2023.07.20

【LIVING GREEN FES】KABOLO Vol.5.5が開催されました!

2023年7月1日から30日まで開催中の「LIVING GREEN FES」。

本イベントでは、日本橋兜町・茅場町の商店会や企業と連動した7つのグリーンフェスが実施されます。今回はその中のひとつ、7月7日から9日まで「KABUTO ONE」にて開催された「KABOLO vol.5.5」の開催レポートをお届けします。

◆KABOLOとは?


イベント名の「KABOLO(カボロ)」は、「Kabutocho Botanical Lounge」の略。ボタニカル作家の作品販売や植物に関するワークショップを通して、都会で暮らす人々に植物があるライフスタイルを提案する体験型イベントです。


「KABOLO」としての開催実績は、2018年の初回開催から数えて今回で6回目。会場は前回(2022年11月)の「KABOLO Vol.5」と同じく、東京メトロ東西線茅場町駅直結の「KABUTO ONE」です。



イベント会場は、12組のボタニカルクリエイターが苔テラリウムや生花などを展示・販売する1階アトリウムと、ワークショップを開催する4階カンファレンスルームの2フロアでした。


◆レポート① 苔テラリウムワークショップに密着!


1階アトリウムでの展示・販売も気になるところでしたが、この日は開場後まもなくワークショップが予定されていたため、まずは4階ワークショップ会場へ。


東京で活躍中の苔テラリウムクリエイター“いなみん”こと、inami先生のワークショップ「世界でたった1つのあなただけの、テラリウムを作ろうー!!」に、潜入取材をさせていただきました。

このワークショップは各回定員6名の少人数制で、2時間みっちりと苔テラリウムの作成方法を教えてもらえます。


inami先生の苔テラリウムは、とにかく「盛り盛り」! 「盛りのinami」を自称していることから、盛りに対する並々ならぬこだわりを感じます。また、今回のワークショップでは、inami先生が特注して用意した「オリジナルまち針フィギュア」を使用できることもポイントです。



“盛り盛り×オリジナルフィギュア”で、文字どおり「世界でたった1つ、あなただけ」の苔テラリウムが完成します。


◆苔テラリウムワークショップの流れ

それでは、inami先生のワークショップの一部始終をレポートします!


①好きな苔を選ぶ

まず始めに、苔が配布されました。



inami先生があらかじめ洗浄をしておいてくれたユキノシタ・タマゴケ・カモジゴケ・スジチョウチンゴケ・ホソバオキナゴケが入った詰め合わせパックと、たっぷりのヒノキゴケが入った小パックの2箱を選びます。


②風景の土台をつくる

瓶に苔用培養土を詰めてから、大きな石を1〜3個ほど選び設置します。石は1/3ほどを土の中に埋め込み、位置が決まったら土に水を含ませて固定します。



今回のテラリウムには、苔だけでなく、山菜として知られる「ユキノシタ」という双子葉植物も使用します。ハート型のかわいらしい葉には主役級の存在感があるため、細かなレイアウトを決める前に配置しておきます。



その後、小石や化粧砂を使用して、テラリウムの風景の基礎を敷きます。




各自、想い想いに素材を使って小道や川などを作成し、装飾が終わったら霧吹きをして固定します。


③苔を植える

いよいよ苔を植え付けます。苔は根をカットしてからピンセットで掴み、垂直に土に挿していきます。



苔の種類によって長さや太さが違うため、土への指し方のコツも変わるようです。参加者のみなさんがコツをつかめるよう、丁寧に実演・指導がありました。
そして、なんといってもこのワークショップの最大の特徴は「盛り」。inami先生のチェックに合格するまで、参加者はひたすら苔を挿していきます。



ワークショップが終盤に差し掛かる頃、会場では「先生、これでどうでしょうか?」「まだスケスケ。もっともっと!」という会話が繰り返され、その度に笑いが巻き起こっていました。


④フィギュアを挿して完成

inami先生チェックに合格した参加者から順に、まち針フィギュアを選び設置したら作品完成です。inami先生の厳しい盛りチェックを通過して完成した自分だけのテラリウム。参加者のみなさんはとても愛おしそうに自身の作品を見つめていました。



全員の作品ができあがったら、記念に集合写真を撮影! 今回は参加者全員が苔テラリウム初心者とのことでしたが、どの作品もそうとは思えない仕上がりに。太陽の光をあびて、とても美しいです。



無事に作品を作り終えた参加者3名にワークショップの感想を聞くと、このような回答をくださいました。
「水やりの手間が少ない植物を探していて苔テラリウムを知り、参加しました。ワークショップはとてもおもしろかったです!」
「初めて苔に触れて、想像よりも小さいことがわかりました。テラリウムのサイズ感はちょうどよく、とても癒やされます」
「ワークショップは材料が全て揃っていてお値段がまとまっているので、とても良いと思います。今回の作品は人にプレゼントするつもりで作ったのですが、愛着が湧いてしまってどうしようか悩んでいます(笑)」




できあがった作品は、クッション材に包んで大切にお持ち帰り。メンテナンスも楽しみながら、末永く可愛がってくださいね!


