2022.07.07

四年ぶり!日枝神社 山王神社例大祭「宵宮」に参加してきました!

こんにちは。
兜LIVE!編集部です。


日中の蒸し暑さも、夜間になると心地よくなる梅雨の時期。例年であれば、華やかな神輿や威勢の良い掛け声、観覧の人々が沿道を埋め尽くす、江戸の一大祭り「日枝神社山王祭」が6月に開催されます。しかしながら、2022年も長引くコロナ禍のため中止となってしまいました。


「祭りの火を絶やしてはならない!」と、ここ日本橋茅場町では、6月10日に茅場町一丁目町会が町内の皆さんや町内企業の皆さんとともに茅場町二・三丁目町会、兜町町会の協力のもと、茅場町一丁目町会の「日枝神社例大祭 町内神輿渡御『宵宮』」を行いました。


熱気に包まれた当日の様子をレポートしていきます!


◆四年ぶりに復活した神輿渡御『宵宮』


日本の三大祭は、京都の祇園祭、大阪の天神祭、江戸の天下祭(山王祭・神田祭)。天下祭は徳川守神(江戸の総鎮守)である日枝神社と神田明神の祭をさします。この「山王祭」は、江戸城を築城した太田道灌が活躍した時代から続く、歴史あるお祭りです。その一番の見どころと言えば、御霊をのせた鳳輦(ほうれん)と神輿が東京を一日がかりで渡御(とぎょ)していく「神幸祭」です。赤坂の日枝神社からスタートし、四谷、皇居、東京駅周辺、日本橋、銀座など23kmもの距離を巡行していきます。


日本橋茅場町にある「日本橋日枝神社」は神幸祭の折り返し地点ともなっていて、各町会の神輿、山車が出され例年華やかで活気ある雰囲気に包まれます。

隔年で開催される祭りのため、本来であれば2022年は開催年ですが、新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、本祭は中止となってしまいました。


そのような時勢の中ではありますが、茅場町一丁目町会が町内の皆さんや町内企業の皆さんとともに、茅場町二・三丁目町会、兜町町会の協力のもと、茅場町一丁目町会の「日枝神社例大祭 町内神輿渡御『宵宮』」を実施することとなりました。


◆本日の主役!「茅場町一丁目町会 神輿」


「茅場町一丁目町会 神輿」は、昭和11年製作で作者は不明。三つ巴で黒漆延屋根の神社型神輿で安定感があり、神輿好きからの評価が高いとのこと。昭和50年に浅草宮本にて改修・色上げされた、重厚感、存在感のある神輿です。


◆コロナ禍での新しい神輿巡航ルールを実施


今年の例大祭における担ぎ手は、新型コロナ感染対策のため、町内からの参加者に限定して募集しましたが、最終的に総勢300名を越え、神輿も予定されていたルートを巡る事となりました。過度な密を避け、万一感染者が出た場合でも濃厚接触者を最小限にする目的から、担ぎ手には事前にA、B、Cに組分けしたカラーリストバンドを配布、当日カラーバンドをした担ぎ手は別々の場所で受付を行い、検温後に色マスクを受取り、渡御中は色マスクを着用し、指定の場所で交代しながら茅場町町内を巡行していきます。神輿は、神酒所が設置された東京証券会館前の御仮屋(おかりや)を18:00に出発したのち、茅場町町内をぐるりと巡りながら日本橋日枝神社へ宮入りし、21:00頃に再び御仮屋に戻っていくルートです。


◆鳶頭の腕の見せどころ! 御仮屋にも注目。


御仮屋は、祭りの最中に神輿を飾るための仮の建物で、大抵は神酒所と一緒に建てられます。特に屋根に注目!格式高い『入母屋造』の屋根の張りがとても美しく、粋です。町会や氏子の依頼で、地元の鳶(とび)がその設営を請け負います。


鳶の中で中心となるのが鳶頭(かしら)と呼ばれる人々で、〝御仮屋の出来で鳶頭の力量がわかる〟ともいわれるほど、鳶や鳶頭たちにとって御仮屋造りは重要な仕事の一つになります。


材料は丸太と竹と葦簀(よしず)のみで、設計図はなし。丸太で骨格を組み、竹と葦簀で形を整え仕上げる工程は、鳶頭が長年にわたって体で覚えてきたものだそうです。簡易的なテントで設えた御仮屋が増える中、日本橋では伝統的なスタイルを守っています。



*「江戸消防記念会」所属、第一区九番組組頭・山本吉則さんのインタビューはこちら

◆神輿渡御がスタート!


