
<塩谷町は日本屈指の名水地>
・栃木県塩谷町にある「尚仁沢湧水群(しょうじんさわゆうすいぐん)」は環境省が選定した全国名水百選
・全国37都道府県の美味しい水の中で、全国第一位になった名水
・広葉樹の原生林の森に囲まれた湧水で有名な景勝地
・県内では、新潟から移り住んで酒蔵を始めた例として、ほかに「姿」醸造元・飯沼銘醸がある。その他に、近江商人がルーツであるケースや、地元の庄屋であったケースがある。
・自分の経歴でも、高崎の美峰酒類で越後杜氏のもと、4年間働いた経験があり、新潟には縁がある。
<会社概要>
・会社名 :株式会社 松井酒造店
・本社 :栃木県塩谷郡塩谷町船生3683
・創業 :1865年 158周年
・代表 :代表取締役 松井 宣貴(5代目)
・経歴 :昭和42年4月21日生
東京農業大学農学部醸造学科卒※
・事業内容:清酒・リキュールの製造及び販売
※松井社長の東京農大ご同期
・青森県「菊の井」鳴海さん
・秋田県「雪の茅舎」齋藤さん
・宮城県「一ノ蔵」松本さん
・新潟県「越乃寒梅」石本さん
・長野県「明鏡止水」大澤さん(弟さん)
・長野県「川中島幻舞」千野ご夫妻
・富山県「福鶴」福島さん
・岡山県「酒一筋」利守さん
・福岡県「玉水」山下さん
<経営理念>
【水の恵み、米を磨き、人に感謝の酒造り】を信条とし国酒である日本酒を通じて、我が社をめぐる全ての人々との共存共栄を図り社業の発展を通じて心豊かな暮らしに貢献してまいります。
<ミッション>
先祖が残してくれた酒蔵の裏山から湧き出るこの水に思いを馳せ、水の恵みを大切にし、手間を惜しまず一滴一滴に愛情を込めて山奥の小さな酒蔵ならではの日本酒を醸し続ける。
◆ 蔵に戻ってから
・平成7年に蔵に戻った。当時は新潟から杜氏をはじめとして3人の蔵人が来て酒造りをしていた。
・平成10年には自分が杜氏となり、酒造りの体制を変更。当時、蔵元杜氏はまだメジャーではなかった。
・そのころ、全国新酒鑑評会に出品するには関東信越国税局の一審を通る必要があった。自分が蔵に戻る以前は全国新酒鑑評会に出品すらできていなかったが、平成12年には全国で入賞、平成13年には金賞を受賞することができた。
・現在では、市販酒を出品するコンテストにも力を入れている。IWCでは毎年のように賞を頂いており、令和3年(2021年)には「純米トロフィー」を受賞。通常の年であればロンドンの授賞式に出席できたが、コロナ禍でオンラインになってしまった。
<受賞歴>
・IWC(インターナショナルワインチャレンジ)「SAKE部門」
2012 吟醸酒・大吟醸酒の部 ゴールドメダル&塩谷町トロフィー
2013 2019 純米酒の部 ゴールドメダル&栃木純米トロフィー
2021 純米酒の部 ゴールドメダル&純米トロフィー
・Kura Master
2018 純米大吟醸酒&純米吟醸酒部門 プラチナ賞&金賞
2019 純米酒部門 金賞
・SAKE selection
2018 純米吟醸酒の部 金賞&銀賞
・全国新酒鑑評会
・関東信越国税局酒類鑑評会
吟醸酒の部
・栃木県清酒鑑評会
吟醸酒の部
山廃生酛の部
酒造組合会長賞 令和2年
燗審査の部
県知事賞 平成21年 令和2年
・平成18年に杜氏団体「下野杜氏」を発足。私は初代3名のうちの一人。以後毎年1~2名が認定を受けている。現在30名弱。今では県内に南部杜氏、越後杜氏はいないのではないか。
・下野杜氏の組織内では、情報のオープンソース化を実施し、日本全国の自然環境、お米の育成状況、お米の仕入れ等をタイムリーに共有している。
・井戸水ではなく、蔵の裏手に続く山から湧き出る硬度1.0の超軟水の湧水を仕込水に利用している(栃木県内の酒蔵で一番の軟水)。ミネラルが少ないので酒造りは難しくなるが、雑味が少ない為、醸造の技術がそのまま味に表れる。
・出来上がった日本酒は口当たりがやわらかでとても綺麗な酒質になる
・素晴らしい水で造られた日本酒は日光東照宮の御神酒として納められています
・国内需要は減っており、これからは輸出頼み。どのくらい輸出を伸ばせるかによって、今後の展望が変わってくる。
・父の代は日光・鬼怒川という観光地向けが9割。しかし観光地は水モノ。全国に出して行きたいと思ったが、「鬼怒川の安酒」というイメージが強く、宇都宮などでは売れない。東京で認められるようになって、漸く地元でも認められるようになった。
今回は、久し振りに3種のブラインドテイスティングです。同じ酵母を使用し、精米歩合も同じ、米違い3種(五百万石、雄町、夢ささら)の無濾過生酒をテイスティング。さて何名の方が当てられますかね!?
■利き酒3種 お酒の説明
難しかったですけど、5名の方が正解されました!もちろん、松井さんも正解です!
・毎回、恒例の集合写真です。オンライン参加者もご一緒に!
松井さんの物静かな語りから、手間を惜しまず一滴一滴に愛情を込めて酒造りに取り組んでいる姿勢が伝わって来ました。
そして、栃木県塩谷町の水の恵みは素晴らしいですね!実際に、名水地「尚仁沢湧水群(しょうじんさわゆうすいぐん)」に訪れ、現地で「松の寿」と仕込水を飲んでみたいですね。
松井さん、ありがとうございました!
<懇親会はKABUTO ONE1階のKNAGにて。店員さんもご一緒に記念撮影!>
懇親会も含めると、5種類の松の寿を味わうことができました!
<イベント前には渋沢栄一翁が生涯大切にした佐渡の縁起石「赤石」にタッチして運気アップ!>
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