2021.06.11

米食文化を次世代へ繋ぐ「茅場町あおぞら田んぼプロジェクト」に参加してきました!

こんにちは!
兜LIVE!編集部です。


快晴の2021年5月25日、日本橋茅場町に本社を置く株式会社プレナスの屋上で「茅場町あおぞら田んぼプロジェクト」の田植え作業が行われました。2年目を迎えた本プロジェクトは、株式会社プレナスが行う「米文化継承事業」の一環でスタート。今回は、中央区立阪本小学校の5年生30人と一緒に田植えを行いました。当日の様子をレポートするとともに、同社の新事業へのチャレンジについてもあわせてご紹介します。


◆米文化を次世代に! 「米文化継承事業」

茅場町の交差点にて


1960年創業の株式会社プレナスは、『ほっともっと』『やよい軒』『MKレストラン』等を中心に、国内外に約3000店舗を展開する、日本の外食産業の大手。そのルーツは、現社長・塩井辰男の曽祖父・塩井民次郎が、1886年に日本橋日枝神社で『彌生軒やよいけん』(当時は西洋料理店、大正期までの営業)を開業したことにまで遡ります。


そんな、外食産業界をリードする同社が「国内の日本の米文化を受け継ぐと同時に、海外にもその魅力を積極的に拡げていきたい」という想いのもと立ち上げたのが、2014年より米食文化を伝えていくことを目的とした「米文化継承事業」です。


プロジェクトは主に、4つの活動に分かれていて、壁画「棚田の四季」、米文化継承番組「The Story of Rice」、一般社団法人Plenus米食文化研究所、そして米育活動となっています。


ご存知でない方のために少し内容を説明いたします。「棚田の四季」は、陶芸や襖絵制作を中心に活動されている細川護煕(ほそかわもりひろ)先生の作品で、高さ8.5メートルもある大きな壁画です。四季の移り変わりと日本の食文化には密接な関係がある、という視点から、日本の原風景である棚田の春夏秋冬を表現したものとなっています。


米文化継承番組「The Story of Rice」は、米を中心とした日本の食文化の魅力を世界に発信する映像番組のこと。海外での放映の他、国内の大学の講義で用いられています。「ご飯を中心に、いくつかのおかずをバランスよく食べるという日本の食文化」を海外の方々にもっと知ってもらおうという意図があります。


一般社団法人Plenus米食文化研究所は、米にまつわる様々な文化や歴史を研究し、世界に向けて発信していくという目的のため、2014年に立ち上げた一般社団法人です。プレナスのホームページ上でコンテンツを発信しています。


米育活動は主に二つあり、一つ目は「お米大好き絵画プロジェクト」です。これは、プレナスの精米工場に見学に来た近隣の小学校の生徒たちにお米の絵を描いてもらい、工場近くの遊歩道に展示するというもので、米食への興味関心を深めてもらう狙いがあります。

そして二つ目が、昨年の5月から始まった「茅場町あおぞら田んぼプロジェクト」です。


 

プレナス社ビルの屋上に田んぼを作り、米作りの面からも米文化の大切さを発信していこうというもので、さらに「子どもたちにも学びの場を提供したい」という想いも重なり始まった活動です。

近隣の、阪本小学校の全面協力のもと始まったこの米作り。初回となった昨年度は、コロナ禍による延期で、残念ながら子供たちは9月の稲刈りからの参加でしたが、今年は5月の田植えからの参加が叶いました。


◆最新のテクノロジーを導入!  プレナス新事業「スマート農業」


プレナスは2021年2月より埼玉県加須市で2.5ヘクタールの土地を借り受けて、米作りに取り組んでいます。その「プレナス加須ファーム」で米づくり推進事業室を新たに発足。IoT、ロボット等のテクノロジーを導入した「スマート農業」をスタートさせました。


ドローンによる田植え、クラウド型水管理システム、日々の作業のデータ化といった先端技術を用いることによって、生産性の高い稲作経営が実現可能に。これにより、プレナスではコスト競争に強い輸出米を育て、本格的な米輸出の事業展開を目指すようになりました。品種は暑さ、病害虫に強い埼玉県奨励品種の「彩のきずな」や、収穫量の多い「あさひの夢」等を生産しています。

今回の「茅場町あおぞら田んぼプロジェクト」でも、プレナス加須ファームで栽培している「彩のきずな」の苗を田植え。この苗は、加須ファームの社員さんたちがこの日のために特別に育てたものだそうです。


◆都会のど真ん中で田植え作業がスタート!

 

子どもたちの準備も終わり、いよいよ田植えがスタート!

