2022.05.13

街づくり担当者 に聞く!「兜町再活性化プロジェクトの最前線」について

こんにちは。兜LIVE!編集部です。


近年、KABUTO ONEやK5の開業など、再活性化が目覚ましい日本橋兜町・茅場町。

兜町は東京証券取引所の「立会場」の閉鎖(1999年)等を受け、一時期、街の活気が失われましたが、直近3-4年多くの金融系スタートアップ企業が集積し、現在、金融街として再度賑わい始めています。


再活性化プロジェクトの狙いは、政府や東京都が掲げる「国際金融拠点」の一翼を「兜町」が担うこと。その中心として独立系資産運用会社や金融系スタートアップ向けのインキュベーション施設「FinGATE」シリーズがあります。


今回は、再活性化プロジェクトの最前線にて日々奔走する平和不動産株式会社の村井翔太郎さんにお話をうかがいました。


お話を伺った方はこの方
村井翔太郎さん
平和不動産株式会社 ビルディング事業部


2014年入社。約4年間、当社保有ビルのテナントリーシング・東京オフィスビル市場リサーチ業務を経験。2018年以降現在に至るまで、「日本橋兜町・茅場町エリア再活性化プロジェクト」に係る業務に従事。


◆兜町を世界に冠たる金融街へ

ーーKABUTO ONEオープン等、兜町の様子は大きく変わってきましたね。

日本橋兜町・茅場町再活性化プロジェクトに最前線で関わっている村井さんとしても街の大きな変化を感じていますか


再活性化プロジェクトに関わりたいと思い2014年に新卒で入社しましたが、街並み、ワーカー層、飲食店舗、当時では想像出来ない程の大きな変化です。「街を新しく塗り替えた」というより、「歴史を受け継ぎながら時代に沿うように街をアップデートした」という表現の方が正しいかもしれません。


現在、当社は「国際金融都市・東京」構想に貢献するすべく、資産運用、Fintech等の金融系スタートアップの方々の誘致・成長支援を行っていますが、それは兜町には、古くから証券・金融の街、スタートアップの街としての地歴を有することにも起因します。


スタートアップの街というと意外に思われる方も多いかもしれませんが、大河ドラマで放映されていた渋沢栄一が起業家としてこの街の多くの企業を設立させているのです。


渋沢栄一が所有していた縁起石の「赤石」はKABUTO ONE 1Fアトリウムに


ーー昨年の大河ドラマで渋沢栄一と日本橋兜町の縁も周知されましたよね。

ところで「国際金融都市・東京」構想という話が出ましたが、それはどういった取組みなのでしょうか?


本構想は、東京が世界をリードする金融センターとなることを目指すために2017年に東京都によって策定されました(2021年11月に改訂版「『国際金融都市・東京』構想2.0」を公表)。

東京が国際金融センターとして優位に立つには、成長産業としての資産運用やFintechを中心にして、国内外問わず新しい金融を担うプレーヤーを東京へ迎え入れる必要があります。


メガバンクの本店など多くの金融機関が集積する「大手町エリア」、日本銀行がある「日本橋えリア」と役割を分担しながら、「兜町エリア」は、そういったプレーヤーの起業・成長の起点となる役割を果たすことで、本構想に貢献しています。


ニューヨークのウォール・ストリート、ロンドンのシティに相当する東京の「兜町」は、アジアの金融インフラを長年支え続けてきましたし、今後も支え続ける宿命を担っていると私は考えます。



ーー現在の「FinGATE」オフィスの施設数や、入居企業数はどれくらいでしょうか?


2017年9月開設の「FinGATE KAYABA」を皮切りに、「FinGATE KABUTO」「FinGATE BASE」「FinGATE TERRACE」、そして、この度、2022年4月1日に開設した「FinGATE BLOOM」に至るまで、日本橋兜町・茅場町エリア内に計5施設を展開し、50社以上の金融系スタートアップ等が入居しています。


FinGATEシリーズでは、金融サービスの立上げや経営に必要なオフィスなどのインフラ設備のみならず、起業家同士が交流できるコミュニティ機会の創出や行政連携支援、ミドルバックサービス支援といったソフトコンテンツを充実させていることが特徴です。


ーーフォローアップがすごいですね。どなたでも申し込めるのですか?


ご入居に向けての誘致活動に際しては、募集状況をインターネット等外部へ公開することは無く、一社一社、当社から直接ラブレターを送る形で御声掛けさせて頂き、当社の街づくりプロジェクトに対してご賛同頂いた方にご入居頂いている状況です。



ーー一社づつ!ターゲットを絞ったにもかかわらず、僅か5年弱で50社以上が集まったのですね。相当ご苦労されたんじゃないでしょうか?