◆レポート② マーケット会場の様子


続いて、メイン会場の1階アトリウムの様子をレポートします。
取材は7日金曜日の昼間とあって、1階アトリウムにはビジネスマンの姿が多く見られました。エントランスへ向かう途中にちらりと視線を向ける人、エレベーターを待つ間に作品を間近で観察する人、手に取って笑顔を浮かべる人。忙しい雰囲気とゆったりとした雰囲気の両方が混じり合い、独特の空気感が醸成されているようでした。



会場には、苔テラリウムの他に、インテリア盆栽やフローラルデザインショップの展示販売も。下の写真は、情景盆栽作家・中尾浩之氏が手がけるブランド「インテリア盆栽工房BonCyu」のブースです。



手のひらサイズの盆栽は、1つひとつが小さな庭のように美しく整えられています。単体でもかわいらしいですが、複数の種類を取りそろえて拡張していくのも楽しそうです。


こちらは、フラワーデザイナーの細川萌氏が手がけ、KABUTO ONEから徒歩数分の食の複合ショップ「BANK」内に店舗を構える「flower fete」のブースです。



ビビッドな色味が印象的な生花やドライフラワー、オリジナルのアロマディフューザーに並んで、苔のプリザーブドフラワーも展示されていました。


苔テラリウムメーカーの「Feel The Garden」のブースでは、苔テラリウムの材料や瓶、道具類の販売もされていました。



化粧石等を詰め放題で購入できる「石の選び売り」は、会場に集まっていた苔テラリウムクリエイターにも人気の様子でした。


◆十人十色の苔テラリウム

全12組の出展クリエイターのうち、10組を占めたのが苔テラリウムです。そのうち、この日は5名の苔テラリウムクリエイターの方々に直接お会いできました。作品を見比べたり、クリエイターに詳しい話を聞いたりしているうちに、一口に「苔テラリウム」と言っても、そのコンセプトはクリエイターによって様々だということがわかりました。


ワークショップレポートでも登場したinamiさんの作品は、瓶の向こう側が見えなくなるほどぎっしりと詰めこまれたヒノキゴケが特徴です。



その隣には、inamiさんの影響で「盛り」に目覚めたというmossholic_rikko9さんのブースが並びます。



rikkoさんの作品のコンセプトは、絵本の中に出てくるような世界観。そのために、大きめの動物フィギュアを意識的に使っているそうです。動物の色柄も様々なので、自分が飼っているペットと同じ柄のフィギュアを探すのも楽しいです。


会場の正面入り口すぐの場所にブースを構えていたGlass of Gardenさんは、世界観の設定の細かさが特徴です。



朽ち果てた遺跡を表現したこちらの作品は、オーブン陶土で自作した“門”が主題。苔とオーブン陶土を組み合わせるだけなく、複数の作品で同じ設定を共有することで、独自の世界観を表現しています。


ひかりのアトリエさんの作品は、苔の保ちを良くするオリジナル配合の土を使用した苔テラリウムです。



レジンを使用した「空のテラリウム」、手頃な価格で苔テラリウム入門におすすめの「モスイージー」、インテリア性を重視した「緑のアート」の、3つのライン展開で制作しているそうです。モスイージーの価格帯は、本当に手に取りやすいプチプライスだと感じました。お子さまへのプレゼントにも良さそうです。


moss the edenさんは、自然の情景をリアルに再現することに挑むテラリウムクリエイター。野生動物や滝や川などをモチーフにして作品作りをしています。



上の写真の作品は、底面にシーグラスを敷いて水の透明感を再現しているそう。光を当てると幻想的な情景が浮かび上がり、その美しさに思わず息を呑みました。


苔にはそれぞれの色や形、生え癖があり1つとして同じ苔はありません。苔テラリウムで表現したいことも人それぞれです。苔自体の魅力に導かれて作品作りをしている人もいれば、自分が表現したい世界観をつくるための手段として苔を活用している人もいます。今回、5人のクリエイターと話をする中で、苔テラリウムは、植物を育てる楽しみとアートを観賞する楽しみの両方を味わえる、魅力的な題材だと感じました。


◆まとめ

植物を使った小物やインテリア用品などを扱う店は、東京では珍しくありません。しかし、作品の作り手と直接会話をして購入できる機会は少ないです。
KABOLOでは、作り手の人柄や制作背景を知った上で作品を選べ、ワークショップに参加すれば、自分の手で作品を生み出すこともできます。自分がそれまで知らなかった、新しい植物の世界との出会いもあるかもしれません。機会があれば、ぜひ会場へ足を運んでみてください。
それでは、次回の開催もお楽しみに。



■LIVING GREEN FES VOL.2

2023年7月1日(土)〜7月30日(日)の期間限定で開催中
詳細はこちら


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