2022.11.21

『京橋もと』など日本酒の名店を手がける酛グループが『日本酒スタンド酛 茅場町店』を2022年10月にオープン

こんにちは!

兜LIVE編集部です。


2022年10月1日、『京橋もと』など日本酒の名店を手がける酛グループが『日本酒スタンド酛 茅場町店』をオープン。2022年4月5日にオープンした『茅場町食堂 History by moto』に続く、茅場町エリア2店舗目となる酛グループの新店です。


店舗運営を行うファースト商事株式会社 代表平井克彦さんと店長の高橋照和さんに、お店のコンセプトやこだわり、茅場町という街に2店舗を出店した経緯を伺いました。


店舗を運営するファースト商事株式会社 代表平井克彦さん(左)と店長の高橋照和さん(右)


◆新宿から日本酒にゆかりのある茅場町へ移転オープン

店内は白木の一枚板のカウンターに、黒やグレーでシックな雰囲気に仕上げ誰でも利用しやすい雰囲気に仕上げ


――平井さん、高橋さん、本日はどうぞよろしくお願いします。『日本酒スタンド酛』といえば新宿に店舗(ビルの建て替え工事のために2021年末に閉店)がありましたよね。


平井:はい。当初新宿でお店をスタートさせた13年ほど前は、日本酒の敷居がまだ高くて。

そんな状況の中、新しい日本酒の飲み方を提案したくて、値段も手頃で、気軽に入れる立ち飲みスタイルのお店として『日本酒スタンド酛』をオープンさせました。


――再び新宿でオープンするのではなく、茅場町を選ばれた理由って何かあるのでしょうか?


平井:そもそも僕が隅田川のことがすごく好きで、隅田川沿いのこの近辺の雰囲気も好きというのが理由の一つです。隅田川って江戸文化の発展に寄与した、いわば江戸の街の大動脈のような存在ですよね。茅場町、新川エリアについて調べたら、江戸時代に兵庫の灘や京都の伏見で作られた日本酒を、船で運んできて下ろす日本酒の揚げ場だったということもわかりました。この新川は日本酒が江戸の街に広がった、いわば拠点だったわけです。いまでもキンミヤ焼酎で知られる株式会社宮崎本店の東京支社や、ワンカップなどで知られる大関株式会社の東京支社がこのエリアにあることからもその名残を感じられます。そういった経緯で「日本酒の原点であるこの地で絶対お店をやりたい」と思ったんです。


それと同時に、このエリアは金融街でもありますが、元々商人の街でもありました。いまでもミツカンさん、日清オイリオさんやハナマルキさん、ブルドックソースさんやヒガシマル醤油さんなど食品会社が数多くあります。「食」と「日本酒」にゆかりのあるこの場所で、新しい文化を作り上げたいと思い、この場所にお店をオープンさせました。


客の背面にくる壁の一部はクッションになっているほか、カウンター下にコンセントを設けるなどの配慮がある


――新宿時代は地下に店舗がありましたが、今回は駅徒歩1分の路面店になり、以前よりも入りやすい雰囲気になりましたね。


平井:そうですね。弊店も認知されてきたので、路面店でもいけるかなと思いまして。

元々ここは事務所用のテナントだったので、飲食用店舗に改装しました。通りからも中が見えやすいようガラス戸にして、8坪ですが12人がスタンディングできるようになっています。

◆売上げよりお客様の数が大切。原点回帰で幅広い人に日本酒を楽しんでもらいたい

最近発売されたばかりの「AKABU NEWBORN 純米吟醸」と高橋店長発案で新宿時代から人気の「つぶあん燻製」430円


――料理も日本酒も300円台〜と手の届きやすい価格で提供しているのが印象的です。

平井:そうですね。最近日本酒も盛り上がってきて価値が上がり、飲める幅も広がってきています。高級な日本酒もどんどん出てきている中で「300円台からでも日本酒は飲める」ということを原点回帰して伝えたいと思ったんです。

1人でも多く、 1 杯でも多く飲んでもらいたいなって。基本的なコンセプトは新宿時代と変えていませんが、価格は少しリーズナブルになっているかもしれません。もちろん 1杯2,000〜3,000円の日本酒も用意してあります。


――角打ちのような使い方も想定されているんですね。


平井:そうですね。飲食店って「売上が大事」とよく言われますし、もちろん大事ではあると思うんですが、僕はお客様の数の方が大切だと思っているんですよ。やはり長くやっていると飲む方の年代も変化し来店頻度も変わってくるので、その分来店回数が減っていく。そうしたら新たに飲み手を増やさなくてはいけません。そういう中で軽く飲みに来てくれる若い方の存在は、長い目で見たときに大切です。しかし、値段が高くなってしまうと、そういった方々には手が届かなくなってしまう。そこも含めて20 〜70代まで幅を持った客層って絶対必要だと思うんです。ターゲットをピンポイントで絞った高級店もありますが、このお店は幅広い方々に1杯から日本酒を楽しんでいただきたいと考えています。


――10月にオープンして1ヵ月ほどが経ちましたが、どのようなお客様が来店されていますか?