東京中に数多と、魅力的な立地やハイグレードのオフィスが存在する中で、「兜町に金融系スタートアップのコミュニティを作りたい」「皆さまスタートアップと行政機関との相互連携をFinGATEにて活発化させたい」といった発展途上の「夢」を語りながら誘致活動を行うことは、本当に大変でした。


アプローチした資産運用会社様等からは「それらの夢が実現した後ならば検討したい」「同業が集まる場所にはむしろ行きたくない」というフィードバックを頂くことが多く、私自身も「そもそも資産運用業界に集積を求めること自体が非実現的なのでは?」と考えてしまうこともありました。

  

但し、そういったお声を多く頂けたおかげで、「単にハードとしての空間を提供するだけでは事足りず、業界関係者の方々と協力しながら事業立上げの支援等のソフト面での支援機能を果たすことが重要」という認識を改めて強く持つことが出来ました。


結果、まずは「起業にあたって必要な法人立上げ」や「金融事業を行うにあたって求められる行政からの許認可をどのように取得していくべきか」等といった相談が気軽に出来る相手として頼って頂けるように、金商法に詳しい士業の方々、コンサルティング企業様等にご協力頂きながら、オフィス紹介をメインとせずにコミュニケーションをとることを心掛けました。


FinGATE KABUTOは国内外資産運用会社が多く入居


ーー入居される前から企業との良いコミュニケーションが取れているんですね。


はい、そういった中で「兜町に賭けてみるよ」とご入居を決めて頂く方も少しずつ増えてきて、直近では、実際にご入居頂いた方による繋がりで新たな入居企業が決まるケースが非常に増えています。本当に有難いです。


誘致活動にご協力頂いた「業界関係者の方々」、発展途上の夢に賭けてご入居頂いた「スタートアップの方々」には感謝してもしきれないですし、だからこそ、全身全霊を捧げて兜町という街を世界に冠たる金融街にしたいと強く思っています。「したい」というより、絶対にそうします!



ーー頼もしいですね。「行政機関」というワードを出されましたが、確か金融庁もFinGATEにオフィスを構えられていましたよね?


はい! 2021年6月に、金融庁・財務局が運営する海外金融事業者向け窓口となる「拠点開設サポートオフィス(Financial MarketEntry Office)」がFinGATE TERRACEに拠点を開設しております。本サポートオフィスは、海外からの資産運用会社参入を容易にするために設けられました。


具体的には、新規に日本に参入する海外の資産運用会社等が金商法ライセンスを取得する際に、ワンストップで「登録の事前相談」「登録手続」「登録後の監督」を切れ目なく英語にて対応する拠点になります。


本拠点を兜町に構えて頂いたことで、同じく同エリアに所在する「投資信託協会及び日本投資顧問業協会といった関連する自主規制機関」や「官民連携の金融プロモーション組織である東京国際金融機構(FinCity.Tokyo)」と併せて、ワンストップで海外の金融機関をサポートする体制が兜町にて形成されています。


◆2022年4月にオープンしたFinGATEシリーズ第5弾「FinGATE BLOOM」

入居者用ラウンジ。まるでカフェのようなネオンサインが印象的。



受付横にはアーチ型の打ち合わせスペース。
本プロジェクトについては、村井さんと共に汗を流す後輩若手社員の個性がデザインに強く活かされたとのこと。

ーー新たに2022年4月にオープンしたFinGATEシリーズ第5弾「FinGATE BLOOM」はどのような特徴の施設でしょうか?


これまでのFinGATEシリーズ同様、独立系資産運用会社や金融系スタートアップの方々を対象としておりますが、入居企業様の成長ステージに合わせて大きく3種類の異なるお部屋プランを用意しております。

①起業して間もない方々が手間コストをかけずに即時入居可能な「家具付スモールオフィス」

②増員を見据えて幅広い人数帯に対応すべく自由なレイアウトが可能な「家具無スモールオフィス」

これら2種類のプランは、小割の専用オフィスに加えて共用会議室等の共用スペースも利用出来る設計です。


業務デスクやチェアが予め準備されたお部屋


また、企業が成長すると自社専用の会議室等も必要になるため

③スモールオフィスが手狭になった企業向けに予め専用会議室等の内装を施した「セットアップオフィス」

も整備しました。


広めのお部屋は正面に専用受付、会議室がレイアウトされている

実は、上記3種類のプランとも、これまでに企画・開発したFinGATEシリーズ4施設で導入にトライしており、実際にご入居頂いた企業様からのフィードバックを基に、今回の「FinGATE BLOOM」においても導入することを決めました。


ご入居者の対象を絞っている点で誘致活動の難易度が高いのは事実ですが、一方で絞っているからこそ、誘致するお客様の顔が見える状態で施設を企画出来ることはむしろ強みだと考えています。


ーー現時点で入居が決まっている方もいらっしゃるのでしょうか?


6部屋のうち、4社(4部屋)の入居が決まっている状況です。


ご入居の形は、「FinGATEへの新規入居」「FinGATE既存施設からの拡張移転」等と様々ですが、皆さま共通して、施設オープン前にもかかわらず、ご入居をご決断頂いており、とても有難いです。


4社様とも、金融業界・社会の課題を解決したいという強い想いで事業を立ち上げられた金融系スタートアップであり、皆さまの事業拡大に少しでも貢献出来るように弊社は取り組んでいきたいと思います。


木目調の温かみのある扉

◆取材を終えて

平和不動産の村井さんにお話を伺い、新しい「FinGATE BLOOM」の中も見学させていただきました。


エレベーターを降りるとほんのりとアロマの香りと目の前にネオンサインが見え、「BLOOM」のネーミングさながらのオフィスでした。


村井さんは、不動産ディベロッパーとして街づくり・オフィスづくりを主体的に行う立場でありながらも、「あくまでも主役はテナントであり、自分たちは黒子としてサポートに徹するのみ」といったことを強調されていたのが印象的でした。


村井さん、ありがとうございました。



FinGATE TERRACEインタビューレポート


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