2019.06.10

第13回『日本酒を蔵元トークとテイスティングで楽しむ会』を開催しました。

こんにちは!
兜LIVE編集部です。


5月23日(木)日本橋茅場町にあるFinGATE KAYABAにて『日本酒を蔵元トークとテイスティングで楽しむ』会を開催しました。



事始めの街と呼ばれている兜町。江戸時代には酒問屋で賑わっていたこの街で、日本各地の蔵元とともに日本酒について学び、味わい、楽しく交流しその魅力を広めるため、毎月1回の頻度でイベントを開催しています。


今回は秋田県南秋田郡五城目町から福禄寿酒造の渡邉康衛さんをお招きして、福禄寿酒造でのお酒づくりや取り組み、創業地である秋田県五城目町のことなどをお話いただきました。


◆福禄寿酒造について

福禄寿酒造 16代目蔵元 渡邉康衛さん


福禄寿酒造は、1688年(元禄元年)秋田県五城目町で創業されました。
今年でなんと創業331年目。ものすごく歴史のある酒蔵で、上酒蔵・下酒蔵・事務室・住宅が、全国登録有形文化財に登録されています。


「福禄寿酒造」の名前の由来は、七福神の福禄寿から、子孫繁栄や商売繁盛を願って名付けられました。


創業当時は、どぶろくを主に製造されていて、昭和40年代までは味噌と醤油の製造も行なっていたそうです。


しかし、2000年頃の福禄寿酒造の生産量2,800石のうち約95%が普通酒だったのですが、お酒を造ってもなかなか金賞が取れず苦しい時期が続いたそうです。


その時に「"白"いお米と"水"から"成"る"一"番旨い酒」という想いのもと「一白水成」を開発。一白水成は、全国新酒鑑評会で金賞、東北清酒鑑評会でも首席優等賞(1位)を受賞するなど、様々なメディアにも取り上げられ、日本中で愉しまれるお酒になりました。

本日はその一白水成を実際にテイスティングします♪




福禄寿酒造がある秋田県五城目町について

福禄寿酒造がある秋田県五城目町では、朝市通りと呼ばれる場所で毎月2・5・7・0の付く日に朝市が開催されます!


この朝市のはじまりは、なんと500年以上前の1495年から。
当時、五城目町馬場目の地頭であった安東季宗が齊藤弥七郎に命じて、市場の守護をする「市神」をまつらせ、市を開いたのが始まりと伝えられています。
その時の市が今日まで続いているのですね。


当日渡邊さんから見せていただいた秋田県五城目町のプロモーションムービーがこちら♪

3:25あたりから、渡邊さんと福禄寿酒造の映像も流れるのでぜひご覧になってください!



とても自然豊かで住民同士のつながりも深そうで、温かみのある素敵な場所ですね✨



◆一白水成ができるまで 〜地産を目指したお酒造り〜


蔵の敷地から湧き出ている中硬水を仕込水として使用

お酒造りを勉強する大学などでは軟水を基準にして勉強することもあり、一白水成も最初は軟水で作っていたそうです。しかし「なんでこの地で酒造りをするのか」ということを考えると、331年前にこの地で酒造りを始めたことを信じて、今は蔵の敷地から湧き出ている硬水を使用しています。一白水成のコクや甘みはこのお水からきてるのではと渡邉さんはおっしゃっていました。


秋田県五城目町の酒米を用いたお酒造り

平成20年に「五城目町酒米研究会」を発足して、地元の農家さん10人と契約栽培し、主に「秋田酒こまち」「美山錦」「美郷錦」「吟の精」の4種類の酒米を中心的に使用したお酒造りを行なっています。


福禄寿酒造では、「五城目町酒米研究会」と一緒に田植えから稲刈りまで一緒に観察し、仕上がったお米を分析しています。


お米のデータやお米の管理方法などをみて、その年で一番良い酒米を選び、その酒米だけを使用した「一白水成 プレミアム」というお酒も造っています。


全国的には「山田錦」などのお米が使われることが多いのですが、秋田県では地産の酒米が使われるケースが増えてきているそうです。




蔵元の垣根を越えた技術交流 〜NEXT5〜

「NEXT5」は、渡邉さんを含め、秋田の蔵元5名により2010年4月に結成されました。
当時の秋田県では、蔵元であり酒造りも行なっていた人はNEXT5の5名だけだったそうです。昔は蔵元は経営者、酒造りは杜氏と分業制が一般的でした。


その時に、技術交流や流通の情報交換、それから日本酒ファンの開拓を行なっていこうと一致団結。共同で醸造酒をつくったり、酒造りについて研究したり、秋田県のお酒を広めるイベントも共同で開催したりしています。


◆NEXT5メンバー

・秋田醸造株式会社(ゆきの美人)小林忠彦さん
・山本合名会社(白瀑)山本友文さん
・新政酒造株式会社(新政)佐藤祐輔さん
・福禄寿酒造株式会社(一白水成)渡邉康衛さん
・合名会社栗林酒造店(春霞)栗林直章さん


◆利き酒を楽しみながら交流会


本日は、「①一白水成 純米吟醸 短稈渡船(たんかんわたりぶね)」「②一白水成 純米吟醸 山田穂(やまだほ)」「③一白水成 純米吟醸 山田錦(やまだにしき)」の3種類をテイスティングしました♪


山田錦から見ると、山田穂は母に、短稈渡船は父にあたる。というヒント?をもとにブラインドテイスティングしました!


山田穂と短稈渡船はどちらもフルーティーでフレッシュ感のある酸味があったので、見当がつきませんでした...。山田錦は2つに比べると少しまろやかな印象かも...!と感じました。


正解された方には、渡邊さんから福禄寿酒造の前掛け・手ぬぐいと、コーヒー豆のプレゼントもありましたよ〜♪




テイスティングの後は、味わうお酒でお持ちいただいた

・一白水成 Sunday Back Nine

・一白水成 プレミアム 純米大吟醸

・一白水成 Moving Saturday

とおつまみも合わせて参加者同士で交流会♪


一白水成プレミアムは、五城目町酒米研究会でその年に一番良い酒米で造られたお酒です!どのお酒もフルーティーな香りで、スゥーと体に入ってくるような飲みやすさが特徴的だなと感じました。



交流会では、渡邊さんを交えながら参加同士も日本酒トークで盛り上がっていました。

日本酒は奥が深いので話も弾みます♪ 


最後にみなさんで記念撮影をしてイベントは終了しました!




◆まとめ:会を終えて

歴史ある福禄寿酒造さんでのお酒造りや、渡邊さんが取り組んでいる活動などもお聞きすることができました。「地酒を語るなら、その街も語ろう!」という言葉が印象的でした。


日本酒の味や質を追求するために、その土地以外のものを使っていくことも大事な要素だとは思いますが、福禄寿酒造さんで取り組んでいるように、自分たちの土地のものを最大限活用した日本酒作りも愛情深くてとても素敵だなと感じました。


今回で13回目の『日本酒を蔵元トークとテイスティングで楽しむ会』。

兜LIVE!編集部のメンバーも、どんどん日本酒の虜になっています(*^^*)



福禄寿酒造


NEXT5



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