2022.05.30

【かぶかや・ヒューマン】#20 鈴木明美さん『中央区地域スポーツクラブ大江戸日本橋・京橋』(通称:メープル) 会長)

2022年3月、中央区で2例目となる地域スポーツクラブ『中央区地域スポーツクラブ 大江戸日本橋・京橋』(通称:メープル)が設立されました。


今回、メープルの会長を務める鈴木明美さんに設立経緯やメープルの特徴、今後の展望などについてお話を伺いました。



◆中央区で2つ目の地域スポーツクラブ『メープル』とは?

ーー鈴木さん、本日はよろしくお願いいたします!早速ですが、鈴木さんが会長でいらっしゃる『中央区地域スポーツクラブ 大江戸日本橋・京橋』(通称:メープル)は、どのようなクラブなのでしょうか?


メープルは、地域の方々が運動や文化に手軽に触れられる場を提供することを目指しています。幅広い年齢層が集う場所となり、結果良いコミュニティがつくられて行くと嬉しいです。

名前の中にある「メープル」は、以前日本橋・京橋地区に流れていた「紅葉川」を由来として、この地域らしさを出す愛称としてつけたものです。

まだ立ち上げたばかりのため、会員数は100名ほどです。会員にはお子さんも多く、親子で楽しむプログラムや、近隣の企業に勤める方が仕事帰りにスポーツを楽しむべく利用してくださることもあります。


区内のもうひとつの地域スポーツクラブ『大江戸月島』とは、兄弟関係にあるクラブです。


ーー設立経緯について教えてください。


中央区で一つ目の地域スポーツクラブ設立のお話をさせてください。


中央区には月島エリアを中心に活動する『中央区地域スポーツクラブ大江戸月島』と日本橋・京橋エリアを拠点とする『大江戸日本橋・京橋』(通称:メープル)の、2つのクラブがあります。9年前最初につくったのが『大江戸月島』です。『大江戸月島』の立ち上げには、私自身もスポーツ推進委委員として携わってきました。


『大江戸月島』を設立する際、地域スポーツクラブについて学ぶ勉強会や講習会、海外視察にも参加して、薄れつつある「地域のつながり」を草の根から再構築する重要性を実感しました。そこで、区内にも月島・日本橋・京橋地区にそれぞれクラブを設立したいと考えていたんです。


ただ、新しい活動ということもあり、まずは会場が確保できた月島でクラブを立ち上げることにしました。月島には次々と建つ高層マンションの新しい住民と古くからの住民とのコミュニケーションが不足しているという喫緊の課題もあったからです。

おかげさまで『大江戸月島』が軌道に乗ったことで、日本橋・京橋地区を一括したクラブの設立検討会が3年前に発足。設立準備会をへて、設立総会に至りました。


メープルはもう少し早く立ち上がると思っていましたが、新型コロナウイルス感染症が猛威をふるい始め、準備期間が長く必要となってしまいました。


ーーなるほど。立ち上げにはコロナ禍の影響もあったのですね。


そうなんです。コロナ禍で対面コミュニケーションが制限されたこともあり、立ち上げ検討メンバーと会議を持つことができなくて。決めるべきことが、なかなか詰められませんでした。


そうこうしているうちに、メープル立ち上げを決意してから3年が経ってしまい、2022年3月にようやく総会を開くことができました。感染症対策のために人数制限ありで体験会を開くなど、制約のある中でも無事に活動を開始できて良かったなと思います。

設立総会の様子 


運営スタッフの皆さんと。2022年3月 阪本小学校にて。


◆コンセプトは住民と近隣企業の「つながり」を深めること

ーーメープルでは現在、どのようなプログラムが実施されているのですか?


スポーツ事業と文化事業を軸に、全部で19個のプログラムを実施しています。特にお囃子は、メープルならではのプログラムです。活動拠点の阪本小学校が、地域の文化を学ぶ授業の中で子どもたちにお囃子を教えているんですね。それで、和室や和楽器と本格的な環境が整っているんです。日本橋・京橋ならではの活動を体験していただけると思います。


また、地域に貢献する活動やイベントなども積極的に行っていきたいと思っています。すでに中央区との共働事業を検討しているほか、学校の部活動の活性化もトライしていきたいことの一つです。


ーー各プログラムの講師はどのような方なのでしょうか?


中央区には各競技の連盟や、さまざまなスポーツの事務所があります。このような環境を活かして、各分野でご活躍の方々を講師にご協力頂いたり、プロ選手が在籍している企業に講師の派遣を依頼したりしています。


近隣の企業が会場を貸してくださることもあり、地域企業のCSR活動の一環として、メープルの活動に関わっていただくこともあります。


ーーメープルの活動には、どのように参加すればよいのでしょうか?

中央区と何らかのつながりのある方(中央区に在住・在勤・勉強にきている方など)であればどなたでもご参加いただけます。活動の情報はメープルのホームページで随時公開しているので、ぜひチェックして各プログラムの体験会に参加していただければと思います。


そこで入会したいと思った場合、会員登録をしていただきます。年会費は中学生以下が2,000円、高校生以上が3,000円、65歳以上が2,200円で、活動にかかる傷害保険の費用も含んでいます。あとは各プログラムの参加費用を払って活動に参加していただく形です。



ーーメープルならではの特徴はありますか?


