2018.06.26
撮影:兜LIVE!編集部
こんにちは!
兜LIVE!編集部です。
2018年6月5日(火)東京証券取引所にて、「フィンテック勉強会〜日本の未来とフィンテックと私たち〜」が開催されました。
仮想通貨やキャッシュレス、そして、「フィンテック」など、最近ニュースで金融に関する単語を耳にする機会が増えたのではないでしょうか。
「気になるけれど、どこで情報を知ればいいのかわからない」「もっと詳しく勉強したい!」。そんな方に向けて、講師である日本銀行の宮 将史(みや まさふみ)さんが、本勉強会で「フィンテック」について教えてくださりました。今回は、その様子をご紹介します。
フィンテック(FinTech)とは、「金融サービス」という意味のファイナンス(Finance)と「技術」という意味のテクノロジー(Technology)を掛け合わせた造語。日本では金融テクノロジーや金融ITと略されることもあります。
日本銀行が指すフィンテックは、お金を支払う、貯める、借りる、増やす……。それらをするために必要な金融サービスを、技術でより便利に、楽しくするためのものと捉えています。
また、スマートフォンや人工知能(AI)などIT化が進む日本では、便利さとともに安全性が求められているのも事実。そんな状況から、日本銀行は、技術を駆使しながらフィンテックを通して個人・企業・金融機関がより便利に、安全に、そして豊かになる世界を目指しています。
撮影:兜LIVE!編集部
まず、フィンテック分野の技術が発達している中国で人気を誇るサービス「支付宝(アリペイ)」の事例を見ながら、日本の課題について考えました。
「支付宝(アリペイ)」は利用者が5億人いるといわれているサービス。これひとつで映画館やタクシーの予約から、口座間送金など金融に関わるサービスを利用することができるんです。
印象的だったのが、個人信用スコアと、QRコード決済のお話でした。
個人信用スコアというのは、「支付宝(アリペイ)」の関連企業が行っているサービス。学歴や職歴、資産(車や家など)の保有状況、交友関係などがスコア化されたものです。
日々の生活がスコア化され、高いスコアほどビザ手続きが軽減されるなどの優遇が設けられた「良い行動がより良い結果に」繋がるサービスです。最近の中国では、名刺交換やお見合いなど交流の場でスコアを見せ合うシーンも見られるとか。個人の信用がスコア化、つまり見える化されているんですね。
また、日本に取り込みやすい事例として挙げられていたのがQRコード決済。日本ではTwitterやLINEなどのSNSでQRコードを通してフォローや友達を追加することができますよね。中国では、それを決済に使うという取り組みが盛んだそう。
一番多い取り組みが、店側が予めQRコードを貼り、支払者が金額を入力し、指紋認証を使って送金するもの。屋台や自動販売機、そして賽銭箱でも使われているサービスです。
撮影:兜LIVE!編集部
以上の事例を見ながら考えた日本の課題は、既に形成された金融サービスが重石になっているということ。フィンテックを広めるにおいて、既存のサービスをどう活かすかが重要だそう。
次に、フィンテックの話題から広げてキャッシュレス社会について考えました。
日本は世界最大の現金保有国といわれているのが現状。現金は「匿名性」「取引がその場で終わる」点が優れている一方、日本の人口が減少していることから金融機関(銀行やATMなど)などでは現金を扱う人手のかかる作業は減らしていくべきといわれています。
そこで宮さんが提案するのが、フィンテック分野を利用したキャッシュレスと現金の「シーンごとの使い分け」。お金のやりとりはもちろん、社会全体がデジタル化することに合わせてサービスも進むべきだと考えています。
また、情報セキュリティやプライバシーを保つために、仮想通貨で話題となった「ブロックチェーン」技術を活用することも大事だと仰っていました。
撮影:兜LIVE!編集部
日本銀行では、フィンテック(FinTech)センターの設立や、学界との連携、そして今回のようなフィンテック勉強会など、さまざまな取り組みを行っているそう。これからも注目していきたい、金融に関する取り組みがたくさんありました。
今回行われた「フィンテック勉強会〜日本の未来とフィンテックと私たち〜」では、いま話題の「フィンテック」を活用した日本の未来の在り方を勉強しました。
日本の現状を踏まえつつ、「フィンテックは社会の大きな変革のごく一部分に過ぎない」ということを前提に、事例を見ながらわかりやすく学ぶことができました。
私たちがフィンテックや仮想通貨など、社会や経済の動きについて今まで以上に意識を向ければ、より便利で安全な未来が実現できそうです。
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