2023.06.19
こんにちは!
兜LIVE編集部です。
5月20日(土) 、『日本酒を蔵元トークとテイスティングで楽しむ』を開催しました。
今では国際金融都市といわれる日本橋兜町。
江戸時代には日枝神社の門前町として栄え、酒問屋で賑わっていた「日本酒の聖地」でした。
東京証券取引所において初上場時の5回の鐘撞は、酒の原料である五穀豊穣にちなんでいるとのこと。
平日は賑わうこの兜町に、休日にも人が集まってもらいたい。そんな願いから日本各地の蔵元を招き日本酒について学び、味わい、楽しく交流し、その魅力を、兜町の魅力といっしょに広目、お酒が地域と人をつなぐ場所...。そんな場所に発展するように願いを込めて、毎月1回日本酒セミナーを開催しています。
今回は、群馬県館林市で「分福」を醸す分福酒造の代表取締役毛塚征幸さんをお迎えしての開催でした。群馬県の蔵元は初登場です。いつものセミナー形式から趣を変えて、「ぶっちゃけトーク」として、この字型配席で、「茅場町食堂」のおつまみセットを摘まみながらテイスティングしながらのフリートーク形式で開催でした。
毛塚さん、ありがとうございました!
・社会人として6年間、大阪の繊維メーカーの営業マンを経て、平成4年(1992年)31歳の時に家業の酒蔵に戻った。
・得意の営業を活かし2年で2.5倍に売上げを伸ばした(1,500石から4,000石)。そんなとき、自分で真剣に飲んでみたら、自分の考えている「旨い酒」ではなかった。そこから酒造りに専念。自分が旨いと思う酒だけを造ろうと500石まで減らし、更に300石までになっている。
・現在は、熱い想いを込めた独自の酒造りを行っている。
・文政8年(1825年)、初代 毛塚友吉により館林城下南西部の本紺屋(現在の市内仲町)にて創業。・屋号は「丸木屋」。初期の銘柄は「龍水」。館林は地下水が豊富でよく湧水が出たことから命名。大正時代に入り「分福」。「福を分ける」という縁起のよさと、館林にまつわる伝説「分福茶釜」にちなんで命名。
・昭和29年(1954年)、社名を分福酒造に変更する。
・昭和50年(1975年)、酒蔵を市内野辺町に移転(母屋・店舗は残す)。
・平成10年(1998年)、本社店舗部分が館林旧城下に現存する数少ない町屋で往時の雰囲気を現在に伝えていることから、国の登録文化財に指定され「毛塚記念館」として生まれ変わる。
・酒造りの姿勢においては、赤城山系の自然水、契約栽培での自然栽培米を原料に、昔ながらの手造りにて酒を醸すことにこだわっている。
・昭和50年老朽化に伴い酒蔵を現在の野辺町に移転し、平成9年毛塚家住居である母屋も取り壊す際、「おみせ」(店舗)だけでも残せばこの地が酒蔵であったことを示してくれると思う気持ちと、町屋の特徴を持ち文化的価値が高いので残してほしいという行政からの要望もあり、「国土の歴史的景観に寄与している」として平成10年に国の有形文化財に登録され、保存修理工事を行い往時の姿に復元させたのが毛塚記念館である。
・古いものを保存維持することの難しさを十分理解しており、現在、古い家をお持ちの方々にはぜひとも歴史の重みを消さず共に歩んでいただきたいと感じている。
・地域のオアシス、コミュニティの場としてなるべく活用して頂きたいとの想いから拝観は無料にしている。また、1階では日本の文化・伝統を残すお手伝いになればと思い、地元の作芸家の手作り品の発表の場としていたが、コロナ禍で3年営業休止後、リノベーションし、新たに生まれ替わった。日本酒「分福」販売部と日本酒研究所「狸庵」とに間仕切りし、江戸時代の梁と新たな無垢材との調和、新旧の木の温もりを大切に、ゆっくりくつろげる空間を演出した。
(日本酒研究所「狸庵」は完全予約制です)
・2階では、分福酒造が以前使用していた酒道具、毛塚で使用していた物を展示している。
・通常3種類ですが、今回は何と7種類!
・「造るお酒はそれぞれ違う味わいにしたい」という毛塚社長のご説明をお聞きしながら味わいました。
▼日本酒の種類
①「分福」純米大吟醸
滋賀県で栽培されている希少な有機山田錦を使用。使用を初めて30年ほどになる。
②「分福」全麹仕込み 純米直汲み生原酒
清酒の定義により、原材料は米・米麹とする必要があるため、実際の米麹使用率は100%ではなく99.x%。しかし、製造を始めた当時、税務署の酒類指導官が「殆ど麹なので全麹と呼んで良いでしょう」としたことから、「全麹」と呼んでいる。
③「分福」純米吟醸 生酒
華やかで瑞々しいお酒。館林山田錦使用。農水省に働きかけ、産地品種銘柄申請(群馬産山田錦)を取得し、早6年が経過した。地元農家と共に手植え、手刈した山田錦を原料にしている。
④「分福」純米吟醸生原酒 氷温7年貯蔵<玉栄使用>
カカオのような風味が特徴。元々は、酒屋さんに長く置いてもへこたれないお酒にするため酒質設計したのが端緒。それを生酒で試してみたところ、3年程経つと燻製のような香味が出てきた。それ以来、その香味を狙って造り続けている。
⑤「分福」舞風純米吟醸 KAZE酵母
群馬県オリジナルの酒造好適米「舞風」を使用。「上毛かるた」の「鶴舞う形の群馬県」と、群馬名物の「かかあ天下と空っ風」から文字を取って名付けられた。当蔵では数少ない辛口のお酒。
⑥「分福」大吟醸原酒 氷温14年貯蔵
⑦「分福」辛口純米大古酒 蔵内16年貯蔵
乾杯!
茅場町食堂のおつまみセットを肴に楽しく懇親でした。
・毎回、恒例の集合写真です。今回は7種類ですので、まだまだ飲み足らないですね(笑)
毛塚さんの「ぶっちゃけトーク」は、実にたくさんのことを学ぶことができたと思います。やはり、リアルトークは楽しいですね。ということで今回はオンラインなしでしたので、会場に来れないけど、参加しようと思っていた方には「ごめんなさい」です。
蔵見学できますので、ぜひ館林へ行きましょう!
<蔵元トーク前に、渋沢栄一が生涯大切にした佐渡の赤石(縁起石)にタッチして運気アップ!>
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