大きな特徴はコンセプトにあります。『大江戸月島』の場合は新旧住民のコミュニケーション活性化を目指してクラブを立ち上げましたが、メープルの場合は「地域の企業と住民とのコミュニケーション活性化」も目的の1つとして掲げています。


やはり地域住民と企業に勤める人が顔見知りになっていると、大規模地震などの有事の際にお互い助け合いやすくなると思うんです。在勤の方も単なる勤務地としてだけでなく、日本橋・京橋地区の魅力を感じて、地域愛を深めてもらいたいという気持ちもあります。

また、住民にとっての新たな出会い創出の機会になることも期待しています。住民と企業の結びつきが深まることで、日本橋・京橋地区のコミュニティの活性化につながればと考えています。


今考案していることがあるんですが、メープルの会員証を見せるとちょっとしたサービスをしてもらえたり、お店の方も新たな顧客の開拓にも繋がるのではないでしょうか。


メープル名誉会員NO1は山本中央区長

◆スポーツ行政に長く貢献した鈴木さん。東京五輪で「折り鶴ウェーブ」の考案も

ーーそもそも鈴木さんが区のスポーツ推進委員を担当することになったのはどうしてだったのでしょう?


ママさんバレーに参加していたご縁です。私自身は結婚をきっかけに、夫の実家のある中央区に住むことになって、この地域でフラワーアレンジメントや生け花を教える教室を長年開いてきました。


鈴木さんの作品


趣味の一環としてママさんバレーに参加していたのですが、そこでキャプテンを17年ほど務めていて。そのご縁から、当時は体育指導員と呼ばれていたスポーツ推進委員を拝命することになりました。


区民のスポーツ活動と行政との間を取り持つ役割を担いながら、自分自身も研鑽を積んでソフトエアロビクスの資格を取得。老若男女問わず参加できる体操を考案して「エンジョイフィットネス教室」を企画・運営するなど、区のスポーツ活動に33年間貢献してきました。


ーースポーツを通じて、区内のさまざまな活動を担ってきたのですね。


2021年に開催した東京オリンピックでも、ありがたいことに中央区の区民協議会に参加しました。中央区には選手村が来るということで、メディアにも取り上げていただいた中央区のおもてなしプロジェクト「折り鶴ウェーブ」を企画提案し、実現することができました。


ーー「折り鶴ウェーブ」は鈴木さんの考案だったのですね!


そうなんです。アイデアのきっかけは、ある高齢者の方と東京オリンピックについて話したことでした。

その方は「私たちも何らかの形でオリンピックに関わりたいけれど、語学もできないし、外で活動するのも大変だけど、中央区に選手村が出来るので、何か『おもてなし』をしたい」と語って下さったので。日本の伝統文化である折り紙で作るのは誰にでも取組んで頂けるし、平和の象徴である「折り鶴」を選んだ経緯です。


鶴は平和の象徴。心を込めて折り鶴をつくることで、小さなおもてなしの気持ちと平和への祈りが大きな波となって海外に届くよう『折り鶴ウェーブ』という企画をつくりました。


ありがたいことに区全体で積極的にこの活動を推進していただきました。メディアにも取り上げられ、全国の方にも参加していただき、全部で21万羽ほどの折り鶴が完成しました。コロナ感染防止のため選手に直接お渡しはできなかったのですが、折り鶴をケースに入れたオブジェの展示を行い、多くの選手からオブジェにサインをしていただいたと聞いています。


東京オリンピックの際のたくさんの記録も見せていただきました


ーー鈴木さんは本当にさまざまなアイデアを実現されたんですね。


いろいろなアイデアを思いついてしまうタイプなのですが、それを実現させてもらえる環境にいて、本当にありがたいことだと思います。今の私があるのは、みなさんのおかげなんですよ。


◆地域活性化につながる新たなコミュニティをめざして

ーー最後に、『中央区地域スポーツクラブ 大江戸日本橋・京橋』(通称:メープル)の今後の展望について教えてください。

この活動を通じて、老若男女さまざまな地域の方がつながることで、中央区の新しいコミュニティの形になればと思っています。


また、メープルでさまざまなプログラムに参加することで、子どもの新しい未来をつくるきっかけになればとも思いますね。


まだ検討段階なのですが、メープルの活動で地域企業の活性化に貢献出来たらとも考えているんですよ。例えば、メープルの会員証があれば協力企業でサービスが割引になるといった工夫ですね。メープルの会員が喜んでくれて、地域活性化にも役立つようなWin-Winの関係がつくりたいと考えています。


多くの方にメープルを知っていただいて、利用していただけたら嬉しいです。

中央区地域スポーツクラブ大江戸日本橋・京橋(通称:メープル)


取材・文:市岡光子

編集:兜LIVE!


******************

▼兜LIVE!(かぶとらいぶ)

人と歴史と未来をつなぐ応援プロジェクト

兜LIVE!では、たくさんの方が日本橋兜町・茅場町に親しみを持っていただけるような楽しく勉強になるイベントを企画・実施していきます。FacebookやInstagramをフォローして最新情報をチェックしてくださいね。

Facebook

Instagram

Twitter


×

兜LIVE!について

運営

一般社団法人日本橋兜らいぶ推進協議会

代表者

藤枝昭裕

住所

〒103-0026
東京都中央区日本橋兜町1-10
[map]

連絡先

support@kabuto-live.com