2026.08.03
こんにちは。兜LIVE!編集部です!
2026年7月10日(金)・11日(土)の2日間、茅場町・兜町の夏の風物詩「かぶかや盆ダンス」が坂本町公園で開催されました。
主催は日本橋茅場町・兜町商店会。「かぶかや盆ダンス」としては今年で4回目を迎えました。地域に暮らすファミリーやオフィスで働く人たちが集う、この街ならではの盆踊りイベントとして、すっかり定着しています。
今回は、初日7月10日(金)の様子をレポートします!
会場の坂本町公園は、オフィスビルの谷間に青々とした芝生が広がる、茅場町・兜町エリアのオアシス。広々とした芝生広場の奥には小高い「みんなの丘」があり、その手前には小川も流れています。
この芝生を守っているのは、地域の有志でつくる「坂本町公園未来グリーンクラブ」。会員は400名近くいて、毎週末、各町会が週替わりで清掃を行い、近隣の証券会社の若手社員なども加わるのだそう。都心でこれだけ手をかけられている芝生は、そう多くはなさそうです。
会場では、芝生を守るため、レジャーシートは使わず、タオルまたはござを利用するよう案内があります。公園には自由に使えるござも備えられており、地域の人たちが芝生を大切に守っていることが、こうした工夫からも伝わってきます。
この日の東京は朝からよく晴れ、真夏を思わせる暑さです。まだ日差しの強い夕方、開始時刻が近づくにつれ、小さな子どもを連れた家族から年配の方まで、続々と坂本町公園に集まってきました。

受付でうちわを受け取ります
開会式では、商店会会長をはじめ、中央区長、町会長、地元選出の国会議員や区議会議員、警察・消防関係者、阪本小学校の校長先生らが次々にあいさつ。夏休みを前にした子どもたちへの言葉や、坂本町公園自慢の芝生を楽しんでほしいという声も聞かれ、街ぐるみでこのイベントを大切にしていることが伝わってきます。

開会のごあいさつ
そして開会式の締めには、子どもたちお待ちかねの警視庁のマスコット・ピーポくんが登場。会場がひときわ沸いたところで、盆ダンスの幕開けです。

大人気のピーポくん
「かぶかや盆ダンス」の大きな特徴は、DJと太鼓の共演です。会場入口近くのDJブースには、第一回から会場を沸かせてきたDJ MASAさんの姿が。こまめな水分補給を呼びかけながら、『東京音頭』『ダンシング・ヒーロー』『マツケンサンバⅡ』といった世代を超えて親しまれる曲から、BTSの『Dynamite』やCUTIE STREETの『かわいいだけじゃだめですか?』まで、幅広い楽曲を繰り出します。
DJ MASA
芝生広場の中央では、中央区太鼓連盟に所属する「越一太鼓」の皆さんが、一つの太鼓を交代で打ち鳴らします。DJの音楽に呼応する力強い太鼓の音が会場に響き渡るなか、次々と人が加わり、踊りの輪が広がっていきます。
越一太鼓
浴衣姿の参加者も多く、会場は夏祭りらしい華やかな雰囲気。何より目を奪われるのは、踊り手たちの見事な身のこなしです。曲が次々と変わっても、振り付けをすっかり体で覚えている様子で、キレッキレに踊る姿に思わず見入ってしまいます。
キレッキレのダンス
運営担当の方に伺うと、この日に向けて4回の練習会が開かれたとのこと。たった4回でここまで踊れるのかと驚きましたが、昨年も参加していた方が多く、回を重ねるごとに踊りが身についてきているそうです。

盆ダンスは途中で何度か小休止を挟みながら進みます。休憩時間に公園をぶらりと歩いてみると、あちこちに思い思いの時間を過ごす人たちの姿が。小川のほとりでは、子どもたちが小枝で水面をつつきながら遊び、「みんなの丘」では、芝生やござの上でくつろぐ人たちが見られます。都心のオフィス街とは思えない、のどかな光景です。
「みんなの丘」でくつろぐ人たち
公園の入口近くには、日本橋消防署の体験コーナーも。子ども用の消防服を着たり、訓練用の消火器で炎を模した的を狙ったりすることができます。小さな消防士に変身した子どもたちが、隊員さんに教わりながら的を狙うそばで、保護者もスマートフォンを構えてその姿を見守ります。隊員さんによると、こうした体験には、楽しみながら災害への備えを知ってもらう狙いもあるそうです。

