2026.08.27

「日本橋兜町・茅場町 リノベーション・モデル事業」の完成披露メディアツアーに行ってきました!

こんにちは! 兜LIVE!編集部です。


2026年8月3日、平和不動産株式会社が主催する「令和7・8年度リノベーション・モデル事業」のメディアツアーに参加してきました。東京都の「リノベーション・モデル事業」に採択された兜町平和ビルのリノベーションプロジェクトが完了したことを受けて開催されたもので、KABUTO ONE 4階での説明会、街歩き、内覧会という3部構成でした。


◆説明会では土本氏、そして東京都からのご挨拶


まずは平和不動産代表執行役社長の土本清幸氏があいさつ。東京都のリノベーション・モデル事業の採択を受けて事業を進めてきた経緯に触れ、「この街が持つ歴史的建築物や近代建築群の街並みといった貴重な資産を大切に継承しながら、既存建物のリノベーションや新たな店舗の誘致、交流の場の創設などを通じて、人々を惹きつける場づくりを実践してきた」と、これまでの取り組みを振り返りました。


今回のリノベーションについては「既存のビルの低層部を店舗へリノベーションするとともに、建築当初の外観の再現を通じて、街並みとの調和、そして新たな交流の場づくりを目指した」と説明。日本橋川周辺で首都高の地下化や大規模開発など街づくりの機運が高まるなか、「歴史ある建物や街並みを大切に守り生かしながら、街を次世代へつなぎ、多様な人々や文化、ビジネスが集い、新たな価値を生み出す街づくりを進めていく」と、今後の展望を語りました。



続いて、東京都都市整備局技監の栗谷川哲雄様からあいさつがありました。東京都が推進する「リノベーションによる再生まちづくり」について紹介し、「老朽化した建築物の建て替え等が一律に進めば、魅力的な街並みが失われる可能性がある」としたうえで、「地域の歴史や文化、個性を生かしたリノベーションによる再生まちづくりの促進を東京都として取り組んでいる」と説明。今回のプロジェクトについても「日本橋兜町の近代建築群を生かした街並みの形成と創出を図る取組として、リノベーションにより再生まちづくりの可能性を示す好例のひとつ」と評価しました。



その後、平和不動産 ビルディング事業部兼不動産投資事業部の課長である伊勢谷俊光氏から、兜町・茅場町エリアのまちづくりについて、具体例を挙げながらの説明が行われました。


◆「この6年間は、兜町の奇跡だった」

説明会が終わり街歩きに出発する前、土本氏がふと語ってくれたエピソードが印象的でした。
「今いるKABUTO ONEのすぐ近くにあるK5が、6年前にフルリノベーションして、この街が変わっていく第一号になりました。6年前までは、兜町は週末になると人っ子一人歩いていない、銀行のATMも週末は閉めるというような街でした」
そこから今では、平和不動産が戦略的に誘致した30店舗への来客者数が月間8万人を超え、年間では約100万人が見えてきたと土本氏は説明します。


この街でずっと会社を経営している知人とのやり取りも紹介してくれました。6年前の正月に「兜町第5平和ビルでブティックホテル(K5)をやります」と話したときには「正月から寝言を言うな」と言われたそうです。しかし2年後には「KABUTO ONEができ、KITOKIができ、街が変わってきたな」、その翌年には「街って変えられるんだな」、さらに翌年には「今年は何をやるんだい?」と、少しずつ言葉が変わっていったといいます。そして先日、株主総会を終えた際にその方から、こう言われたそうです。


「この6年って、兜町の奇跡だな」


土本氏は「そのように変わってきた兜町を、今日皆さんに見ていただけるのを本当に楽しみにしておりました」と、まち歩きへの期待を語ってくれました。


◆まち歩きの主役は「兜町平和ビル」

まち歩きでは、KABUTO ONEを起点にBANK、CASICA、ki-ten、K5などをめぐりました。



▼それぞれの建物の説明はこちらの記事もあわせてチェック!
【東京建築祭2026】兜町を巡るツアー「開発者と歩く、建物をつなぐまちづくり」に参加してきました!