平井:土曜営業の時は新宿時代の常連さんが多いですが、平日は5〜6割程度新規のお客様です。路面店ということもあり、近くに勤めるビジネスパーソンのご利用が新規のお客様のほとんどを占めています。女性一人での来店も多く、また20〜70代まで幅広い方にご利用いただいています。


◆日本酒も料理も300円〜提供。茅場町にゆかりのあるメーカーの調味料も使用

各ボトルには1杯75mlあたりの値札が付いている

――日本酒はどのようなものを揃えていますか?


平井:フルーティーなものやキリッと辛口なもの、熟成感のあるものや芳醇なもの、酸味のあるものや、スッキリした飲み口のものなど幅広く取り揃えています。種類としては常時100種類くらい用意してあります。予算やお好みに合わせてご提案させていただきます。

右手前から時計回りで「チーズ5種盛り合わせ」990円、「太いマカロニサラダ」430円、「コロッケ2個」430円、「つぶあん燻製」430円、「酛のもつ煮」550円


――料理はどのようなものをご用意されていますか?

高橋:基本的には、日本酒に合う一品料理を30種類ほど揃えています。大体レギュラーメニューですが、1ヵ月ごとに一部のメニューを変わる予定です。おおかたの料理については門前仲町にあるグループ店舗の『コロッケと明太子』で下調理をしていて、提供前にこちらの店舗で仕上げるオペレーションになっています。


平井:ちなみに、店長の高橋は新宿店で店長を務める前に、日本料理の料亭『金田中』で調理を経験しています。ここには、彼が発案したメニューもいくつかラインナップしているんですよ。

店舗の料理には茅場町エリアに会社を構えるメーカーの調味料を使用

高橋:そうですね。今回は茅場町の店舗ということで、地元メーカーの調味料を使った料理も取り入れています。例えばコロッケは日清オイリオさんの油で揚げて、ブルドックソースさんの3種類のソースからお好みのものを選んで、かけていただけるようにしています。もろきゅうなどにはハナマルキさんの味噌を添えて、もつ煮にはS&Bさんの一味唐辛子、もしくは七味唐辛子をかけていただくのをおすすめしています。チーズは日本酒に合うものを豊洲市場で仕入れており、仕入れ状況によって内容が変わってくる形です。日本酒を味わっていただきつつ、地域の食品メーカーさんの良さも知っていただけたらと思っています。


カウンターにはこんなポップも置いてありました!


◆「食と酒の街」としての魅力を発信し、茅場町エリアを立ち飲みの聖地にしたい

予算やニーズに合わせて、その時々のおすすめの日本酒を提案してくれる


――今後の展望について、特に茅場町という街を通してどういう未来を描いていきたいかお聞かせください。


平井:このエリアが立ち飲みの聖地になったらいいなって思っているんですよね。我々のお店以外にも、『ニューカヤバ』さんもそうですし、『かめじま商店』さんや『GYOBAR』さんもありますし。それぞれ日本酒、ワイン、ビールなど特化しているジャンルも違っていて、バッティングすることもありません。皆さんと一丸となって、茅場町の立ち飲み文化を盛り上げられれば嬉しいですね。


また、最近住む人も増えているなど、居住地域としてのポテンシャルの高さも知られてきています。私はその力がさらに大きくなっていくと思っていまして、そう考えるともう一店舗出店することも考えようかな、なんて思ったりしています。


食品会社もたくさんあるので、コラボレーションを進め、「食と酒の街」としての魅力を高めていきたいです。加えて、新川大神宮という日本酒の蔵元が作った神社も近くにあるので、そこで日本酒祭りができたら楽しそうだなと思ったりもしています。

◆取材を終えて

茅場町エリアに今年だけで2店舗もオープンし、さらに来年春には茅場町からも近い『東京ミッドタウン八重洲』内にも新店をオープン予定のモトグループ。東京の東側エリアの日本酒カルチャーが、さらに盛り上がりを見せそうです。さらに平井代表が仰るように、茅場町は立ち飲みのお店も魅力的。立ち飲みの聖地として知られる日もそう遠くなさそうです。


『日本酒スタンド酛 茅場町店』
東京都中央区日本橋茅場町1-11-7 大成ビル 1F
03-6810-8872
営業時間:15:00~22:30(土)12:00~21:00
定休日:日、祝休


*『茅場町食堂 History by moto』の取材レポートはコチラ


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