2024.10.29
こんにちは!兜LIVE!編集部です。
今年の夏は、米不足のニュースが報じられていました。お米が買えず、困った方も多くいらしたのではないでしょうか。
新米が出回り始め、令和の米騒動もひと段落した10月19日(土)、茅場町にある株式会社プレナスで、五感で楽しむ「お米のワークショップ」が開催されました。
知っているようで知らないお米について楽しく学べるイベントで、普段はなかなかお目にかかれない社内の貴重なお宝を拝見するツアーもありました。
今回は親子で学ぶ、五感で楽しむ「お米のワークショップ」の模様をレポートします!
五感で楽しむ「お米のワークショップ」は、米文化継承活動を展開する株式会社プレナスが主催。株式会社プレナスは、お弁当チェーン「ほっともっと」や定食でお馴染みの「やよい軒」を展開する企業です。
社屋にはもちろん「やよい軒」も!
お弁当や定食で、お米を取り扱う事業を展開しているからこそ、年々減っているお米の消費量や生産量について危機感を持っています。
もっとお米を身近に感じて欲しいとの思いで今年から始めたイベントとのこと。
過去には、株式会社プレナスとイギリスのBBC EarthProductionsと共同制作したお米の映画を上映するなどしていたそうです。今回はお米について学び、食べ比べなどの体験型イベントに。
ワークショップで講師を務めるのは、農政ジャーナリストでごはんソムリエでもある、たにりりさん。
講師: たにりりさん プロフィール
食卓視点でお米を愛する農政ジャーナリスト。日本炊飯協会認定ごはんソムリエ。東京農業大学大学院博士課程在席。米穀専門新聞「商経アドバイス」にてコラムを長期連載中。農家や米穀店、行政の販促支援なども行う。慶應義塾大学卒。著書:「稲作SDGsをお米のプロに学ぶ」「大人のおむすび学習帳」。(引用元: 株式会社プレナスリリース)
2024年10月19日(土)、午前10時30分から12時までの午前の部。14時30分から16時までの午後の部と2回 開催。約1時間半にわたり、お米について学びます。
小学校4年生から6年生向けとのことでしたが、午前の部は一番下の子で5歳、一番上の子は12歳くらいまでの子どもたちが参加していたとのことです。
午後の部は小学生が多め。なかには親御さんが「やよい軒」や「ほっともっと」のファンで、ヘビー•ユーザーというファミリーもいらっしゃいました。
午後14時半すぎに株式会社プレナス茅場町オフィス・5階の会場で、イベントがスタート。
株式会社プレナス•コミュニケーション本部、米文化研究所・所長の八谷さんの挨拶のあと、事業内容やお米についての取り組みを紹介。株式会社プレナスは、「ほっともっと」「やよい軒」を中心に事業を展開。さらに海外にも進出しています。
事業は日本食が中心なのかな?と思っていたのですが、タイのチェーン店で鍋料理「タイスキ」を提供している「MKレストラン」を九州エリアに24店舗展開。海外の外食チェーンの誘致もしています。
さらに全国3ヵ所の自社農場と全国4カ所の精米センターを持っています。精米センターで精米した新鮮なお米を「ほっともっと」や「やよい軒」で使用。お店では、ガス釜で炊いたごはんを提供。ガス釜を使う飲食店は少なく、ごはんをおいしくいただけるよう、こだわっています。
2014年から米文化継承活動を開始。お米の映画の制作や子供たちとのお米づくり体験など、さまざまな取り組みを通じて日本のお米の文化を守り、未来に継承していく活動をしています。
株式会社プレナスの事業紹介のあと、本日の講師・たにりりさんが登場し、五感で楽しむ「お米のワークショップ」がスタート。
お米はどうやってできるのかを紹介。稲からもみ、玄米、精米を経て、私たちが慣れ親しんでいる白米となります。私たちの食卓に到着するまで、かなりの手間がかかっているんですね。
続いて、株式会社プレナスの埼玉加須ファームで収穫されたお米、「彩のきずな」が収穫されたままの状態で配られました。白米になるまでの工程の一部を実際に体験します。
粒をひとつ取って、爪で外側の皮を取ります。細かい作業が苦手な私は大苦戦。白米になるまでのほんの一部を体験したのですが、なかなか大変な作業です。
籾を剥いて玄米になりました。細かくて大変です!