ゴールとなったのが、今回のリノベーション・モデル事業の対象となった「兜町平和ビル」です。


兜町平和ビルは、日証館やK5など歴史的建築が集積するエリアに立地。大正から昭和初期にかけて第二日証館が建っていた場所にあり、昭和47年の竣工以降は証券会社が入居するビルとして金融街の風景の一部を形成してきました。もともと1階はオフィス・会議室として利用されており、近代建築が集積するこの街並みのなかで、その連続性を分断してしまっているという課題を抱えていたといいます。


今回、事務所から店舗への用途変更にあわせて1階低層部をリノベーション。デザインコンセプトに「街並みとひとの居場所の連続性をつくる」を掲げ、次の3つの方針で改修が行われました。


①既存建物の特徴・価値を継承する — パネルで覆われていた趣のあるタイルを再び表出させ、建物が持つ歴史的な価値を継承。


改修前

改修後



かつてパネルに覆われていた壁面からは、創建当初のモザイクタイルが表情豊かに姿を現していました。味のあるブラウンのタイルがおしゃれな印象を与えます。剥がれてしまった部分は新たに補修をしているそうです。


②街並みとの連続性をつくる — 基壇やサッシラインを周辺建築と呼応させ、街並みとの連続性を創出。


隣接するK5(1923年竣工)や日証館(1928年竣工)といった歴史的建築との連続性も感じられ、街の統一感を感じます。こんな視点で街を見たことがなかったので、新たな発見です。


③滞留空間を形成し、賑わいを創出する — ベンチやオープンスペース、セットバック空間を活用し、人々の居場所となる滞留空間を創出。



以前は雑然としていた日証館側の空間がオープンスペースに姿を変えており、人々が憩える場となっていました。


◆新しく迎えた2つのテナントを内覧!

内覧会では、兜町平和ビル1階に新しく入店した2つの店舗を見学しました。


北側に入るのは、カフェインレスのクラフトハーブティー&チャイブランド「TYNK Kabutocho(ティンク カブトチョウ)」。2026年7月4日にオープンしたばかりの、TYNKにとって初の実店舗です。漢方薬剤師・吉田重子氏監修のもと、厳選した植物由来の素材を使用。和漢チャイオーツミルクラテや和漢チャイトニック、クラフトハーブティーといったドリンクのほか、ハーブやスパイスを使ったグルテンフリーのスイーツも提供しています。



店舗に入るとふわりとハーブのいい香りが漂い、それだけで癒されます。



天井が高いのも、非常に店舗向きの空間であると、伊勢谷氏から説明がありました。剥き出しの配管や打ちっぱなしの天井は、逆に「今っぽさ」を感じられるスパイスになっていました。


南側に入るのは、世界のファッションシーンを牽引するブランドデベロップメントエージェンシー「Seiya Nakamura 2.24」によるクリエイティブスペース「直観(チョッカン)」。国内外のブランドが集うショールームとしての機能を持ちながら、POP UPやエキシビションも展開していく場です。



オープニングを飾る第一弾として、2026年8月1日〜9日、ファッションブランド「T.T」のウィメンズライン始動を記念したエキシビション『IN THE BEGINNING WOMAN WAS TRULY THE SUN』が開催されていました。



ロンドンのクリエイティブスタジオ「OK-RM」と協働し、書籍・映像・インスタレーションで空間を満たしています。


◆まとめ

今回のツアーを通して感じたのは、兜町の街づくりが「点」ではなく、時間をかけて積み重ねられてきた「面」であるということでした。K5から始まった6年間の変化の先に今回の兜町平和ビルのリノベーションがあり、そこに新しく息づき始めた「TYNK」や「直観」が、また次の兜町の物語をつくっていくのだと思います。

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