青いお揃いのTシャツを着たスタッフさんたちは、この日のために結成されたプレナス・アグリチームのみなさん。社内のさまざまな部署の方々による有志で構成されています。本プロジェクトにおいて、子どもたちによる田植えは今年が初めてとのこと。Plenus米食文化研究所事務局長の八谷さんのレクチャーにも熱が入ります。


 

スタッフさんと教職員の方々のサポートのもと、子どもたちが田んぼへ。名簿順に4グループに分かれ4名ずつ田植えを実施していきました。苗は1人につき4株です。


足首が埋まるくらいの泥に足を取られ、戸惑う子どもたち。身体のバランスを取りながら、苗を等間隔に、かつ倒れないようきちんと立てていくのは、想像以上に大変そうです。しかし子供だからか飲み込みが早い!


中腰の姿勢をキープしながら、少ない動きで後退りしながら植えていくとうまくいくことに気がついた様子。コツを掴んだ児童が、他の児童へアドバイスしながら互いに助け合っている姿が印象に残りました。


今回の田んぼは、子供でも比較的歩きやすいように5cmほどの深さになっています。実際の米農家さんが手がける田んぼは、根がつきやすいよう更に深くなっているそうです。この事実に子どもたちは、水深5cmでさえ歩き辛さを感じているからか、とても驚いているようでした。


 
全員が田植えを終え、いよいよ最後の仕上げへ。みんなで一斉にメダカを放流します。これは夏になるとボウフラが原因で蚊が増えてしまうため、その対策にボウフラの天敵であるメダカを放流するのだそうです。


 

太陽に照らされてキラキラと光るメダカが一斉に放たれる様はなかなか感動的でした。放流するメダカの数は、児童1人につき1匹なので合計30匹。当然の事ながら、夏にはかなりメダカの数が増えてしまうそう。この増えてしまったメダカについては、時期をみて子どもたちと一緒に捕まえるのだとか。
 

今回5月25日に植えた苗は9月中旬に稲刈り・脱穀をし、10月中旬に試食会を行う予定とのこと。目標の玄米8kgが無事に収穫できますように!


◆一人ひとりに一生の思い出を

今回の田植え体験について、子どもたち数名に感想を聞きました。

ーーー初めて田植えを経験してみてどうでしたか?

苗を倒れないように立てるのが難しかったけれど、最後の方はうまくできました。田んぼに入った事も初めてだったので、とても新鮮でした。


ーーー田んぼに足を踏み入れてみた感触はどうでしたか?

天気が良かったのでひんやりした泥の感触が気持ちよかったです。土にはまって足が抜けなくなるのが大変だったけど面白かった。


ーーー他に感じたことなどはありますか?

田植え作業を行ってみて、農家の方たちは大変なお仕事をされているのだなと感じました。田植えが大変だった分、9月の収穫がとても楽しみになりました。



子どもたち一様に笑顔で、嬉しそうに話してくれたのが印象に残りました。田植え作業、おつかれさまです!


最後にプレナスコーポレートコミュニケーション室長の古賀雅也さんにも感想をお聞きしました。


ーーー本プロジェクトは2年目を迎えましたが、活動の手応えについてどう感じていらっしゃいますか?

活動の中で特に印象に残っているのは、参加している子どもたちがすごく楽しそうだったことです。昨年度にいただいた感想文の中からもそれを感じることができ、あらためて「やって良かったな」と感じました。今後も、子どもたちに一生残るような思い出を作ってあげられたら良いな、という気持ちで取り組んでいきたいです。また社内においても、確実に「米育活動」の意識が広がっていると実感しています。



Plenus米食文化研究所事務局長の八谷中大(左)さん、コーポレートコミュニケーション室長の古賀雅也(右)さん。暑い中、ありがとうございました!


◆取材を終えて

昨年は残念ながら叶わなかったものの、今回晴れて実施できた阪本小学校の5年生30人によるプレナス社屋上での田植え。参加した子どもたちだけでなく、アグリチームのみなさん、学校関係者の方々含め、生き生きとした表情に溢れていたことが印象に残りました。


本イベントを通じ「米作りのプロセスを自らが率先して行い、より深く米と米文化を知る」というプレナスの米育活動がきちんと伝わっているのだということも実感。またこういった地に足のついた活動の一方、先端技術を取り入れたスマート農業にもチャレンジしていこうという企業姿勢も知ることができ、感銘を受けました。


*茅場町あおぞら田んぼプロジェクト 育成日記


*兜LIVE!取材レポート 2020年9月「あおぞら田んぼプロジェクト」


屋上からは現在建設中のKABUTO ONEが良く見えました。



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