まだ少し陽の高い18:00、茅場町一丁目町会長の挨拶の後、定刻通り神輿渡御がスタートしました。日中天気が良かったのもあって、少し蒸し暑さを感じる夕刻。町内の氏子を巡りながら日本橋日枝神社を目指します。


神輿を先導する「山車」。神輿と同様に神様が宿るものとする所がある一方で、神様ではなく、人が乗って太鼓などの鳴り物を叩いたりして神様のお供や先導をする役目のものとしてお祭りに登場します。


その後に、高張提灯、おんべ、最後に神輿と続きます。



時折見られる神輿を激しく揺らす行為は、「魂振り(たまふり)」と呼ばれるもの。これによって神様の霊威が上がり、災厄を防ぐことができるとされています。方々から上がってくる、威勢の良い掛け声が印象的です。ちなみに、神輿で氏子区域を巡ることを渡御といい、これは神様に地域をご覧いただくための儀式でもあります。



◆陽が落ち提灯に火が灯り、宵宮もいよいよ本番!


沿道は練り歩く人、神輿の行方を見届けようとする人々で賑わい、足を止めていきます。お仕事を終えて帰宅するサラリーマンの方々も、いつもと違う町の雰囲気に興味津々の様子です。


オフィス街の人工的な光と提灯の暖かな光が交差し、現実離れした景色を作り出していきます。


◆神聖な雰囲気で満たされた日枝神社へ宮入り


町内神輿渡御もいよいよ佳境へ。町内を巡行した神輿が日枝神社へと宮入りし、お祓いを受けます。


本殿前にて神職による修祓が執り行われる間、境内は今までの熱気が嘘のような静けさに包まれていきます。



宮入りを無事に終えた神輿が日枝神社を出発すると、再び熱気が戻ってきました!
神輿が鳥居をくぐる瞬間を逃すまいと、方々からカメラのシャッター音が聞こえてきます。


◆町内神輿渡御『宵宮』もクライマックス!


神輿渡御も残すところゴール地点の御仮屋を目指すだけとなりました



終点を前にして、祭りのボルテージも最高潮へ!


神輿を納める際には、真っ直ぐ入れなくてはならないのですが、なかなか呼吸が合いません。10回近くやり直しをさせられる場面も。「まだまだ!」「しっかりやれ!」「がんばれ!」といった威勢の良いかけ声や、手拍子での応援が担ぎ手の後押しをしていきます。



なんとか無事に神輿が納まり、一本締めをして神輿渡御は終了!
すっかり陽も落ちて、梅雨の時期らしからぬ、ひんやりした夜風が吹き抜けていきました。



最後に茅場町一丁目町会の祭礼実行委員長から挨拶がありました。茅場町一丁目町会をはじめ、同じ七の部連合町会である茅場町二・三丁目町会、兜町町会の方々への感謝、そして協賛企業、氏子のみなさん、日枝神社の方々への感謝が述べられました。感極まって涙ぐまれる様子もみられ、本当に祭りを待ち望んでいたことが伝わってきます。


◆まとめ


2020年に続き本祭は中止となってしまった神幸祭。コロナ禍という事もあって、今回の神輿渡御は町内に限定し、マスクの着用が徹底されていました。さらに、担ぎ手を交代するタイミングで消毒をするなど、感染対策もしっかり行っていたのも印象に残りました。参加者一人一人の協力はもちろんですが、日本橋界隈の様々な方たちの助力なしには実現し得なかった神輿渡御。祭りを通して、人と町の連帯感・一体感がどんどんと高まっていくのを感じました。


*KABUTO ONE 1Fアトリウムでの神輿展示の様子はこちら


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