うまく消火できました
初日の7月10日(金)には、日本橋茅場町・兜町商店会の加盟店で配布された抽選券による大抽選会も開かれました。景品は加盟店で使える商品券で、最高賞の「かぶかや賞」は1万円分。抽選ブースには時間帯によって長い列ができ、次々とくじを引く人たちでにぎわっていました。

大抽選会の列
筆者がブースを訪れる直前には、「かぶかや賞」が出たばかりだったそうです。運営の方が「かぶかや賞が出てよかった!」と、うれしそうな表情を見せていたのが印象に残りました。
公園の入口付近には、キッチンカーや販売ブースが並びます。ホットドッグや汁なし水餃子などの軽食から、たいパフェやかき氷といったスイーツ、ビールやハイボールまで、メニューはバラエティ豊かです。




筆者はフィッシュバーガーを購入し、「みんなの丘」に腰を下ろしてひと休み。大ぶりの白身魚フライに、たっぷりのフリル状のレタスと彩りを添える紫キャベツ、さらにタルタルソースが惜しげなくかかった、食べ応えのある一品です。ほおばると、衣はサクッと、白身はふんわり。タルタルソースのまろやかなコクも重なり、口いっぱいにおいしさが広がります。薄闇に浮かび始めた提灯を眺めながら、夕風のなかで味わう一口は格別でした。

取材のなかで特に印象に残ったのが、地域の皆さんのつながりの強さです。会場のあちこちで顔見知り同士が笑顔で言葉を交わし、都心にありながら、人と人との距離の近さを感じます。
会場では、茅場町二・三丁目町会会長で、坂本町公園の芝生を守る「坂本町公園未来グリーンクラブ」の運営委員長を務める柴俊明さんにもお話を伺いました。
「子どもがどんどん増えているんですよ。昔は寂しいお祭りでしたが、阪本小学校の先生方も応援してくれるし、親子で一緒に参加してくれる。それがだんだん盛んになって、街自体が元気になってきました」と柴さん。町会に新たに加わる飲食店や企業も増えているほか、店を閉じたり地域を離れたりした後も町会とのつながりを保ち、祭りの際には手伝いに来る人もいるそうです。

「何かをやると、みんなが出てきて一緒に手伝ってくれる。みんなに支えられて、奇跡のようです。本当に、この街はすごいなと思う」。その言葉が、この街の魅力をよく表しているように感じました。
日が暮れてからも人は増え続け、提灯の明かりが夜の公園に鮮やかに浮かび上がるころには、会場は開始直後とは見違えるほどのにぎわいに。仕事帰りと思われる人たちも次々と加わり、中央の太鼓を囲む踊り手はみるみる増えていきました。踊りの輪は幾重にも広がり、芝生広場を埋めるほどになっていました。

仕事帰りにリュックを背負って盆ダンス!
筆者も靴を脱ぎ、裸足になって踊りの輪に加わりました。足裏に伝わる芝生と土の感触は、なんとも心地よいもの。地域の人たちが丁寧に守ってきた芝生の気持ちよさを、靴を脱いで初めて実感しました。

盆ダンスは20時半過ぎまで続きました。印象的だったのは、休憩を挟みながらも、長時間にわたって輪の中で踊る人が多かったこと。皆さんの表情から、心から楽しんでいる様子が伝わってきます。終了まで大勢の人が残り、DJ MASAさんの音楽と太鼓のビートに合わせて、軽やかな身のこなしを見せていました。

みんな笑顔!
オフィスビルに囲まれた坂本町公園に、太鼓の音と幾重もの踊りの輪が広がった「かぶかや盆ダンス」。商店会や町会、学校、企業など、地域に関わるさまざまな人の手に支えられた、茅場町・兜町らしい夏の一夜でした。
世代も立場も異なる人たちが一つの場所に集まり、同じ音楽に合わせて笑顔で踊る。その光景は、人と人とのつながりがこの街を元気にしていることを、何よりもよく伝えていました。
来年の夏も、またこの芝生の上でお会いしましょう!
盆ダンスの取材に向かう前、KABUTO ONEで開催されていた「LIVING GREEN FES」のプログラムの一つ、「KABOLO Vol.8」にも立ち寄りました。

会場には、ボタニカル作家の皆さんが手掛けたテラリウムや苔作品などがずらり。今回で8回目を迎え、こちらもすっかり恒例のイベントとなっています。
「LIVING GREEN FES」は7月10日から31日まで、茅場町・兜町エリアで開催。期間中は、街の各所でさまざまな企画が楽しめます。
(取材・撮影:柴田幸恵)
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