白米ができるまでの日本の精米技術の高さについてもお話しされていました。
また、収穫されても食べられないお米と市場に出回るお米を比較。粒が小さかったり、害虫がついたり、病気になってしまったお米は動物たちの飼料やおせんべいなどに使用されています。
食べられないお米を見て、会場内からは「小さい」、「色が白米と全然違う」などの声があがっていました。
向かって左:選別ではじかれたお米、右:市場に出回るお米
お米の保存方法についても紹介。お米は乾燥しているので、生ものとイメージしにくいのですが、野菜の一種。保存する際は密閉した袋に入れ、冷蔵庫の野菜室に保管すると鮮度が保てるそう。
当たり前にあるお米の成り立ちや保管方法を改めて知って、ザツに扱っていたことを反省し、お米を大切にしたいと思いました。
続いて配られたのは、日本地図と14種類のお米の名前が書かれたプリント。お米の産地を当てるクイズです。最近よく見たり聞いたりする銘柄もあれば、聞いたことのない名前もあります。
半分くらいはわかったのですが、全部はわかりません。スマートフォンで検索してもよいと言われたので、検索しながら答えを埋めていきます。
例えば、神奈川県の「はるみ」。今は神奈川県内でしか流通していないとか、佐賀県の「さがびより」は、7月くらいから収穫できるなど、知らなかったことばかり。
日本全国でさまざまな銘柄が作られていたことを知ると、いろんなお米を試してみたくなります。
「その土地でしか流通していないお米もたくさんあるので、旅行で行った際に道の駅やお土産屋さんで探してみるのも楽しいですよ」
講師のたにりりさんの言葉に、会場にいらした大人のみなさんが頷いていました。
五感で楽しむ「お米のワークショップ」もいよいよ佳境に入ってきました。食いしん坊にはうれしい「お米の食べ比べ」コーナーです。
4種類のお米を食べ比べて、その味を確かめます。が、いきなりではハードルが高い。ということで、グミを使って自分の味覚を確かめます。
味覚は舌だけにあると思いがちですが、視覚、嗅覚なども重要で、最終的には脳で味を判断しているのだそう。
目を閉じて鼻をつまみ、グミを食べる。ついさっきまでグミの色を見ていたはずなのに、味が一瞬わからなくなります。同じように目を閉じ、鼻をつまんだ状態で人から渡されたグミを食べるとさらに混乱。会場はざわつきます。
私もグレープなのか、グレープフルーツなのか混乱しました。舌だけで味を判定するのは、むずかしいことがよくわかりました。グミで味覚を確かめたあと、お米を食べ比べます。
食べ比べるお米は次の通り。
•あきたこまち
•ゆめぴりか
•新之助
•(「ほっともっと」の)金芽米
スタートは、あきたこまち。香り、食感、味などのバランスがよく、食べ比べをするにあたり基準にしやすいことが理由だそう。
ひとつひとつ香りやツヤ、食感と味を確かめていきますが、途中でわからなくなります。
食べ比べるほど混乱します
食べ比べのあと、お米のチャートで答え合わせをしました。お米のチャートは、その年のできによって変わることがあるそう。こうして見ると改めて日本のお米の奥深さがわかります。
また、今回食べ比べに登場した金芽米は「ほっともっと」で提供されているものだそう。味わいはあっさり、その理由はおかずといっしょに食べることを想定しているから。ごはんがすすむような味に設計されているそうです。
お米の食べ比べで盛り上がり、講師のたにりりさんによるワークショップは終了となりました。
ワークショップのあとは、普段は立ち入れない株式会社プレナス茅場町オフィスの文化資産を見学。
社内にある茶室や元・総理大臣の細川護熙氏が日本の原風景・棚田の春夏秋冬を描いた大きな壁画「棚田の四季」などが展示されています。プレナスの文化事業のシンボルとのことで、こういった点からもお米を大切にしていることが伝わります。
普段は公開していない細川護熙氏の「棚田の四季」が、なんと10月30日(水)に一日限定で一般公開されるとのこと。
さらに、制作過程を描いた動画の上映や棚田に関するパネルも設置予定。近くにお住まいの方やお仕事されている方は滅多に観られない貴重な作品を鑑賞できるチャンスですよ。
屋上には田んぼがあり、お米を育てています。茅場町あおぞら田んぼプロジェクトと銘打ち、阪本小学校の子供たちとの米作り体験も5年目を迎えているとのこと。この日は収穫が終わり、土だけの状態になっていましたが、今年はこの田んぼから5キロ近いお米が収穫されたそう。
脱穀した後の稲わらでたい肥もつくっています
都会のビルの屋上でお米が育つことも意外でしたが、田んぼがあることで、とんぼなどの虫がやってきていると聞き、驚きました。
田んぼの横のシンクで、メダカが元気に泳ぐ姿を見て、大人も子どもも「おお~っ」と声が出ていました。
田んぼが豊かな自然と生態系を育むことを知り、お米について学ぶ1時間半あまりのワークショップと社内見学は、盛況のうちに幕を閉じました。
2024年10月19日(土)の午前と午後、2回にわたり、株式会社プレナス・茅場町オフィスで開催された五感で楽しむ「お米のワークショップ」。
お米ができるまでの過程や私たちのもとにやってくるまでの道筋。収穫された稲に触れる体験や銘柄の産地を当てるクイズにお米の食べ比べ。プレナスの文化資産である棚田の壁画や屋上の田んぼの見学まで、お米づくしの1日でした。
屋上に続く階段の壁面には全国の棚田の写真パネルがあります
参加されていたお子さん、親御さんの笑顔。会話がより一層弾んでいた姿が印象に残っています。また、今回さまざまなお米の銘柄があることを知り、これまではあきたこまちばかりを食べていましたが、今後は全国各地のお米を食べ比べてみたいと思いました。
五感で楽しむ「お米のワークショップ」は次回の開催については未定ですが、プレナス米文化継承事業のシンボル「棚田の四季」の一般公開を1日限定で公開します。
*「棚田の四季」の一般公開を1日限定 詳細はコチラ
ぜひ、この機会にいかがでしょうか。
気になる方は、プレナスのホームページや米文化継承活動のSNSをチェックしてみてくださいね。
場所: 株式会社プレナス 茅場町オフィス
住所: 東京都中央区日本橋茅場町1-7-1日本橋弥生ビルディング
アクセス:東京メトロ日比谷線・東西線「茅場町」駅徒歩約1分
ホームページ:https://www.plenus.co.jp/
YouTube チャンネル:https://www.youtube.com/@plenus_riceculture
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